結婚式のメンバー (新潮文庫)

制作 : Carson McCullers  村上 春樹 
  • 新潮社
3.64
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本棚登録 : 522
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102042021

感想・レビュー・書評

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  • 2018.04.20 社内読書部で紹介を受ける。

  • ときどきふっと読みたいという気持ちがわいてくるのが、村上春樹の翻訳もの。その一冊を久しぶりに手に取った。
    12歳の少女フランキーは自分の兄の結婚式を機に、いま住んでいる街を出てどこか遠くに行ってしまいたいと願う。そんな成長途上の少女の心の動きを繊細に描いたというのが、この小説の謳い文句でもあるし、それは確かにその通りだろう。
    だが、どうしてもワタシには、フランキーが12歳とは思えない。これはミルハウザーの『エドウィン・マルハウス』に登場した11歳のエドウィンやジェフリーにも感じたことなのだけれど、せいぜい10代後半、いや20代前半といわれても違和感を覚えないくらいなのだ。もちろん彼らのみずみずしい感性や幼さが残る行動は紛れもなく11歳や12歳だ。
    でも、彼らが感じる苦痛や恐怖や不安が、圧倒的に重くのしかかる。この熱病にかかったかのような息苦しいダークな部分が、彼らを実際より大人に見せているのだ。
    そして、この息苦しさはどこかで読んだ覚えがある…と思っていたが、読後に気づいた。『オン・ザ・ロード』ではなかったかと。
    「自分が監獄に連れて行かれることはないのだ。ある意味では彼女はそれを残念に思った。見えない監獄に入れられるよりは、どんどんと壁を叩ける監獄に入れられた方がまだましだった。世界はあまりにも遠くにあった。」 こんなフランキーの思いのベースにあるのは、正体不明の閉塞感と、それを打ち崩すにはどうしたらよいのかという永遠の疑問だ。大人になるにつれて忘れてしまうこの疑問は、時代は違えど、『エドウィン・マルハウス』、『オン・ザ・ロード』、そしてこの『結婚式のメンバー』の中で、しっかりとその存在を示している。

  • 村上春樹さん訳、ということで購入。

  • 不安定な思春期を過ごす主人公の少女の心の動き。不満、不安、期待、焦り、そんなものがカオスのように心の中を渦巻く中、魅力的で包容力のあるベレニスや、いかにも男の子らしい男の子のジョンと繰り広げる会話がとても魅力的。よい本だと思いました。訳も秀逸なのだ。

  • 変な小説ーっ!

    というのが読み終わった直後の感想。

    Part3は予想外の展開になって急におもしろかったけど、そこに行くまでは全然おもしろくなくて苦痛でした。
    人の頭の中だけであーでもない、こーでもないって続く小説が、そもそも、もともとあんまり好きじゃないので。

    確か、村上春樹氏の奥さんが何度も読んでいて、珍しく英語でも読んでいた、とどこかで書かれていたのが手にした理由。奥さんに関する情報がほとんどないせいか、すごく食いついてしまって期待しすぎたんだとは思うけど、それにしても、Amazonでの大変な高評価に驚く。ほんとにみんなそんなにこの小説好きなの?村上春樹の評価に影響されてない?ほんとに??って聞きたい。(笑)

    そして、「通過儀礼の小説かぁ、ふぅ、(しんどかった)」と思いながら読み終わり、続けて解説を読んでビックリした。
    『この小説は単なる「人生の通過儀礼」を描いた小説ではないということだ』と書いてあるではありませんか。
    なんだか、宿題をいいかげんに終わらせて遊んでいたのをもろに見つかった中学生のような気分になった。
    り、理解が足りなくて、すまん・・・

    でも、「たけくらべ」に似ている、っていう村上春樹さんの説はすごく新鮮で興味深かった。そういうユニークな比較、大好きなので。(ただし同意するかどうかは微妙)

    あと、相変わらず村上春樹氏が翻訳で使うカタカナ語の趣味は合わないと思った。英語の音をカタカナに置き換える時点でいろいろ無理があるんだから、ブルーズブルーズと、そんなにムキになってそこだけ原音に忠実に書かなくても、日本語として浸透しているブルースでいいじゃない、と思う。(もしくは、やるなら全部徹底してやれ、と思う。RとLを書き分けるくらいに。)
    用語に違和感があると、どうしてもそこで読む勢いが止まってしまうし、村上氏がブルーズって書いているのを見るたび、私はどこかにぶつけて出来た青あざを思い浮かべちゃいます。

  • 物語から感じる気温や湿度が大好きなカポーティに近いのだけど、更にひりひりさせられる。
    何のメンバーにもなれなかった自分を、出来れば思い出したくないのだ。
    思い出すなら、せめて、甘やかす形で思い出してやりたいのだ。
    でも、この小説はそうはさせてくれない。
    かと言って突き放し過ぎているわけでもなく、その距離が絶妙。
    他の作品も是非読みたい。
    もう少し、胸のひりひりが治ったら。

  • やはり、サローヤン

  • 「緑色をした気の触れた夏の出来事で、フランキーはそのとき十二歳だった」尖った出だしで、興味をそそられる。そう言えば訳者は村上春樹氏だったな。少し楽しみに思う。が、数ページで読めなくなる、外国系も文学系も苦手なのに、何故これを読もうと思ったのだっけな、 そうか「book barお勧め本」か。こう言った場合、速読の練習と思い、斜め読みするが、やはり途中で終了。家の中で女性がおしゃべりしている話には興味をそそられず。

    #book barお勧め本

  • 2017/6/17購入
    2018/5/30読了

  • 12歳のいそうでいない少女の目線で語られる、人生の一時期にしか訪れない”気の触れた夏”。
    著者のマッカラーズはこの半自伝ともいえる小説を何度も書き直したそうな。
    かつて芥川龍之介は「いそうでいない主人公を作り上げたらその小説は半分成功したようなもの」と語ったがこの小説がまさにそれではないか。

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