絵のない絵本 (新潮文庫)

制作 : Hans Christian Andersen  矢崎 源九郎 
  • 新潮社
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本棚登録 : 2749
レビュー : 301
  • Amazon.co.jp ・本 (109ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102055014

感想・レビュー・書評

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  • アンデルセン!うちの一生で一番の詩人童話作家!母が愛したいわさきちひろさんがさらに愛した最高の作家!このコラボレーションがすでに傑作ですね。いまでもボロボロの「おはなしアンデルセン」がうちにはあります。

    第十六夜が素敵すぎて哀しすぎて童話を超越してました。絵本にするには高尚なお話で、でも文章だけで表現するには無駄遣いに感じるぐらいの素晴らしい描写力。本当に情景を表現するのに、綺麗すぎる単語とか的確すぎる並べ方はいらないんだと。感じたことを感じたたまま、人が生まれてから見て知った最低限のものだけで表現できる、これが天賦の描写力!

    あ-いいなぁ-いいなぁ-産まれたときから月と話して花の中で眠って王子様の夢見ながら鳥が起こしに来るの待ってたいなぁ-笑

    小さい頃、読んでもらった「あるおかあさんのものがたり」が大好きでした。哀しいのわかってるのに、何度も読んでもらって「かわいそうだね」ってゆってました。
    そんなことを思い出しながらこの本を読んで、アンデルセンがこの世を去った133年前の8月4日に戻って一人でお葬式したみたいな気持ちになりました。

  • ブックオフで眺めていたらとても気に入って。
    一夜ごとに少しだけ語られる、世界中のお話。まるで月と一緒に旅をしているよう。
    たくさんの色で描かれた肖像画のような華やかさ、大きなキャンバス・たくさんのものや人を使って描かれる壮大さではなく、即興で使い古されたスケッチブックの一頁に描かれた大切な人が見せるちょっと悩ましげな表情のような…
    はっきりと普段意識はしなくても、いつもそばにあったものの存在が言葉によって呼び起こされて、ようやくその大切さに気づく。
    今、天空(そら)をめぐる月は笑っていますか?泣いていますか?君の見てきたもの、どうか話してください。そして君の中で旅をするよ。

  • アンデルセンの書いたちょっと不思議な本。
    ある貧しい絵かきの若者に絵の題材を与える為、月がこれまで様々な時間と場所でみてきた光景を毎晩語って聞かせる物語。

    月の語る話は、物語と言うより、ある一つの鮮烈に視覚的な情景であり、まさに絵画的なものである。
    そういった意味で、”絵のない物語”は、まさにこの本にふさわしいものである。
    月の語る情景は、神秘的なものや、人生の悲哀を象徴ものが多いが、子供を扱った朗らかな内容の物が何篇かあり、アンデルセンの子供たちに対する温かい視線を感じた。

  •  シェヘラザードの代わりに月が語る千夜一夜物語みたいな感じだろうか。
     全三十三話、第一夜から第三十三夜までの短い物語で構成されている。
     物語、というよりも散文詩に近いのかも知れない。
     ページ数もすくなく、とても薄い本なのだが、読み通すのに苦労した。
     訳者あとがきを読むと、翻訳に際し留意した点として「原文のことばの配列をできるかぎり忠実に日本文に再現する」ということだったらしい。
     そうやって留意された結果が、倒置法の乱用だったのだろうか。
     これが読んでいて実にイライラとさせられる。
     例えば「わたしはそれを見た、実にはっきりと。今宵わたしは読んだ、そのことを新聞で」といった文章がいたるところに出てくる。
     章によっては、そんな文章が何行も連続して出てくる。
     まるで下手くそな外国語の直訳を読まされているようだった。
     確かに倒置法は使い方によっては効果があるだろうし、詩的な表現をする際には充分にその効力を発揮できるかと思う。
     でもそれは、ココゾ! というときに使うからであって、こうもあちこちで乱発されると、ただただ読まされる方はイライラさせられるだけのように思える。
     原文、とはデンマーグ語になる。
     僕はデンマーク語の文法も語感も全くわからないのだが、あとがきで書かれている内容からして、きっと原文も倒置法的な文章が多用されているのだろう。
     原注や訳注が巻末にまとめられており、いちいちその巻末をめくらないといけない、というのも不親切に思える。
     一章ごとに、その章の終わりに掲載してくれたほうが便利だと思うのだが。
     前出したようなことが気になるのは、僕だけなのかも知れないが、どうにも楽しめない一冊になってしまった。

  • 読了。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      アンデルセンは美しい情景を見せて呉れるけど、ちょっと切ない話が多い。。。
      アンデルセンは美しい情景を見せて呉れるけど、ちょっと切ない話が多い。。。
      2013/04/10
  • 表現が美しくて
    本当に絵本を読んでいるような感覚で、
    何度も読みたくなる本です。
    好きです。

  • 絵描きになったつもりで、絵を描いてみた。第一夜、第十七夜の情景が印象的。
    眠れぬ夜に恋しくなるのは、この本の中の幻想的な夜。
    雨音を聴きながら思い起こすのは、月の煌々と照る夜の情景。
    月と共に過ごす夜。こんなにも美しい夜が存在するんだと、眠れぬ夜にそっと頁を開く。

  • とてもきれい
    ストーリーや意味や教訓がない話も多く、きれいなものだけが残っている

    あわれなプルチネッラ、少女が悪を見る瞬間、すてきな胸の苦しさを感じられる

  • イメージがあっちこっちに飛びまわり、インスピレーションを与えてくれる。特に、ひやっとした大理石の感じや、暗くてじめじめしてざらついた監獄の壁や、ひんやりとして明るい砂漠の夜のイメージがものすごく鮮明に、絵画的に見えた。

  • 名作なのだろうけど、
    単純な言葉がうまく心に入ってこなくて、読むことが億劫に。
    ほんと、絵のない絵本でした。

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著者プロフィール

1805年デンマーク、オーデンセに貧しい靴屋の息子として生まれる。14歳のとき、俳優を志してコペンハーゲンへと飛び出すが挫折。30歳のとき、小説『即興詩人』を発表。以後、『親指姫』『はだかの王さま』『みにくいあひるの子』『雪の女王』『マッチ売りの少女』など212篇の童話を残した。生涯独身のまま、1875年、70歳で逝去。葬儀にはデンマーク国王と王太子も参列した。

「2019年 『小さい人魚姫 アンデルセン童話集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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