アンナ・カレーニナ(上) (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (580ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102060018

感想・レビュー・書評

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  • 読書会課題本。表面的には「不倫」をテーマにしていると言える。しかしそれに留まらないものを上巻の時点で感じる。またキリスト教的要素が、特に本書後半の「第二編」で色濃く出ていて、それをどう受け止めるかで、読後感が大きく変わるだろうと思う。

  • 2021/03/22 読み終わった

    ロシア文学を読まないとと思って。まずはこれ。
    重厚なのは間違いない!大河ドラマを見ているような感覚だった。長いけど、長いことに意味がある方の物語だと思う。
    アンナもヴロンスキーも、いけすかないやつだな!特にアンナは、最後まで自分勝手だと思った。本当の主人公はリョーヴィンなんだろうな。

    この版は1965年くらいの出版なんだけど、翻訳が古めで少し読みづらかった。Kittyをキティでなくキチイと訳すのは現代風じゃないよね。光文社古典新訳文庫でもアンナカレーニナ出てるから、今から読むならそっちの方が良さそうかも。

  • 感想は下巻にまとめて

  • 面白く読み進めていって、最後くらいで、
    あれ!この後の展開知ってるぞ?再読だった!
    と気づいた。

    ドストエフスキーみたいに、飲んだくれで自分の娘に買春させて大泣きするような、品性のない下劣なキャラクターが出てこなくて寂しい。

  • 「恋愛はテロ」。いつだったか、ある本にそんな台詞があった。恋は盲目ともいうけれど、宗教と恋愛ほど思考停止を招くものはこの世にないのではないか。

  • 文学

  • 2017.11.05 『文学入門』
    2017.12.27 世界の文学作品を読む(2018年に向けて)

  • 「幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである」という世界文学史上、最も知られた警句の一つで始まる重厚な本作こそ、時間のある休暇にはふさわしいと思いセレクト。

    夫婦の不貞という現代にも通用するテーマであるにも関わらず、その心理描写は一瞬たりともだれず、紋切り型の描写は一切使われない点に古典の重みを感じる。引き続き中巻へ。

  • 463

    2017年では97冊目

  •  『アンナ・カレーニナ』はトルストイの作品であり、言うまでもないがロシア文学の代表作の一つである。文学好きなら読んだことはないにしろ、名前は知っているであろう。トルストイの『戦争と平和』程は長くないが、それでもかなりの量があり、読み終えるだけでも一苦労である。

     この作品を私は二週間近くかけて読み終えた。そして、読み終わった際の感想として自分の心を覗いてみると、中々に複雑な気持ちをこの作品に対して抱いていることに気づく。すなわち手放して賞賛しようという気持ちはないし、駄作として唾棄しようというわけでもない。私はこの作品に 対して賞賛の気持ちを持っているのか、否定の気持ちを持っているのか、中々自分でも判断しづらいものがある。
     
     『アンナ・カレーニナ』という題名である以上、やはり主人公は夫人アンナである、と考えてもいいだろう。彼女は恋愛のない結婚生活に嫌気がさし、不倫へと走り、やがて駆け落ちをしたり、離婚を申請したりする。ここを沿っていけば、一つの不倫物語としてこの作品を読み取ることができ、そういう一側面を持っていることは間違いのない事実である。
     しかしながらこの作品を読み終えた者は、この作品が単なる不倫物語ではないことは、当然ながら気づくはずである。もう一人の人物レーヴィンが登場して、彼もまた結婚をおくることになる。そして単にそれ だけでなく、彼を通してロシアの農業問題、政治問題についてや、道徳問題についても多々言及され、それにより物語は単なる不倫物語として片付けていいものではなくなってしまう。この作品をアンナの不倫物語として取り扱う場合、これらの要素は別に読み飛ばしても差し支えがない。しかし、どうもそういうわけにはいかなさそうだ。この作品を正しく評価するにあたってはこういった要素も鑑みないといけないのではないだろうか。
     なんでもこの作品は当時の社会情勢を細部に至るまで書きつくそうという意図を持って書かれたらしい。それが作者の自発的な意志なのか、それとも社会の要請なのかはわからないが、やはりどうしても無視できそうなものでは間違いない。
      しかし作者の真意が何であれ、また学問的にはどのようにこの作品がとらえられていようが、私はこの作品内における農業問題、政治問題、道徳論については、退屈を覚えたことを素直に告白しなければならない。まあ当然といえば当然なのかもしれない。この文学が成立した時代や場所と私が生まれ育った環境は違うのだから。それ故私はこの作品内の作者の描こうとした情勢・思想的なものについて殆ど記憶に残っていない。私がこの作品を読んで印象に残っているのは、結局アンナの不倫とそれを取り巻く人間関係である。アンナの不倫が最終的ににどのような結末を迎えるのか、という社会的な興味ではなく個人的な興味を持って、結局この作品を追っていた。情勢・思想は一応一通 り読んだが、私が仮にこの作品を再読する場合、おそらく読み飛ばすだろう。
     
     ではこの作品が不倫物語としてはどうなのか、と聞かれたら、面白いとは答える。しかしながら述べたようにそれはあくまで物語の一側面である故、どうしても不倫物語として消化不良が目立つ。結局夫との関係子供との関係もはっきりとしたエンディングを迎えなかったし、アンナ亡きあとのウロンスキィに関する描写もどこかあっけない。どうにも読み終わって私はやきもきさせられた気持ちを抱くことを申し上げねばならない。それにこの作品は長い。壮大であるが、それ故読むのに骨が折れる。その長さを読み終えたことによって相応の報酬があったか、と聞かれれば、私は否定はしないものの、かといって肯定しようという気にも中々なれない。結局のところ私はこの作品の感想を聞かれたら、賞賛も非難の声も挙げず、沈黙を強いられることにになるだろう。

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著者プロフィール

一八二八年生まれ。一九一〇年没。一九世紀ロシア文学を代表する作家。「戦争と平和」「アンナ=カレーニナ」等の長編小説を発表。道徳的人道主義を説き、日本文学にも武者小路実らを通して多大な影響を与える。

「2004年 『新版 人生論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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