クロイツェル・ソナタ/悪魔 (新潮文庫)

著者 :
制作 : 原 卓也 
  • 新潮社
3.64
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本棚登録 : 551
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102060117

感想・レビュー・書評

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  • この小説は非常におすすめで5つ星ならぬ6つ星をつけたいくらいです。
    なぜなら、あのトルストイの小説にも関わらず、薄い!短編集です。より詳しく言えば、短編が二つです。これは読みやすい。
    そして、内容が面白い。男の嫉妬を描かせたら、トルストイか漱石かだと私は思います。

    詳しくはこちら http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120322/1332389523

  • 裏表紙に書いてある通り、ストイックだった。
    もう好きなようにしちゃいなよ。と、言いたくなるほどの苦悩。
    トルストイの小説はなんていうか、すごくロマンチックな男が多いというか、女以上に純粋と言うか…でも不誠実。完璧な誠実寄りの不誠実。そこがすごく人間っぽくてたまらないです。

  • 性欲が我々を苦しめる。

  • トルストイが、性に対する持論を展開する中編2つを収める。
    クロイツェル・ソナタは、トルストイが音楽に非常に造詣が深かったのだろうなと思わせる箇所が、随所に現れる。妻がヴァイオリニストと関係を持ったと思う場面、すでに音楽を一緒に演奏したことが、主人には決定的だった。
    翻訳も素晴らしく、読みやすい。
    (2015.5)

  • 面白かった。
    性欲の否定は言うだけならば簡単でしょうがそれを質の良い作品にしてしまうトルストイと読みやすい訳を付けた翻訳者の上手さ。

    ロシア上流階級の男性の勝手な女性の理想像と現実との乖離が不幸を呼ぶ『クロイツェル・ソナタ』、妻を愛しつつ過去に遊んだ人妻にいけないと思いつつのめり込み、身を滅ぼす『悪魔』。
    『悪魔』の主人公の不器用な真面目さと姑のキツさに同情を禁じえません。

  • 「愛」とはなにか。
    それは一般に語られる愛とは大きく違う。
    それが見える者に訪れる苦悩を描く。
    愛し合うから、体を重ねる。そんなことは起こりえない。そこに因果関係は存在してはならない。し、するはずもない。ただただ、欲望でしかない。

    言語ゲームか、それとも人間の本性か。
    果たして回収しどころのない、永遠の苦悩、それを解決できずに、作者、トルストイは死んでいったのだろうか。
    また我々もそのように死ぬしかないのだろうか。

  • ベートーヴェンのクロイツェル・ソナタを聞いてから気になって手にとった。
    トルストイの作品の中でも”性”について扱う中編二作品を収録。どちらのタイトルも抗いがたい欲望の引き金を象徴している。
    特に『クロイツェル・ソナタ』で行われる、列車の長旅の中で行われる人物たちの対話はとてもおもしろく感じた。
    どちらの作品もazuki七さんが常日頃感じているように、愛というものをどんな形にするのか、よくわからなくてイライラしてしまう。人間の動物的欲求を克明に描き出していると共に、そんな中でも清くあれと叫んでいるような感じがそれでもしてしまう。
    トルストイ自身も愛というものを探していたのかもしれない。

  • 純潔に夢見てるトルストイらしい真摯さというか真面目さの見えるお話。罪と信仰と性に関して、理想持つ立場から書き綴られています。
    こんな風にキリスト教的な精神の葛藤を題材にした小説は多いけれども、仏教や神道では寡聞にしてあまりそういうのを見かけない気がする。

  • 『クロイツェル・ソナタ』の方は光文社文庫で読んだので、こちらは『悪魔』のみの感想をば。

    エヴゲーニィという真面目な青年の悲劇。
    人間なら誰もが抱くであろう感情に苦悩し敗北してしまった人。
    こんなにも苦しんだのに誰一人彼の苦悩を理解しない結末。
    もしかしたら、それは現代人にも通用することで、今現代で同じ悩みを持つ人間がいたなら、恐らくその人も誰にも理解されないのではないだろうか…。
    エヴゲーニィはあの女性を“悪魔”と言っていたけど、悪魔は常にエヴゲーニィの中に居たんじゃないかな。それは誰の中にも居るだろうものだと思う。

    エヴゲーニィとリーザは良い夫婦だと思う。身重のリーザをお姫様抱っこしたシーンが好きです。
    表面的な描写しかないけど。

    エヴゲーニィが終始かわいそうだった…。
    真面目が故に苦しむ人。そして現代ではとても生きていけない人。

  • 嫉妬の構造という本で紹介されていたので。
    展開的には、寝取られ好きな自分としては興奮した。
    わたしは性に関してかなりオープンというか貞操を守らない人間だから真逆の考えっておもしろかった。すごい読みやすかったし好き。
    他の作品も読みたいなー

著者プロフィール

一八二八年生まれ。一九一〇年没。一九世紀ロシア文学を代表する作家。「戦争と平和」「アンナ=カレーニナ」等の長編小説を発表。道徳的人道主義を説き、日本文学にも武者小路実らを通して多大な影響を与える。

「2004年 『新版 人生論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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