復活(下) (新潮文庫)

著者 :
制作 : 木村 浩 
  • 新潮社
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本棚登録 : 437
レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102060193

感想・レビュー・書評

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  • 刑務所の囚人がいかに非人間的な環境におかれているか、囚人達をそのような状態に追い込んで平気でいる、さらに善を為しているとまで考えている司法の人間の糾弾。全編ただそれだけが延々とつづく。長い。つまらない。

  • クロイツェルソナタの次に読んだトルストイなので、やはり女性が嫌いなのかなー、と思ってしまいます。
    無責任と、悪の定義の仕方、そして悪をどうすれば根絶やす事ができるのか。
    この二つが特にストレートに響きました。
    トルストイ作品で一番好きかも知れません。

    作中でも言っていますが、カチューシャをだしにして過去の罪から救われようとしているのは、腹立たしい事です。
    ネフリュードフにはもう少し手痛い目にあってほしかったです。

  • 『罪と罰』も好きだけど、こちらの方がもっとすき。人間ってやり直せるんですね、復活て言葉がいいですね。

  • ネフリュードフを愛するが故に、彼との別れを決めたマースロワの生き方など、きわめて道徳的な小説だ。ネフリュードフが社会の底辺を垣間見た後、社会の悪しき構造を見て取るまでは、よいのだが、その解決を聖書に見出した、という結論は胸に迫るものがない。トルストイの人生そのものではあるのだが。ネフリュードフとマースロワの二人と社会の悪とどういう関係があるのか、にわかに分かりかねる。

  • 「読んだー」という達成感は得られる(笑)。しかし非常にこれが書かれた時のロシアの内情を批判したお話だね。

  • アンナ・カレーニナに大興奮したので、それに比べるとどうしても物足りないかな~という感想は否めない。短くてシンプル。でも根本的なところで、トルストイやっぱ好きだなあ~と思いました。

    過去の過ちに直面して、良い行いをしよう!と決心した主人公は、「やっべー・・・・・!オレ、超正しい行いしようとしてるじゃんwwwマジかよwwwそんなオレって超カッコよくね!?うあー!!!!!」てテンション舞い上がり、涙ぐんじゃったりしてるあたりとか、「いい人」をふつうに「いい人」には書かないよねトルストイwwwと思いました。
    生まれつき偉大な人、ってのがほんとにいないというか・・・みんな内心で、そんなw葛藤とかを経て、ぐるぐるどろどろとかしてて、でも一歩一歩「いい人」に近づいていってるんだ、みたいな。
    トルストイの書く人って、みんな素晴しい面も持ってたり、矮小などうしようもない面も持ってたり、醜い面も持ってたり、そんないろいろで、この作品の中で主に非難されてる立場の人々にしても、賛美されてるような人々にしても同じで。男も、女も、子どもも、老人も、そういうところがトルストイの好きなところだ。
    よっしゃ、やっぱトルストイ好きだ!!
    この後もいろいろ読んでこ~

  • ・相手に対して愛情がないときにはむりやりに接しようとしない。

    【引用】
    「要するに、愛情抜きで他人を取り扱えるような立場があると人びとは考えているが、そんな立場なんかありはしないのだ。そりゃ相手が物なら愛情抜きで扱うことができる。(…略)ところが人間を愛情抜きに扱うことはできない。」

    「もっとも、人間は自分をむりやりに働かせることはできても、むりやりに愛することはできない。しかし、それだからといって、愛情抜きで人を扱ってもいいということにはならない。とくに相手から何かを要求する場合はなおさらだ。もし他人に対して愛情を感じなかったら、おとなしくじっすわっていればいいのだ》 (…略)
     《そんなときは、自分なり、品物なり、何でも好きなものを相手にすればいいので、ただ人間だけは相手にしてはいけないのだ。ただ食べたいときに食べるのが、害がなくて有益な食べ方であるように、ただ愛情のあるときにだけ人に接するのが害がなくて有益な人とのつきあいというものだ。(…略)
    愛情がないのにむりに他人と接すると、さきほど見たような他人に対する冷酷な仕打ちが次々に生じて、自分でもこれまでの全生涯で経験したような苦痛を無限に味わわねばならないのだ。」


    ・自分の置かれている状況のために、相手と結ばれることが相手をもだめにしてしまう。

    【引用】
    「(シモンソン)『ぼくが知りたかったのは、あのひとを愛し、あのひとの幸福を願っているあなたが、ぼくとの結婚があのひとにとって幸福であると認めてくださるかどうか?』」

    「『お別れはいいませんよ。またお会いしますから』ネフリュードフはいった。『許してくださいね』彼女はほとんど聞きとれないくらいにささやいた。二人の目が合った。すると、彼女が『さようなら』といわずに『許してくださいね』といったときの、その奇妙な斜視の目とさびしげな微笑によって、ネフリュードフは、彼女の決意の原因について二通りに想像したが、後者が正しかったことを、悟ったのであった。
    彼女は彼を愛していたのだった。そして自分を彼に結びつければ、彼の一生を台なしにしてしまうが、シモンソンとともに立ち去れば、彼を解放できると考えたのである。そして今や自分の決意を実行したことに喜びを覚えながらも、それと同時に彼との別離に苦しんでいるのであった。」

  • レビューは上巻でまとめて。

  • 時代の移り変わるとき、それがひしひし感じられた。
    20世紀の始まりを告げる…

  • 「一般に社会や秩序が存在しているのは、他人を裁いたり罰したりしているこれらの合法的犯罪者がいるからではなく、むしろこうした堕落した現状にもかかわらず、人びとが互いに愛し合い、憐れみあっているおかげなのだ、と今やネフリュードフは悟ることができた」

    彼の贖罪の旅は、さまざまな過程を経て、彼の内面へと立ち返っていきます。そして彼は上記のことを悟るのです。すなわち戒律を実行すれば、神の国が実現するのではなく、戒律の実行以外に人類を生かすものはないと。
    上巻では彼の贖罪の旅が、外部にどう受け止められていくのか、と考えていましたが、それはこの話の続きで語られるべきことと思います。彼はこの時点で、罪を犯しやすい現代人ではありますが、キリストと同格の存在になったのです。まさにここにおいて彼は「復活」したのであり、現代におけるキリスト教も「復活」したのではないでしょうか。

    この宗教的な読み方でなくとも、当時の帝政ロシアへの痛烈な批判や、革命家の思想など、この小説からは多くのことを読むことができます。キリスト教を軸にしつつ、それらの問題を絡めた素晴らしい作品です。是非読んで下さい。

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著者プロフィール

一八二八年生まれ。一九一〇年没。一九世紀ロシア文学を代表する作家。「戦争と平和」「アンナ=カレーニナ」等の長編小説を発表。道徳的人道主義を説き、日本文学にも武者小路実らを通して多大な影響を与える。

「2004年 『新版 人生論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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