チップス先生、さようなら (新潮文庫)

制作 : James Hilton  白石 朗 
  • 新潮社
3.42
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本棚登録 : 90
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (145ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102062036

作品紹介・あらすじ

霧深い夕暮れ、煖炉の前に座って回想にふけるチップス先生の胸に、ブルックフィールド中学での六十余年の楽しい思い出が去来する――。腕白だが礼儀正しい学生たちとの愉快な毎日、美しく聡明だった亡き妻、大戦当時の緊迫した明け暮れ……。厳格な反面、ユーモアに満ちた英国人気質の愛すべき老教師を、英国の代表的なパブリック・スクールの生活を描いて絶賛された不朽の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 駄洒落が好きで人気の主人公のチップス先生。その穏やかな性格の裏には考え方を曲げない骨太な面がある。敵国の戦死者を悼んだり、やり手の若き校長と喧喧諤諤やりあったり。臨時で校長を何年か勤めたが、やっぱり教師が好きな生き方。幸せな生き方の見本のようだ。2019.4.2

  • ボリュームも多すぎず、訳もシンプルで読みやすい本です。

    生徒から愛され、同僚からも愛され、
    子宝には恵まれなくても何千人もの子供がいたと思いながら
    終えられる人生は幸せだろうなと羨ましい気持ちにもなりました。

  • 文学
    古典

  • 薄い本で平易な翻訳なのでとても読みやすいです。ひとりの男の生きざま。

  • 歴史ある学校で、もはや学校の顔ともなった名物教師の話。冗談好きで生徒に対して温かな眼差しを向けるチップス先生の人柄が素敵だった。

  • あなたはこの学校、先生というもの。

    涙が浮かんだ。学校を体現する教師、あるひとつの理想の教師像。愛にあふれている。効率だけでは見えない、教育者の姿。時代が変わっても、変わらないものの価値。本当に学校で教えるもの、教師が目指す姿のひとつが、この物語に描かれていると思った。

    チップス先生は、見送る人である。学校の先生は、毎年新しい生徒を受け入れ、また送り出す。それ以上に、チップス先生は、妻を、生まれた子供を、同僚を、校長を、たくさんの男の子たちを見送った。去る者は日々に疎しというけれど、チップス先生はいつまでも彼らを愛している。その、一番輝かしい姿で覚えている。

    イメージする、憧れる、英国の姿を描いた作品でもある。パブリック・スクールの老教師。時代が移り変わっても、変わらない、泰然とした、時には停滞したとも揶揄されそうな、“古き良き英国”の姿。きっとチップス先生は、そんな英国も覚えている人。それは、きっと望まれる英国人の姿。

  • 子供(中2)が学校で読むのに良い本が無いかと家内に相談され、ふと目に付いたのがこの本。やはり子供は興味ないみたいだけど、自分で読むことにした。
    老人を主人公にした物語として、今流行の”白い犬とワルツを”と2重写しになるとことも多い。あまり大きな盛り上がりも無く、同じように淡々と話が進み、最後は主人公が亡くなってしまう。
    では、どちらが・・・といえば、私としてはチップス先生ですね。どこが違うというわけではないのですが、どこかに残る暖かさが、本書のほうが多い感じがする。

  • こんなにも皆から愛されていたチップス先生は、本当に幸せな教師だったんだなあと、読み終わったあとはあたたかな気持ちになる。

    そしてまた、自分が子どもだった頃に、こんな先生がいたらよかったのになあと、ブルックフィールド校の生徒が少しうらやましくも感じる。

    それは、この物語のところどころに、チップス先生と生徒たちとのやりとりが描かれているが、そのひとつひとつがユーモアと生徒に対するあたたかなまなざしに満ちているからだ。チップス先生は数十年にわたる教師生活を振り返るが、いやな思いをした生徒や悪い思いを抱いた生徒などは、その思い出の中に皆無なのである。

    チップス先生の生徒に対するあたたかなまなざしと、やさしさに満ちた愛情が見て取れるだろう。

  • で、こう言うことになる、と。

    「こう言うこと」とは、先般突然この
    『チップス先生』が読みたくなり、
    あるはずの本棚を探したけれど無くなっていて、
    俄かに焦り、図書館への取り寄せをしつつ、
    行きつけのBBの本屋さんでこちらの新訳を買い、
    あっという間にどちらも読んだ、と言う事。

    こんなに素晴らしい小説を
    今まで読まずにのうのうと生きてきたと言うのは
    大変に恥ずべきこととお詫びしつつ、
    今回、こちらの新訳の素晴らしさを褒めたたえたい所存。

    原作の時代の風合いを損なわず、
    会話の言葉使いも、描写も自然でわかりやすかった。

    何せ、旧訳を読んだ三日後くらいに読んでるから
    容易く比べることが出来るの。

    大体、私は新訳って言うと疑いのまなこをむけて、
    読んでみて、「やっぱり…」と
    旧訳に軍配を上げることが多いのだけれど、

    でも考えてみると、それは旧訳を何度も読んで
    気に入っているからかも知れない。

    今回は旧訳も一回しか読んでいないので
    思い入れが無いからかも。

    また、新旧の違いとしては新しい方には
    注釈が一つも無いってこと。

    これは日本も国際化が進んで、
    外国の文化もよくわかってきたと言う証拠かな?と思った。

    とは言え、旧訳の注釈は訳者さんが面白がって付けているようなのも
    チラホラあったけれど。

    先生って勉強とか何かを教えてもらったりすると言う以上に
    「出会い」なんだな、と思い至った次第です。

  • 高校時代に読んだ再読。いい教え子に恵まれた教師の醍醐味が書かれた傑作。

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