チップス先生、さようなら (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (145ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102062036

感想・レビュー・書評

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  • そこそこ真面目で気負わず見栄をはらない。チップスのように人生を生き、いつかかわいい老人になりたい。

  • 駄洒落が好きで人気の主人公のチップス先生。その穏やかな性格の裏には考え方を曲げない骨太な面がある。敵国の戦死者を悼んだり、やり手の若き校長と喧喧諤諤やりあったり。臨時で校長を何年か勤めたが、やっぱり教師が好きな生き方。幸せな生き方の見本のようだ。2019.4.2

  • あなたはこの学校、先生というもの。

    涙が浮かんだ。学校を体現する教師、あるひとつの理想の教師像。愛にあふれている。効率だけでは見えない、教育者の姿。時代が変わっても、変わらないものの価値。本当に学校で教えるもの、教師が目指す姿のひとつが、この物語に描かれていると思った。

    チップス先生は、見送る人である。学校の先生は、毎年新しい生徒を受け入れ、また送り出す。それ以上に、チップス先生は、妻を、生まれた子供を、同僚を、校長を、たくさんの男の子たちを見送った。去る者は日々に疎しというけれど、チップス先生はいつまでも彼らを愛している。その、一番輝かしい姿で覚えている。

    イメージする、憧れる、英国の姿を描いた作品でもある。パブリック・スクールの老教師。時代が移り変わっても、変わらない、泰然とした、時には停滞したとも揶揄されそうな、“古き良き英国”の姿。きっとチップス先生は、そんな英国も覚えている人。それは、きっと望まれる英国人の姿。

  • 子供(中2)が学校で読むのに良い本が無いかと家内に相談され、ふと目に付いたのがこの本。やはり子供は興味ないみたいだけど、自分で読むことにした。
    老人を主人公にした物語として、今流行の”白い犬とワルツを”と2重写しになるとことも多い。あまり大きな盛り上がりも無く、同じように淡々と話が進み、最後は主人公が亡くなってしまう。
    では、どちらが・・・といえば、私としてはチップス先生ですね。どこが違うというわけではないのですが、どこかに残る暖かさが、本書のほうが多い感じがする。

  • 高校時代に読んだ再読。いい教え子に恵まれた教師の醍醐味が書かれた傑作。

  • 授業を改善する、という話題でかならず出てくる名著の新訳です。
    自分が通った学校は、なんとなくいつまでも変わらずにあるものと思ってしまいます。でも、学校ってとても脆弱な組織でもあり、ひとときの空気に流され、世の中や親が求めるから、と目先の変化に飛びつかなければ生き残れないような状況に陥りがちです。

    取り立てて優秀でも、飛び抜けた取り柄もない一人の教師が、ひとつの学校の伝統を体現する様子が、とても印象的です。

  • 映画化されてるとのことなので、見てみたい。

著者プロフィール

1900年-1954年。『チップス先生さようなら』『鎧なき騎士』『忘れえぬ日々』などの小説がある。本書は、チップス先生とならび著者の代表作で、数々の文芸賞も受賞している。

「2020年 『失われた地平線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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