シェイクスピア物語 (新潮文庫 ラ 2-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102069011

感想・レビュー・書評

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  • さて沙翁イヤー(没後400年)の最後に、ラム姉弟の『シェイクスピア物語』であります。少年少女向けに、沙翁作品理解の一助の為に書かれました。無論沙翁の原作は戯曲ですが、ここでは小説形式で易しく書き直してゐます。
    日本ではリライトといふと、原典を冒瀆するとか、マイナスのイメエヂがあるかと思ひますが、英語圏では昔からリライトは一つのジャンルとして確立してゐるとか。さういへばわたくしも中高生の頃、単語2000レヴェルのペイパーバックシリーズを結構読みました。

    ラム姉弟は沙翁作品のうち20篇を選抜し、悲劇を弟チャールスが、喜劇を姉メアリが執筆しました。ちなみに沙翁の一ジャンルを為す「歴史劇」は無視されてゐます。なんでですかね。
    新潮文庫版は松本恵子さんの訳。「前がき」を読むと、翻訳に当つて「新かなづかい」「制限漢字」の範囲内で書くために苦心をしたと述べてゐます。それが原因で表現を変へた箇所もあるさうです。無駄で無意味な努力だと思ひますよ。学校の教科書ぢやないのだから、当用漢字なぞ気にすることはないのに。
    ページ数の関係で、本書では七篇が割愛されてゐます。訳者によれば、「筋が同系であったり、あまりおもしろくないと思うもの」ださうです。しかし、後期の「浪漫喜劇」が複数入つてゐたり、逆に中期の「問題喜劇」が一篇も収録されてゐなかつたりして、バランスが良いとは申せません。単に人気作を選んだだけではないでせうか。まあいいけど。

    などとぶつくさ申しましたが、沙翁作品のおさらひとして、大人が読んでも悪くないです。わたくしも、筋を忘れかけてた「ベロナの二紳士」などが読めて良かつた。年末年始に沙翁に親しむのも乙なものであります。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-679.html

  • (メモ:中等部3年のときに読了。)

  • 戯曲よりもわかりやすい。
    テンペスト・真夏の夜の夢・冬ものがたり・お気に召すまま・ベロナの二紳士・ベニスの商人・リヤ王・マクベス・じゃじゃ馬ならし・十二夜・ロミオとジュリエット・オセロ・マクベス・リア王

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著者プロフィール

(Charles Lamb)
1775-1834。イギリス・ロンドンのエッセイスト。筆名エリアElia。82-89年クライスト学院に在学。89-1825年、南海商社のちに東インド会社に勤務。96年、友人コールリッジのPoems on Various Subjectsにソネット4編を収める。98年、彼の詩のなかで最も有名な ’The Old Familiar Faces’ を含む詩集Blank VerseをCharles Lloydと出版。1807年、姉メアリイと『シェイクスピア物語Tales from Shakespeare』刊行。London Magazine誌のスタッフとして寄せたエッセイを、23年に『エリア随筆集(Essays of) Elia』、33年には『続エリア随筆集The Last Essays of Elia』として刊行する。
95年末から翌年初めまで、失恋の悲しみから入院。96年、姉メアリイは発作から母親を刺殺。チャールズは、この姉の保護に献身して生涯独身を通し、姉もまた弟チャールズに報いた。

「2022年 『エリア随筆抄【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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