変身 (新潮文庫)

制作 : Franz Kafka  高橋 義孝 
  • 新潮社
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レビュー : 1335
  • Amazon.co.jp ・本 (121ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102071014

感想・レビュー・書評

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  • 正直な感想はなにこれ。グレーゴルはある朝目覚めると巨大な虫になっていた。それまで家族のために必死で働いてきたのに、外見のために、家族から冷たい扱いを受けることとなる。何とも理不尽な話だが、何故か最後はいい感じで締めくくられる。グレーゴルに同情もするし、家族の気持ちも分からなくはないしとどちらかに肩入れすることは出来ない。だが、カフカ自身の証言を読むと読後の印象はそれほど的を外しているわけではないと思う。明確な答えはない。読者それぞれに対して『変身』は変身できるからこそ、長く読み継がれているのだろう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「外見のために」
      私だったら、家族の誰かだなんて思いもせずに、踏み潰しているかも(デカ過ぎて無理?)。。。
      「外見のために」
      私だったら、家族の誰かだなんて思いもせずに、踏み潰しているかも(デカ過ぎて無理?)。。。
      2014/04/04
    • anananzu24さん
      確かに(笑)現代なら誤って駆除スプレー吹きかけちゃうかもしれません。
      確かに(笑)現代なら誤って駆除スプレー吹きかけちゃうかもしれません。
      2014/04/04
  • 単純な感想としてはめっちゃ面白かったっす。ザムザがかわいすぎる・・・ザザムシが・・・ザムザ萌え。いやグレーゴル萌えか。
    文章が難解なのかなあ?と思ってたけど、ものすごく読み易かった。直前に読んでた三島由紀夫の100倍読み易かったのであっという間に読めました。三島は修飾や比喩をひねくりまわすから読みにくい、カフカはストレート。日本語じゃないってのもあると思う。

    読むに至った経緯・・・いまだに実存主義そのものについてはよくわかってなく、これはハイデッガーとか読まないとわかんないのかもですが、きっかけとなった作品がいくつか。
    映画だと
    『西部戦線異状なし』・・・実存主義が出てくる背景となった第一次世界大戦を描いた映画
    『ジョニーは戦場へ行った』『パピヨン』・・・ダルトン・トランボ作品の共通したテーマ
    最近のものだと、ニコラス・ウィンディング・レフン監督の『ブロンソン』
    これらを観てみると、「こ、これは・・・!」とわかりやすい共通性があります。
    小説だと安部公房だけど、こっちはシュルレアリスムなのでその方向性でわかりやすいですが、やはり近い。これらの作品がきっかけで、あぁやっぱりカフカ読まないと・・・と思い至る。

    新潮文庫の『変身』は『変身』のみが収められてるのですごく薄い。100頁ないのに定価340円。定価で買う気にならないなあと思ってたらブッコフ105円コーナーで綺麗なのを発見したので即購入。
    因みに図書館で借りるのは普段は読むのがすごく遅いので無理。速読無理。あと電子書籍もタダだけど嫌い。

    実存主義的なものはシュルレアリスムとも結びつくけども、もっと感じるのは青春小説とか青春映画、青春もの。これは生きる苦悩、生きる意味についての悩みと関連が深いからなのかも。

    カフカの『変身』は色んな解釈ができると思うし、またそういう作品なのだけど・・・ひとつだけ確実なことは、主人公が虫に変身するということ。「虫」が象徴するものは色んな解釈ができますが、変身することだけは確か。
    そして、この「虫」が異形のもの、人間ではない忌み嫌われる存在であることも確か。つまり人間社会に溶け込めなくなってしまう点だけは確定してる。外面(社会・金銭)と内面(生きる意味・芸術)。
    「生きる意味・目的」の面で言うと、グレーゴルの目方が減る代わりに家族の目方が増える、これは家族の話。
    主人公にはすごく共感できる。

    解説も面白くて、カフカが結婚について悩んだ理由が「孤独じゃないと創作できない」ことらしくて。こういう人はけっこう多いと思う。数学者のグリゴリー・ペレルマンとかもそうだったような・・・。この点からしてもすごく共感できます。

  • 中学生の頃、現象にのみ惹かれて読んだ。数十年後、改めて読み直した。グレーゴルの痛みと家族の痛みがやっとわかった。『そして鼻孔から最後の息がかすかに漏れ流れた』グレーゴルの孤独に涙が落ちる。

  • 朝起きて自分が虫になっていたら、どうするだろうか?どんなことを考えるだろう?

    少なくとも登場人物のグレゴールザムザとは全く違うように、この出来事を捉えただろうと思う。

    Wikipediaを見ると、カフカはこの作品を朗読する際に、笑ったり吹き出したりしながら朗読をしたそうな。そういう作品として、描いたってことになりますよね。

    そんなことを知らずに、文章だけ読んでいるとすごく暗い小説のように感じます。

    一方で、笑える話だよ、と言われたとして、読んでいたら、全然違うことを感じていただろうな。

    おもしろいね。

  • いやぁもう最悪な読了感。
    虫になったこと何回かあるんすか?っていうくらい
    淡々と日常が描写されていて恐怖覚えました。

    結局のところこの物語の核となる部分は何なのか…。
    ちょっと読み取れなかった気がします。
    虫であることに慣れて、むしろ楽しみ出すグレーゴル。
    この辺を少ーし引っ張れば何か掴めそうな気がするんだけど。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ちょっと読み取れなかった」
      keywordは何でもイイと思いますよ。。。
      「家族」「繋がり」「仕事」「役割」どれを据えて読んでも、色々膨ら...
      「ちょっと読み取れなかった」
      keywordは何でもイイと思いますよ。。。
      「家族」「繋がり」「仕事」「役割」どれを据えて読んでも、色々膨らみます。
      2013/07/05
  •  言わずと知れたカフカの代表作。とある事情から、十数年ぶりに読み返してみました。
     この年齢になってくると昔読んだ作品を改めて読み返すという機会に恵まれることもポツポツ出てくるようになるが、当然ながらどれも最初の時とは印象がまったく異なる。
     この作品も単なる怪奇文学という記憶しかなかったが、介護の現実をある程度見聞きしてきた今の目で見れば、インパクトが段違いに大きい。

     ある朝突然、巨大な虫に変身してしまった主人公グレーゴル・ザムザ。それまでグレーゴルに支えられてきたザムザ一家は、大黒柱を失ったことで、生活のために働きながら変わり果てたグレーゴルを養っていかなければならない。将来の見通しも立たず、次第に追い詰められていく家族。それとともにエスカレートしていく、グレーゴルに対するネグレクトと虐待行為。
     幸せな家族を突如襲った介護の現実と顛末。グレーゴルは虐待と栄養失調で衰弱死する最期の瞬間まで、妹のことを案じ続けていた。一方グレーゴルの死後、介護の負担から解放された家族は、ようやく将来の展望がひらけて昔の平穏を取り戻す…。

     「家族の絆」を無邪気に理想化する発想への、強烈なアンチテーゼ。

  • ある朝、気がかりな夢から目を覚ますと、自分が一匹の巨大な虫に変っているのを発見するグレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか・・・。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常が過ぎていく。事実のみを冷静に伝える、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様々な解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。


    読み終わったとき鳥肌!
    失敗作だなんてうそでしょ。

  • 新潮文庫の歴代売上ベストテンにいつも入っている言わずと知れた名作。短いのもポイントなんでしょうね。
    全然関係ないが昔新潮のYondaプレゼントの中に、「文豪カップ」みたいなのがあって、「漱石」「太宰」「川端」「カフカ」というラインナップになっていて「カフカ浮いてるなあ」と思った記憶が。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「文豪カップ」みたいなのがあって」
      そうなんだ、、、パンダのアニメのビデオは貰ったけど、カップは記憶に無いなぁ、、、
      全然関係ないが、新潮...
      「「文豪カップ」みたいなのがあって」
      そうなんだ、、、パンダのアニメのビデオは貰ったけど、カップは記憶に無いなぁ、、、
      全然関係ないが、新潮社も角川書店もカバー装丁変えてて。何か変ったんもかな?(な訳ない)
      ところで、花鳥風月さんはグレゴール派、それともグレーゴル派??
      2012/07/26
    • 花鳥風月さん
      正しくは文豪カップ&ソーサーでした。ソーサーに文豪の顔がプリントされてるんですよ。
      パンダのアニメのビデオ貰ったんですか? 私は一度何かもら...
      正しくは文豪カップ&ソーサーでした。ソーサーに文豪の顔がプリントされてるんですよ。
      パンダのアニメのビデオ貰ったんですか? 私は一度何かもらおうかと思いつつ何も応募せぬままです(もったいない…) 今のラインナップならブックカバーがちょっと惹かれますね。

      表記の件、私はグレゴールとばかり思ってましたが…? 調べてみると今は「グレーゴル」が主流になっているんですね? 新潮版(高橋義孝訳)は昭和60年に「グレーゴル」に改めたととあるネットのソースでは言っていて、それで行くと私はたぶん改版バージョンを読んでいるはずなのですがそれでも「グレゴール」とばかり… 「グレーゴル」ってなんか言いにくいです…(慣れの問題?) でもそういえば「ヘンゼルとグレーテル」ですねえ。

      ちなみに私は
      「ユゴー」と「ユーゴー」なら「ユーゴー」
      「ロマン・ロラン」と「ロマン・ローラン」なら「ロマン・ロラン」
      「ホーソン」と「ホーソーン」なら「ホーソーン」
      ですかね。
      2012/07/27
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「パンダのアニメのビデオ貰ったんですか?」
      はいパンダ好きなので、、、でも今何処に置いてあるのだろう?(多分CDに焼き直して無い)。
      「ブッ...
      「パンダのアニメのビデオ貰ったんですか?」
      はいパンダ好きなので、、、でも今何処に置いてあるのだろう?(多分CDに焼き直して無い)。
      「ブックカバーがちょっと惹かれますね」
      それに一番実用的かな、、、
      「私はグレゴールとばかり思ってましたが」
      私は、 ワレーリイ・フォーキン監督の「変身」のチラシで気付きました。。ええ?と思いましたね。

      違うのは「ホーソン」かな?
      2012/07/27
  • ニートになった主人公は、家族にとって「虫」同然…。

  • 10年ぶりくらいの再読。とても久しぶりのカフカ。昔はよくわからなかったけれど、今回読んでみたら社会の「余計者」とされる存在について非常に正確に象徴的に描かれていることに気がついた。気がついて、とても恐ろしいと感じた。

    つまり、突如虫になったザムザは身体的精神的事情から働くことのできなくなった人/引きこもりの象徴のようなのである。たとえば突然精神や身体に障害を負って働けなくなってしまった、引きこもりになってしまった、ザムザはそんな人によく似ているように思える。
    ザムザの家族は彼の変容を案じるよりも、彼の姿をおぞましいと感じ、彼が働けなくなったことで圧迫される家計を憂いている。彼の世話はどんどんなおざりになり、ついには彼を見捨てる。それは引きこもりや障害をおったひとの世話に耐えきれなくなった家族のように見える。
    ザムザは家族が自分に死んで欲しいと感じていることを察する。そしてそれを受け入れ、むしろ家族が思うよりもっと強く自分こそが死にたいのだと考え、そうして死ぬ。

    ラストシーンの、ザムザが死んで、新しいスタートを切ろうとする家族は晴れやかで幸福そうで、これほど恐ろしく悲しいことはないと思った。カフカはこういうことを書く作家だったのか。昔はまるでわかっていなかった。カフカはこういう、社会において「余計者」とされるひとを、こんな風に抉り出して書く作家だったのか。もっとカフカを読まなければいけない。こんな風に、社会で除け者にされるひとを描ける作家はいない。恐ろしい傑作。

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著者プロフィール

1883〜1924。チェコのプラハ生まれ。プラハ大学で法学を専攻。ジョイス、プルーストとならぶ現代世界文学の最も重要な作家。著書に「失踪者」「城」「審判」など。

「2013年 『ミレナへの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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