変身 (新潮文庫)

制作 : Franz Kafka  高橋 義孝 
  • 新潮社
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レビュー : 1334
  • Amazon.co.jp ・本 (121ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102071014

感想・レビュー・書評

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  • 数年ぶりに読み直した。中学生の従兄弟に勧めるつもりで買っておいたのを、つい読んでしまった2014年の読書始め。
    はじめて読んだ時は、虫になる驚きが先行していたけど、いま読んでみるとなんとも悲しい。妹への愛情から動いてからまわりする様子は、読んでいてつらい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「動いてからまわりする様子」
      ホント辛い。見た目も何も変わってしまったのに、心だけは元のまま(100%じゃないけど)。それだけでは、どんな...
      「動いてからまわりする様子」
      ホント辛い。見た目も何も変わってしまったのに、心だけは元のまま(100%じゃないけど)。それだけでは、どんな近しい人でも解り合えない。
      つい、見た目は一緒なのに、迫害されたユダヤ人を思ってしまった。。。
      2014/06/16
  • とても久しぶりにカフカ。高校生のころは光文社古典新訳文庫で読んだのでした。今回は新潮文庫の古めの訳です。大変読みやすく、しかし古めなので当然重厚な部分もあり、よかったですけど、カフカに限って言えば重厚さなんていらないのでは、という気がするのも事実。圧倒的不条理の物語とそれを描写する硬質な、殺風景の文体だけでいい。

    なんか、内容を殆ど覚えていなかったようで、あれっこんなストーリーだっけ、って、まずびっくり。こんなに可笑しな物語なのに文体はまったく奇を衒ったものではなく、極めて淡々としている。以前読んだ際の記憶では、グレゴール・ザムザのことばかり考えていたような気がしますが、改めて読み直してみると家族が大変に重要な役割を果たしているとわかった。とても単純な読み方をすれば、一家の財政を一人で背負うグレゴール、自分たちに利益を齎す存在でなくなるとあまりに邪険な扱いをする家族、それはもしかしたら「役割」で生きる現代社会における人間の哀しみなのかもしれない。家族が毒虫をすぐさまグレゴールだと認識したのが不思議だったんだけど(常識的に考えれば人間は突然毒虫に変化したりしない。グレゴールがいるはずの部屋に毒虫がいたら、グレゴールを毒虫が食べちゃったとか、そう考えるのが普通ではないか)、「役割」でしか生きていないのならば外見がどうとかではなくて、ただその役割を全うできるかどうかにのみ目がいくかもしれない。それは非常に孤独な、醜悪なことだ。食べ物ももらえずやせ細り忌むべき毒虫として死んでいくグレゴールは不思議なほど、毒虫になってしまった自分のことを思い悩まなかった。自分が働けなくなることで家族がどうなるか、会社でどうなるか、とかそればかり。個人主義なんてうそだ。こんなにも他人のなかで生きざるを得ないんだ。そして孤独に陥り、死に至る。こわい。ともかく、まあ、高校生のころよりは幾分かましな読み方が出来るようになったかなあ。

  • 昆虫の描写がリアルすぎて、虫が苦手なわたしにはもう鳥肌モノでした。笑
    そして昆虫に変身してしまうという出来事が、まあ珍しいがそんなこともあるだろう、くらいの軽さで取り扱われていることに違和感を感じさせない流れに驚きました。昆虫になったグレーゴルに驚くわけであってグレーゴルが昆虫になったことには驚かない。これってどういうことなんだろう。昆虫に変身するっていうのはまず現実じゃないことを表してるのかな。なにを象徴しているのか、うーん、虚構の象徴としかまだ捉えられてないので、再読して深読みしていきたいです。

    0830//
    ささっと再読。二度目に感じたこと。変身の象徴について考えながら読みました。変身したこと、それに対しての家族の対応やらを考えてみていくと、グレーゴルは精神的な病気になったのかな、と思ったり。すると本人が、その家族が、追い詰められていくお話になりますねー。今と違って昔のほうがそういう病気に厳しい時代だったみたいですし。

  • 不思議な話。
    どういう経緯でこの話を書くことを思いついたのだろう?
    人の姿だったとしても、虫になってしまったとしても、なんとも面白くないのが人生なのかも知れない。。

  • セールスマンのグレゴールが虫になってしまう話。
    彼は虫そのものであり、その本能は理性をも蝕んでいるようにも見えた。
    そして、読む前の想像よりも彼はでかかった。

  • 初めてちゃんとよんだよ

    面白かった

    今取り上げるなら医療介護の文脈で読むとわかりやすいのかもね

    人が一人姿を変えても周囲はそれを消化し補い成長して行く

    たんたんとした記述の中にそれが現れていて面白かった

    静的だけどダイナミクスを描いているね。

  • 3月21日 10冊目

    グレーゴルという男が朝目覚めると巨大な虫に変わっていたという話。

    読み進めているうちに不思議な点がいくつか出てくるが
    作者カフカ自身が「一夜の夢、恐ろしい表像である」と言っているので
    悪夢と考えれば面白い。

    家族を養うため、妹を音楽学校へ通わすため
    自分を評価してくれない上司の下で働く
    まるで日本人サラリーマンのようなグレーゴル
    その頑張り気質がもたらすストレスが限界に達し
    彼に幻覚を見せているのだろうかと思ったが違う。

    虫となったグレーゴルは家族から煙たがれながら何ヶ月も自室で生きていくのだが
    絶望的な状況でも「家族」の生活を想う彼が可哀想に思えてくる。
    そんな彼に待ち受ける結末はまさに悪夢。
    家族から見放され死んに行く姿は絶望だけを与える。

    それなのに彼の死は家族に新しい光、希望を与える。
      
    そんな家族の姿は
    奇麗事のない人間らしい姿なのかもしれないが
    主人公目線で読んでいたので、どっと悲しみが残った。

    まあ、とにかく
    頭の中で常に巨大な虫を想像していなくてはならないことが
    大の虫嫌いの私には一番の苦痛だった。
    よく最後まで読みきれたなと自分で思う。

  • グレーゴリの変身姿をゴキブリと想像してしまって、終始気持ち悪かった。
    グレーゴリは当初、家族にとって大黒柱であり最大の功労者であったが、醜い姿に変わってしまい、家族から疎まれ、リンゴを投げられ、終いには死ぬことで家族の未来が開かれるといった何とも虚しさが込み上げてくる内容の話だ。

    グレーゴリは虫に姿を変えていただけ救いはあるのかもしれない。もしこの小説が、グレーゴリが本当は人間そのままの姿で描かれていたとしたら、まさに救いのないストーリーに変身してしてしまうだろう。

  • この間オウィディウスの『変身物語』を読んだので、変身つながりで読んでみた。
    朝起きていたら虫になっていた――という奇想天外な事件から起こる家族の混乱を描いたこの作品だが、
    家族のために尽くした男が、その家族によって排除されることを望まれる顛末が皮肉である。

    虫とは何かのアレゴリーなのだろうか?
    作中でも、家族のために懸命に働いたが、金を差し出すことはいつしか普通のことになっていた、という話もあったことから、
    家族にとって主人公は、暗闇で活動する何をしているのかこちらから興味も持たない「虫」と同じだったのかもしれない。
    その不気味さが彼の身をもって体現されたことで明瞭となり、彼を排除することでその恐怖を払しょくしようとしたのではないだろうか。

    人間存在を、あえてその「殻」を破ることによって内面から描写しているこの作品。
    気持ち悪いどろどろしたもの(とりわけそういった感情)がお好きな人にはおすすめ。

  • ん~ あれこれ言うより、この読後感を噛みしめたい感じ。
    あえて、巻末の解説も読んでません。

    実存は本質に先立つ(笑

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著者プロフィール

1883〜1924。チェコのプラハ生まれ。プラハ大学で法学を専攻。ジョイス、プルーストとならぶ現代世界文学の最も重要な作家。著書に「失踪者」「城」「審判」など。

「2013年 『ミレナへの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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