変身 (新潮文庫)

制作 : Franz Kafka  高橋 義孝 
  • 新潮社
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レビュー : 1334
  • Amazon.co.jp ・本 (121ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102071014

感想・レビュー・書評

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  • 感想*朝起きてじぶんがえげつない生き物になって、家族にことばが通じず思考も人間の理性から離れていく恐怖!じぶんがそうなったらって想像すると、グレーゴルのように愛するひとが苦しまないようにそっと死を受け入れるのかなぁと考えてむっちゃ切なくなった。( ; ; )しかし設定をあまりにも受け入れすぎな登場人物たちに突っ込みたくなるんだけど、書いたカフカは「夢の話みたいなもの」て思ってるみたいなのですごく納得。

  • <過負荷の世界>


     自分が自分でないもの、人間ですらないものに変わってしまった時、人(?)は現実を受け入れられるのでしょうか、正気を保てるでしょうか。
     また、朝から虫になっていたご本人が悩むのは当然として、問題は周囲にも投げかけられます。愛する者が見るに耐えぬ姿にかわったら、どう接していけばいいのでしょうか?
     この短さでそこまでつらつらと考えさせてくれるのが、『変身』のすごさでしょう★
     グレゴールの場合、途中までは虫になった自分を受け入れかけていたらしいけど、ご家族の最終判断は――!

     モデルケースとして示されるザムザ家では、グレゴールの変身によって愛が揺らいでしまいました。家族たちは姿形が変わった彼と暮らしていくのを苦痛と感じたのです。

     出だしから怪しい。本を開いてすぐ、出てきたのは虫でした。その虫が「僕、グレゴール・ザムザです」と思っていても、それが妄想でないとは言い切れません。彼はグレゴールかもしれなければ、そうではないかもしれない者。真実とか現実とかいうのはその程度にぐらつく、足場の悪い世界だったのです。
     長男として一家の世話になり、可愛い妹にじりじりにじり寄っていくこいつ、兄でも何でもないただの虫かも分からない。登場の瞬間からあやふやだった……。話の進行に従って次第に広がってゆく揺らぎの部分は、やがてすっぽりと全体を覆い尽くします。

     最終的に、ザムザ家の人々は、この虫が彼ではないという結論を下し、追い出して、平和をとり戻します。思いのほかすっきりと。残酷な解決策ですーー

     ならば、それまで過ごした時間は何だったのだろう? 即殺よりも残酷じゃないかな。殺すのならできるだけ早い方がいいです。
     でも、殺すのも嫌だな。朝、家族が寝ていた布団に虫にいたら、私ならつまみ出そうと思います。相手の苦痛を長引かせず、思い悩むところを見せないためにも。
     あなたならどうしますか?

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ネタバレってしないのですか?
      それは別として
      「愛する人が虫にかわっていたなら」
      私は、愛する人だとは思わずに追い払うでしょう、、、
      ネタバレってしないのですか?
      それは別として
      「愛する人が虫にかわっていたなら」
      私は、愛する人だとは思わずに追い払うでしょう、、、
      2012/03/21
  • 設定自体はぶっとんでいるけど、逆に家族や周囲の状況や心理がとても現実的に描かれています。

    家族だから無条件に愛せるのが当たり前ように思われがちだけど、家族といえども結局多かれ少なかれ自分との利害関係の中でしか愛情はもてないんだと思います。

    グレゴールが変わってしまった自分でも愛して労ってほしい気持ちもわかるし、かつてのグレゴールを愛しながらも疎ましく思うようになる家族の気持ちもとてもわかります。

    自分がどちらの立場だとしても、どうすればいいのか答えは見つからないです。

  • 昔に一度読んだことがあるのですが、すっかり忘れてしまっていました。
    ある日目が覚めると虫になってしまっていたのは有名です。
    もしも、これが虫ではなくひきこもり、狂人などなどとあてはめて読むとうけいれられやすいかも。

  • とっつきにくい感がある「海外文学」だが、その入門書にはうってつけなのが本書。

    ある朝突然グロテスクな毒虫化してしまった主人公と、悲観に暮れる家族とのあまりに日常的なイベンがニヒリスティックな笑いを生んでいる。

    もちろん舞台は「笑えない」深刻な状態なのだが、毒虫化してしまった主人公が、その現実に次第に慣れていき、希望や不平不満をもらすところが人間味らしく、ギャップに不可思議な違和感を抱く。

    著者であるカフカも朗読会で噴出してしまったとか・・w

  • 救われないのね。あああ。

  • 大切な人が《異形》(色々な解釈ができる)になったとして、自分は愛する事ができるだろうか。私が《異形》になったら、大切な人は愛してくれるだろうか。ザムザを抱きしめたい欲求に駆られながら、きっと触れる事もできないだろう自分の身勝手さを考えて、泣く事もできず、ただやるせない気持ちになった。

  • ある朝目覚めると虫になっていた…。

    不条理文学の金字塔ともいえる作品ですが、当然のように、「なぜ突然虫になっていたのか」に対する説明はなく、ただただ、その不条理な状況に対応していく様が綴られます。ロシアや東欧の社会主義国家には、こういう不条理な物語が多いような気がします。その国の時代背景や政治状況が関係してるのかなぁと思ったり。日本の土壌では、生まれ得ない文学のように思います。それが海外文学を読む醍醐味でもあるのですが。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「不条理な物語が多いような気がします。」
      判る人には判るみたいです。
      でもカフカが生きた時代は、未だ東欧じゃなかったけど、第一次世界大戦が終...
      「不条理な物語が多いような気がします。」
      判る人には判るみたいです。
      でもカフカが生きた時代は、未だ東欧じゃなかったけど、第一次世界大戦が終わって、少しの平安の間にも、軍靴の足音を聞いていたんだと思います。。。
      2013/02/26
    • naokoulaさん
      nyancomaruさん、コメントありがとうございます^^
      これからもよろしくお願いいたします。
      nyancomaruさん、コメントありがとうございます^^
      これからもよろしくお願いいたします。
      2013/02/28
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      此方こそ宜しくお願いいたします。
      此方こそ宜しくお願いいたします。
      2013/04/04
  • カフカと言えば、この『変身』だろう。
    世界に名を知らしめた作品。
    主人公グレーゴル•ザムザは朝、目が覚めると虫になっていた。
    そこからザムザと家族の日常はもちろん一変していくのだが、
    驚くのは、あまりにも淡々としたその描写である。
    大げさな表現は無く、まるで観察日記を読んでいるかのようである。
    そして、最後に待つのは救いなのか、どうなのか。
    読後、味わう「あの感覚」。
    もう、どうしようもなくカフカ。

  • 「これはいったいどうしたことだ」

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著者プロフィール

1883〜1924。チェコのプラハ生まれ。プラハ大学で法学を専攻。ジョイス、プルーストとならぶ現代世界文学の最も重要な作家。著書に「失踪者」「城」「審判」など。

「2013年 『ミレナへの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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