変身 (新潮文庫)

制作 : Franz Kafka  高橋 義孝 
  • 新潮社
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本棚登録 : 10772
レビュー : 1334
  • Amazon.co.jp ・本 (121ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102071014

感想・レビュー・書評

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  • ザムザは「私」だ。

    毎日を平穏無事に過ごせているけれども、いつ何時、事態が急転するかわからない。
    身体の自由がきかなくなるかもしれないし、精神的に病んでしまうかもしれない。
    昨日までとまったく違う自分に、明日はなってしまっているかもしれないのだ。

    だからザムザは「私」だ。




    ザムザはたまたま「虫」という形になっただけであって、形はかえずとも、ある日突然隣にいた親しい人物が、人のカタチをしたまま、何か別のもにんなってしまうことはありうる。

    そうなったとき、私はどんな行動をとるのだろう。
    支えあい、たすけあう存在になるのだろうか。
    それとも・・・・。


    引きこもり、介護、そして家族。
    読んでいる間、いろいろなことが頭の中をまわった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「何か別のもにんなってしまう」
      人って変わらないようで少しずつ変わる。身体の衰えや、ちょっとした心の変化。
      そう言ったコトだけじゃなく、目覚...
      「何か別のもにんなってしまう」
      人って変わらないようで少しずつ変わる。身体の衰えや、ちょっとした心の変化。
      そう言ったコトだけじゃなく、目覚め覚醒しても、それが他人に受け入れられないモノの場合は、潰されてしまう可能性が、、、色々な置き換えが可能なカフカ恐るべし。。。
      2012/10/26
  • いやぁもう最悪な読了感。
    虫になったこと何回かあるんすか?っていうくらい
    淡々と日常が描写されていて恐怖覚えました。

    結局のところこの物語の核となる部分は何なのか…。
    ちょっと読み取れなかった気がします。
    虫であることに慣れて、むしろ楽しみ出すグレーゴル。
    この辺を少ーし引っ張れば何か掴めそうな気がするんだけど。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ちょっと読み取れなかった」
      keywordは何でもイイと思いますよ。。。
      「家族」「繋がり」「仕事」「役割」どれを据えて読んでも、色々膨ら...
      「ちょっと読み取れなかった」
      keywordは何でもイイと思いますよ。。。
      「家族」「繋がり」「仕事」「役割」どれを据えて読んでも、色々膨らみます。
      2013/07/05
  • 初めてカフカの作品を読んだ。
    不思議な話で気味悪いが続きが気になって仕方なかった。

    自分がもしグレーゴルの立場だったら、、家族を支える大黒柱。逃げ出したくて変したくなるかもしれない。

    もし、
    自分の肉体を離れたら自分を客観視できるのだろうか、、。

  • 面白かったが、好きではない。
    が率直な感想。
    孤独で、どうしようもなくて、嘆くしかない。

    とても写実的なのに抽象的で、
    何を意味していたのかを捉えるのが難しい。
    事実、カフカの研究者でも見解が分かれるようだ。
    彼のユダヤ人的な故郷のない、どこに言っても阻害される立場を書いていたり
    父に対する遣る瀬無さを書いていたりと。

  • なんとも不思議なテイストの小説です。説明や描写が不足しており、読むものに解釈を強いてきます。
    特に終盤でグレーゴルか死んでしまった後の家族の反応か謎過ぎです。紳士三人組の行動といい、女中の対応といい、ツッコミどころしか存在しない勢いで、もはやグレーゴル=巨大な虫ではない扱いのようです。
    20世紀を代表する小説家という先入観がなければ評価はもっと下げてしまいそうですが、怪しさが魅力にも思えてくるので読み手として素直ではないことに恥じ入ってしまいます。
    カフカの生き方にも目を向けることで解釈は深まりそう。先入観も引っくるめて強く印象に残る小説であることは認めます。

  • ○名著とよばれる一冊。オーディオブックにて5時間もかからないものだったため、教養のために読んだ。

    ○この本を読んだ感想は、なんとも一言で言い表せない。人生における不条理、人のエゴ、暗い部分が詰まっているような本書。

    ○そのようじめじめした人の様を、淡々と記述していくスタイルが異様に感じた。その行き過ぎた客観的な描写と、現れる人物たちの描写の暗さのギャップがまた気持ちが悪い。

    ○読んで損はない一冊。

    ○朝起きたら毒虫になっていた...。こんな設定を持つ本が名著になってくれたからこそ、今の日本のオタクたちの、性転換ものなど、一種の正当性を持って扱われることができる。朝起きたら美少女になってる確率は、毒虫になってることよりは高いだろうからな。

    ○実存主義を反映した本と言われる。理想を追い求めるのではなく、いまある実態と存在から、生を考えようよ。という姿勢。

  • グレーゴルが虫に変わってしまったことを認めたくないけど、認めざるを得ない家族の葛藤を感じた。グレーゴルは最後まで冷静に自分の状態を観測している。最初はグレーゴルに気を使っていた妹が、自分たちの将来を考えだし、兄であるだろう虫を放り出すしかないという考えを言葉にした場面は震えた。妹は虫を兄ではないと無理やり思い込むことで現状にけりをつけようとしていたのだと思う。
    グレーゴル視点で実は家族が主人公なのではと考えた。

  • 目をさますと虫になっていた主人公グレーゴル・ザムザ。
    家族に避けられ、世話をしてくれていた妹も憔悴していく。
    グレーゴルが働けないために父親、母親、妹も仕事をするが生活は苦しく、グレーゴルに対して冷やかな目を向ける。(仕事をしない引きこもりの息子に対する家族たちの態度のように)
    最後は父親に林檎を投げつけられ、その傷によって死ぬ。

    なぜそのような理不尽は変身をしてしまったのかは最後まで説明されない。(解説文によるとカフカ本人はこれが夢の話であることを匂わせているらしい)

    初めは周囲の人間も驚いているが、虫になってしまったこと自体に対しては、なぜか誰も不思議に思わない。
    本人も体が動かしづらいとか、食事が口に合わなくなったとか言う始末。


    不思議が不思議のまま残る、不可解な作品。

    古典と呼ばれるような文学作品は往々にして、一読するだけではよくわからなくて、だからこそ考えなければいけなくて、様々な解釈が生まれて、それは古典になるのかな、と。
    大衆文学は逆に読めばわかる、すっきり!とするもの。だから読書に深みが生まれず、読み捨てられる。

  • ハッピーエンド風に終わっているのが妙に不気味。

  • 昆虫の描写がリアルすぎて、虫が苦手なわたしにはもう鳥肌モノでした。笑
    そして昆虫に変身してしまうという出来事が、まあ珍しいがそんなこともあるだろう、くらいの軽さで取り扱われていることに違和感を感じさせない流れに驚きました。昆虫になったグレーゴルに驚くわけであってグレーゴルが昆虫になったことには驚かない。これってどういうことなんだろう。昆虫に変身するっていうのはまず現実じゃないことを表してるのかな。なにを象徴しているのか、うーん、虚構の象徴としかまだ捉えられてないので、再読して深読みしていきたいです。

    0830//
    ささっと再読。二度目に感じたこと。変身の象徴について考えながら読みました。変身したこと、それに対しての家族の対応やらを考えてみていくと、グレーゴルは精神的な病気になったのかな、と思ったり。すると本人が、その家族が、追い詰められていくお話になりますねー。今と違って昔のほうがそういう病気に厳しい時代だったみたいですし。

著者プロフィール

1883〜1924。チェコのプラハ生まれ。プラハ大学で法学を専攻。ジョイス、プルーストとならぶ現代世界文学の最も重要な作家。著書に「失踪者」「城」「審判」など。

「2013年 『ミレナへの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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