変身 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (121ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102071014

感想・レビュー・書評

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  • ⚫︎受け取ったメッセージ
    誰でも虫になり得る


    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)

    これはお父さんとお母さんを殺しちゃうわ、そうですとも。

    朝、目をさますと巨大な虫に変っている自分を発見した男―― グレーゴル・ザムザ。第一次大戦後のドイツの精神的危機を投影した世紀の傑作。

    ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。


    ⚫︎ネタバレあらすじ
    「グレーゴル・ザムザはある朝、なにやら胸騒ぐ夢がつづいて目覚めると、ベッドの中の自分が一匹のばかでかい毒虫に変わっていることに気がついた。」

    それまで、家族のために身を粉にして働いてきたグレーゴル。妹は最初は甲斐甲斐しく世話をしていた。母はグレーゴルの姿を見ることもできない。父はグレーゴルに驚いた母が倒れたことに腹を立て、リンゴを投げつけ致命的な怪我を負わせる。

    グレーゴルが働いていたうちは、三人とも働かなかったが、グレーゴルが働けなくなると、仕事を見つけてきて働き出す。

    ついにグレーゴルが邪魔になった。グレーゴルが死んで、三人はそろって外出し、これからの生活が希望に満ちていると感じられる。父母は娘の健康的な身体を見て、新しい夢と誠意とを保証してくれるもののように思う。


    ⚫︎感想
    グレーゴルは唐突に虫になるが、「虫」になってしまうというのは、家族にとって、社会にとって、自分が「役に立つ」存在から逸脱するというメタファーだ。そのような存在になってすぐに感じる不安、孤立感、無力感、疎外感。自分の好みも変わり、生活スタイルも変わる。妹は最初こそ彼へのそれまでの恩を感じて甲斐甲斐しく世話するが、実害が及ぶと真っ先に、彼を「お払い箱」にしなければならないと主張する。グレーゴルが、父親になげつけられたリンゴが原因で死んだ後、三人は晴々としている。

    誰でもグレーゴルのように、例えば歳をとって体が動かなくなると働けなくなるし、怪我をしたら誰かの手を借りなければならなくなる。さまざまな負の気持ちを体験する。特に老化は治ることも止めることもできない。受け入れ、世話になるしかない。だれでも経験することになるだろう状態だ。反対に、父、母、妹の気持ちも、少なからず自分の中に湧いてくる感情なのではなかろうか。特に家族は、世話する相手と距離が近いため、より感情的になりやすいだろう。グレーゴルだけでなく、ザムザ一家それぞれが「変身」してしまうのだ。

    人間の本音や本質をを描いた作品なので、時代を超えて読まれ続けるのは納得である。

  • カフカの有名な不条理小説。読了は10年ほど前だが、印象深い小説であったことを憶えている。
    突然変身したアレに対して、本人も含めて家族にもそれほど驚きが大きくないのに違和感がある。(笑)だが、それは無理にアレに変身しなくても、「変わり者の引きこもり」「うつ」になったなどと言い換えても良いわけで、「変身」は事態を面白く引き立たせあぶりだすための寓意だからであろう。
    当然のことながら貴重な体験をしている主人公の葛藤の描写は大変に面白い。だが、主人公もさることながら周囲の家族の群像劇が秀逸で、わけても妹のこの事態への対処と、最後の移り身の早さにはとても注目できる。そのまま現代家庭の描写と言っても通じる小説なのではないだろうか。現代社会における家庭の不条理さをえぐる名作。

    • lacuoさん
      『そのまま現代家庭の描写と言っても通じる小説なのではないだろうか。』

      私も、まったく、同感ですね。
      『そのまま現代家庭の描写と言っても通じる小説なのではないだろうか。』

      私も、まったく、同感ですね。
      2017/08/23
    • mkt99さん
      lacuoさん、こんにちわ。
      コメントいただきありがとうございます!(^o^)/

      実際問題、家族が虫に見えてしまっている親とか子がい...
      lacuoさん、こんにちわ。
      コメントいただきありがとうございます!(^o^)/

      実際問題、家族が虫に見えてしまっている親とか子がいるのではないでしょうか。ははは。(^_^;
      2017/08/27
  • この腑に落ちない感じが色々想像を掻き立てられます。
    まず主人公が虫と表現しているのは、暴食の悪魔ベルゼブブの比喩では無いかと感じました。なぜなら元は豊穣の神として人間に崇められていたからです。最初の主人公に縋るような様子と最後辺りの投げ出す感じが似てます。しかし作中ではカブトムシと表現していましたが
    また、主人公から娘に移る両親への情やプレッシャーがこの時の社会風刺では無いかと感じました。
    殻にこもりたがる若者を罵倒する家族。その背景には悪魔だと思いたい、本人じゃないと思いたい、虫のように煩わしい気持ちが建前の中に眠っていたのかもしれません。

  • カフカ変身って聞いたことはあって、主人公が虫に変わっちゃう話くらいの認識でした。何が面白いんだそんな話と。正直読むモチベーションがなかなか高まらず。とわいえ、新潮文庫の100冊マラソンを始めたからには、制覇するために読まねばならないのだと。というか、本屋さんで新潮文庫100冊キャンペーンで置いてある中で比較的薄くて安いタイトルを探してこちらにたどり着きまして。
     で、買いはしたものの積んどく状態というか、持ち歩いてはいたのだけれど、。たまたまスタバに入ってそういえばと読み始めたら、一気に読みました。
     凄い作品だなと。さすが超有名作品というか。なんというか、抽象的にすることで実はものすごくリアルな家族像を描いた作品だったなと。変身してなんか変なムカデ?っぽい感じ、その描写がリアルなだけにだからこそ、本人のなりたくてなったわけじゃないのに、思うようにできなくなってしまった状態、それを囲む家族の姿、そこまでを描ききってるからなのか、虫みたいな姿は比喩的なもので、それが単に病気やケガ、メンタルや不登校、ニート、認知症、その他時代を超えてあらゆることにあてはまる気がして。本人としてはどうにもできない、まわりの人に伝えたいけれど伝わらないそんな状況の本人の意識の描写というか、またその本人との関わりの中での家族、そしてその後の描き方もなんというかここまで描ききるからこれが今に残る作品として読みつがれているのだなと。
     人間いつか亡くなるのだけれも、亡くなるから与えられることというか。そうゆうことがあるのかということまでを描いて、イメージさせてくれたというか。
     自分の解釈としては、人間とは赤ちゃんから老人へ時間とともに変わっていくのだけれど、その生活の中で親や兄弟との関わりがあり、その家族での生活も時間とともに変わっていく。人間、いつはか亡くなるのだけれどそれは本人としても悲しいとか心残りとかあるかもしれないけれど、そんな本人の意識とは別に、家族はそれぞれの生活がありそれぞれ生きていくと思うと、いつか来るその日も悲しみや心残りだけじゃないというか、そんな意識とは別にそれぞれの生活の中で、いなくなるから生活が変化するというだけのことなのかなと。
     あと、実際自分の父も脳梗塞で倒れてその後母と姉が介護、大変な中特養に入ることができて、父も認知症や脳梗塞から話をすることもうまくできなくなり、自分も父の顔を見に行って、父と話をするときも、表情や口調や言いたいこと想像しながら話していたことを思い出しました。
     自分がその状況にならないと想像しにくい、自分が自分を思うようにできないし伝えることもうまくできない状況、まさにカフカのこの作品が描いたものだったなと思いました。

  • 100分で名著で興味を持ち読みました
    感想としてはグレーゴルは父や母、妹などに虐待に近いことをされているとも言えますが
    グレーゴルは虫になったときに病にかかったといっていましたが実は醜い姿になっていたのではないでしょうか?
    責任感の強そうなグレーゴルは疲れて病にかかり虫になった幻覚を見て虫のような動きをしていたのではないでしょうか?
    もしくは夢落ち説もあるのかなと思いました
    そして作者のカフカも人生や願望に寄せて作っているのかと思いました
    当時20世紀では不治の病の結核にカフカはかかり彼女と結婚ができず40歳でなくなりますが亡くなる直前に書いた本「城」では主人公が城まで行こうとしますがいくら歩いても着かない…
    などカフカは自分の居場所がないと思っていたのか分かりませんがこの「城」の主人公がカフカと似たようなことをしていると100分で名著ではというような事を言っていました

  • 最後までザムザが人間に戻れなかったのが可哀想すぎて鬱。あまりにも不気味だったけど読んでいて本当に面白かった。

  • かなりショッキングな内容でした。
    一匹の巨大な虫は、虫そのものを意味するのではないような気がします。
    もし自分が突然、部屋から一歩も出られず、家族の重荷になってしまったら…
    虐待、介護、引きこもりなど、様々な家族の問題が頭の中をよぎり、深く考えさせられてしまいました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「家族の重荷になってしまったら…」
      それって辛い話だけど、きっと家族は守って呉れますヨ。
      「家族の重荷になってしまったら…」
      それって辛い話だけど、きっと家族は守って呉れますヨ。
      2013/08/06
    • m.cafeさん
      優しいコメント、ありがとうございます。(T_T)/~~~うるうる
      優しいコメント、ありがとうございます。(T_T)/~~~うるうる
      2013/08/10
  • ある朝、気がかりな夢から目覚めると、男は茶褐色の巨大な虫になっていた。

    絶望というイベント。
    時間というバイオレンス。
    家族というタイトロープ。
    日常というトラジディ。

    自分というコンセプトの強制的崩壊が妄想さえ淡々と空回りさせる、非現実的現実の悪夢。

  • 家族のために一身に働き家族を支え、
    ある日目を覚ますと大きな1匹の蟲へと
    変身していた主人公グレーゴル。

    善き息子、善き兄、勤勉な社員としての自分。
    すべてを捨てて蟲となった時、皮肉にも
    あらゆるものから解き放たれ、本質としての自由を
    手に入れ、孤独の中に安堵を見出したのだろうか。

    現代にもというよりは、現代社会こそ
    カフカの世界に通じる問題がリアルにそこ此処で
    共感しやすい作品になっているようで、
    なんとも悲しく遣り切れない思いもする。

    人生には苦しく辛いことのほうが多く、
    見たくない現実はすぐそこに山積みで。
    絶望するのは容易く、希望を持つことは難しい。

    生きていることの意味や自分の価値、
    目標や夢を持つことを強制されるような
    息苦しい社会の中で、強烈な自意識は
    孤独や絶望を生んでいく。

    自意識の檻を抜け、人目や人からの評価、干渉、を
    気にすることなく自由になった代わりに存在を疎まれ、
    グレーゴルを頼りきることで生きていた家族は
    皮肉にもグレーゴルの崩壊とともに自立を目指し
    自分にとって不利益なものとなったグレーゴルへの
    家族としての愛情と、疎ましく想う自己愛との狭間で揺れる…。

    家族という絶対的に思えて不確かな集まりは
    他人よりも遠くすれ違う。
    社会、家庭への冷えた感情、孤独に追い込まれ
    虚無へと回帰するカフカの独白と迷い、願望とも思えた。

    優しい人も、優しい現実も現代では
    幻想に近いのかもしれないけれど、
    ニヒリズムの向こう側に光を見いだせるほどの
    力強い明るさを持った優しさを持てる人になりたい。

    心という目に見えない闇の表象。
    カフカという世界を垣間見れた体験に
    たくさんの感情が静かに震えた。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「心という目に見えない闇の表象。」
      此れを書いたカフカの、心の中を覗いてみたい(もっとも「変身」だけじゃなく、どれも屈折していますが)
      「心という目に見えない闇の表象。」
      此れを書いたカフカの、心の中を覗いてみたい(もっとも「変身」だけじゃなく、どれも屈折していますが)
      2014/04/08
  • この本をいつか読もうと思ったのは、いつだったか。おそらく、もう20年くらい前から思っていたような気がする。この本のことを知ったのは、養老孟司の本のどれかを読んだ時からだったと思う。すなわち、人は変わるものだということが、この本の主題だ、と養老先生がこの本に言及することがあったのだ(たぶん、いくつもの本でそのように書いておられたように記憶している)。今までに味わったことのない感覚を持ちながらこの本を、たぶん正味数時間で一気に読んだように思う。たしかに、人は変わるのだ、このように劇的に、ということが腑に落ちたように思う。腑に落ちたような気がしたから、この本を手に取って確認したかったのかもしれない。

  • 現代でも色褪せないストーリー。むしろ現代の家庭的課題、社会的課題をテーマとしているとも思える。
    単にニヒリズムを超えて、強く明確なテーマを与えてくれる作品。

  • なんとも苦しい一冊…。
    読み進める度に、胸が痛みました。
    久しぶりに、皆で話し合ったり出来る一冊に出会いました。

    お暇が欲しいと思っていたら、巨大なゴキブリになっていたという印象。
    そして、暴かれる家族の本音。
    何よりも憎い程可愛い妹や、家族に、虫になった途端にぞんざいな扱いを受け、はたまたthisやitなどと散々な言われように、不運極まりなく、またグレーゴルの気持ちとは裏腹に進んでいく、一家三人での幸福の道は、意見が種々雑多だと思います。
    虫になって、初めて知る家族像みたいな感じです。
    妹の冷徹さと、兄グレーゴルの温度差が儚く、ただひたすら悲しかったです。
    ですが、先にも書いた通り、この本は十人十色な意見が出そうなので、本好きのお友達と語り合ってみたくなりました。

  • ある朝、男が目を覚ますと毒虫になっていたというのは言わずと知れた本書の冒頭である。
    しかし、まあ、毒虫は、人間だった頃には一家を支えていた縁の下の力持ちであったにも関わらず、毒虫になった途端に家族から軽蔑され虐げられ、実の父からは万有引力の象徴たるリンゴを投げつけられる。最終的に埃まみれの物置部屋で死に絶え、あろうことか、家族は希望を再燃させる。
    何という強烈なアイロニーであろうか。
    話の大部分は暗くどんよりしているが、最終部は降っていた雨も上がり黄金色の陽光が差し込んでいるといった趣がある。私もああ良かったと胸を撫で下ろしそうになるが、ちっともまったく良いわけがない。雨降って地固まるといった感があるが、見てくれだけは整っているだけで実際に歩けばぬかるみに足を囚われる。
    グレーゴルの無念を誰か晴らしてやってくれないのか。一寸の虫にも五分の魂というではないか。実際にはもう少し大きかったのだろうが。いやはや、想像すると鳥肌ものである。
    ちなみに、この毒虫はGなのか百本の足がある多足虫なのかという議論があるらしい。うへえ…

  • ネット社会の浸透で、家庭内、学校、職場あらゆる場所で、一緒にいるのに孤独感を感じ、対面でのコミュニケーションの悩みが急増している中、引き寄せられるように読んだ再読本。
    人間は人間でなくなった時、思考さえ失っていくのだろうか。。人間とは何か。家族とは何か。人生において大切にしたいことは何か。
    家族を想い、信じ、愛するということについて深く深く考えさせられる。
    様々な解釈が可能な本。読後感は決してよくはないが、自分の求める生き方を探る上で、繰り返し読み返したい。

  • 不登校だった時の私と両親みたい。ザムザ可哀想。

  • 友だちに「笑えるよ」って聞かされていて たしかにクスクス笑っちゃうシーンもあっておもしろかった 読み進めていくうちに悲しくなっちゃったけど、自分の境遇と重ね合わせて寄り添えたと思う

  • これほどまでに何とも名状しがたい、奇妙な読後感の作品は初めて。

    カフカの「変身」。
    あまりにも有名なので、どんな内容なのか予備知識はあったものの、
    一度きちんと読んでみようという事で、手に取ってみる事にしました。
    解説を除けば100ページ弱という、薄っぺらい本。
    1時間程で読み終えてしまいますが、どんよりと心に澱のようなものが残る。

    ある朝目を覚ますと、グレーゴル・ザムザ青年は巨大な虫になっていた。
    何ともシュールな出だしで、否応なく物語に引き込まれてしまいます。

    突然の怪事に、仰天しながらも心配する家族達。
    グレーゴルは必死に自分の意思を伝えようとする。人間としての心があると。
    でも家族にはそれが伝わらない。やがて意思の疎通もなくなっていく。

    グレーゴル(ムカデのような虫らしい)の視点から描かれているため、
    せわしなく動く足だとか、鎧のように固い背だとか、描写がリアル(笑)
    嫌悪感と興味深さ(と怖いもの見たさ)がない交ぜになったような気持ち。

    そもそも何故彼が虫になってしまったのかには触れられていませんが、
    その分色々な解釈がありそうで、またいつか読み返したい一冊になりました!

    • ななこさん
      nyancomaruさん♪

      読んだ時は、ちんぷんかんぷんな所もあったり、納得できない部分もありましたが、
      少し時間が経って思い返してみると...
      nyancomaruさん♪

      読んだ時は、ちんぷんかんぷんな所もあったり、納得できない部分もありましたが、
      少し時間が経って思い返してみると、またちょっと違った見方ができそうな気がしてきます(*^^)v
      この本は再読のためにひっそりと本棚に並べておく事にします。。。
      カフカの「城」も面白そうなので、近いうちに読んでみようと思います~♪
      2013/04/07
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「カフカの「城」も面白そうなので」
      未完の長編「城」は一筋縄ではいきません(ってカフカの作品は、どれもそうだけど)。
      私がお薦めするとしたら...
      「カフカの「城」も面白そうなので」
      未完の長編「城」は一筋縄ではいきません(ってカフカの作品は、どれもそうだけど)。
      私がお薦めするとしたら、「審判」くらいから、どうぞ(邦訳も色々出ています)。。。
      2013/06/03
    • ななこさん
      nyancomaruさん♪

      ふふ…実は既にカフカの「城」積んであります!
      「変身」はすごく面白かったけれど、なかなか体力を使う作品でもあっ...
      nyancomaruさん♪

      ふふ…実は既にカフカの「城」積んであります!
      「変身」はすごく面白かったけれど、なかなか体力を使う作品でもあったので(笑)
      次のカフカ作品を、というとなかなか食指が動かないのが現状です、、、
      「審判」お薦めですか??これまた一筋縄ではいかない雰囲気ですね。是非読んでみたいです!
      2013/06/16
  • とにかく短いのがよい。
    ザムザというよりは、家族の心情に視点を当てると面白い。なぜ、どうして、に全く着目せず、今だけを割り切って読むという面白さがこの作品にあるのだと思う。
    様々な解釈…家族が負担になったら、疎通のできない相手に愛情をもてるか。思うほど現代のタブーに触れる感じ。作者が今の時代まで読んでいたのかはわからないけど。

  •  貧困社会において社会に溶け込めず、就いた職場に馴染めなかった人間の様子と照らし合わせることができると感じた。
     年老いていくごとに一家の障害となり、生きている内に遺品整理を行われ、見て見ぬふりをされた後悲しい結末が訪れる様子は昔も今も変わらず続いていると感じる。

  • また再読したら違う感情を持って読むことができる作品だと思った。意外と読み易いし、主人公の言い回しが面白いと思っていたけど、それだけで終わらない、読者に考えさせるものがある深い作品だった。

  • やっと原作読めた〜確か小学生の時に教科書で取り扱われていた本だった。

    映画の方もチェックしたい。

    “変身”の無常、絶望。

    なんとも独特な空気。

    妹ちゃんかわいいね。

    私もいつか虫になった日は、とっとと殺してほしい…でも、語り継がれるだけある海外文学の名作!

    面白かった…!

  • これ書いたカフカ先生偉大だよねー。これ以降の作家みんなカフカ先生に影響受けたよねー

  •  とても読みやすかったです。

     主人公がひたすら可哀想。なんであんなに家族を思いやって、頑張ってきた若者が、虫になって悲痛な思いをしなきゃいけないんですか。

     最初は優しかった妹が、月日を跨ぐにつれ、冷たく、逞しくなっていった。 いいことではあるのだけれど、けれど…

     最後に、女中が何か言いたそうにしてたシーン、いつのまにか家族全員虫に変身しちゃうのかとハラハラしてましたが、そんなことなくて良かったです。

  • 社会とか他者とかから、どう思われてるのかをあんまり気にするな!と言われても、でもどうしても関わりあって生きていかなければいけず、そこから逃れることは生きている以上、生に囚われている以上、できないのだろう

  • 突然毒虫になってしまった主人公が、最初は思いやりを持って家族と接しようとしていたが、家族はまず第一に恐怖を感じるため、まともなコミュニケーションが取れず、次第に主人公の部屋の掃除をお手伝いさんがするようになり(家族の直接的な関わりがなくなり)、部屋がガラクタ置き場になり、最後は、主人公は食事が喉を通らなくなり、塞ぎ込んで、餓死してしまう。
    家族という関係性がありながら、姿が変わるだけで恐怖の対象となり、排斥されてしまう。この小説から差別はしてはいけない、家族との関係性の大切さを感じました。

  • ぞぞぞ…起きたら虫になっていた…
    読者に考えさせる内容です。

  • とても面白かった
    全体的にモヤモヤしている
    読みながら働き手が身体に障害が出て働けなくなった家族の話なのでは?という考察をしてみた
    その後に読んだ、働き手が精神を患ったという考察を読んでかなり納得した

  • 初めてよんだのは中学生のときです。
    その時も、おもしろいと思っていたのですが、
    大人になって読むと、おもしろいというか、すごく良く出来た話だと思うようにならりました。
    この本について、アメリカで翻訳の仕事をされてる、ゆかりんという名前のYouTuberの書評がとても良かったです。

  • 高校生の時から好きで何度も読み返している作品。

    アルベール・カミュの「ペスト」と並び、不条理文学の一つに数えられているだけあって、終始グレゴール・ザムザに対する不条理にもやもやするような、複雑な感情を抱きながら読み進めた。

    今まで家族の為に嫌でも働いてきたのに姿が巨大な毒虫になってしまっただけで、憎悪や恐怖の対象になり最期はゴミと同じ扱いで捨てられてしまうグレゴールの痛ましさがとても伝わる表現や言い回しが特に気に入っている。

    もし自分がグレゴール側であれば、(混乱していたとはいえ)あのように冷静では居られず早いうちから絶望しているだろうし、家族側であれば同じように葛藤するんだろうな、と思う。

  • 朝起きたら突然、自分が巨大な虫になっていた男の話。考え方や行動が虫寄りになっていくのが面白かった。しかし言葉や行動で意思疎通の取れない関係になることがこんなにも大変なことだとは思わなかった。淡々と書かれていて洋書なのに読みやすい。悲劇。

著者プロフィール

1883年プラハ生まれのユダヤ人。カフカとはチェコ語でカラスの意味。生涯を一役人としてすごし、一部を除きその作品は死後発表された。1924年没。

「2022年 『変身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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