最後のひと葉: O・ヘンリー傑作選II (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102072059

作品紹介・あらすじ

「あれが最後ね。てっきり夜中に落ちるんだろうと思った。風の音がしてたから。きょうには落ちるでしょうね。そのときに、あたしも死ぬわ」老画家が命がけで彼女に贈った希望とは。表題作のほか、「感謝祭の二人の紳士」「芝居は人生だ」「金のかかる恋人」など、O・ヘンリーの名作短篇14篇を新訳。ニューヨーカーたちの魂をふるわせ、優しく暖め、温かく笑わせた選り抜きの物語たち。

感想・レビュー・書評

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  • 賢者の贈り物をちゃんと読んだこと無かったので、
    今更ながらオー・ヘンリー読んでみた。

    翻訳書や古い本って、どうも読みにくくて疲れると思ったけど
    これは読み易かった。
    たまにオチが解らなくてネット検索したりしたけど…。
    どれも面白い、人生の教訓みたいな短編で
    時代や国が違っても、理解できるし共感できる。

  • スーとジョンジーが絵のスタジオを持っていた。……八番街の「デルモニコズ」で定食の出る時間に知り合い、芸術、チコリサラダ、ビショップ袖の趣味がピタリと一致していたので、共同のスタジオを構えることになった。


    スーが肺炎になり、医者が何でもいいから心残りになってくれるものは?たとえば男とか
    の問いに

    「男?」スーは口琴をくわえて弾いたような声を出した。「男なんてものはーあ、いえ、
    先生、そういうことはありません」
    (小川高義 訳)


    「恋人ですか?」スーがあいまいな口調で答えた。「恋人なんて、そんなばかばかし……
    あ、いえ、いません」
    (金原瑞人 訳)


    「恋人?」スーの声には軽蔑するような響きがあった。「それほどの価値のある男なんて……、いえ、それはともかく、彼女には恋人なんていません」
    (千葉茂樹 訳)                    
                             

    スーは、ジョンシーが好きよね。
    子供の時には分からなかったけど、確かに、
    スーは、ジョンシーが好きよね。





  • 先日 乃南アサ氏の短編集を読んでいて、最後の結末の意外性に、ふと、数十年前の大学時代、英米文学で、オー・ヘンリーの本を読んだ事を思い出した。

    そして、すぐに、この本を手にした。
    人間の人生をどこか冷めた感情で、書き表しているような、そして、味方を変えると、何と面白いものとか、愚かしい事とかに見えたり、どんでん返しのような作品にしている作者。

    日本の時代にしたら、明治時代の人であるオー・ヘンリーは、銀行の出納係であった後横領罪で逮捕されているのだが、、その後短篇を沢山著したと、聞いているが、、、この人の人生は、本のように、不幸に見えて、しあわせだったのかな~と思いつつ、こちらも昔を思い出して読み終えた。

  • 何十年ぶりかに再読してビックリしたのは「最後のひと葉」の記憶が違っていたこと。しかも肝心な陰の立役者の存在がすっぽり抜けており、恋人同士だけで構成されたお話だと思ってました。実はこんなにも素敵なお話だったとは!就寝前にホロリとしちゃいました。他には「心と手」「更生と再生」が印象的。世の中まだまだ人間捨てたもんじゃないな〜と思わせてくれます。引き続き3冊目を読みます〜。

  • 「最後の一葉」「騎士の道」「金銭の神、恋の天使」「ブラックジャックの契約人」「芝居は人生だ」「心と手」「高らかな響き」「ピミエンタのパンケーキ」「探偵探知機」「ユーモリストの告白」「感謝祭の二人の紳士」「ある都市のレポート」「金のかかる恋人」「更正の再生」を収録。

    訳者のあとがきでは、訳者がどうO・ヘンリーを読んだか、また、訳に当たっての苦労などがつづられており、面白い。

  • 新訳で印象深かったいくつかの言葉が変わっているのに気づきました。言葉選びに気を配っているのが伝わってきます。ここに収録されているものは、すんなりとオチをわからせてくれないものも多い気がします。読み返してああ、そういうこと!とじわじわとこみ上げてきた話もありました。好みは「心と手」「ユーモリストの告白」。ラストの「更生の更生」は題名が変わってますが「よみがえった改心」。これは再読でもやっぱり好き。新訳のほうがテンポもいいと思います。久しぶりのO.ヘンリー、堪能しました。

  • どの話も、そうなるのか!と思えて面白かった。

  • ユーモアリストの告白は創作人たちに対するメッセージなのかもしれない。

  • O・ヘンリー傑作選2巻。「最後の一葉」「心と手」が粋。2017.9.29

  • 2017/08/18/Fri.(ブックオフにて中古で購入)

    2018/02/26/Mon. 〜04/05/Thu.

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著者プロフィール

1862年、ノースキャロライナ州に生まれる。20歳のときにテキサス州のオースティンに移り、銀行に勤めるが、まもなく横領の容疑がかかり退職。後に起訴されると、中米のホンジュラスに逃亡。妻が病気に倒れたと聞いて戻り、服役する。模範囚として過ごし、小説を書きはじめる。ニューヨークにやってきたのは1902年。翌年から短編作家として人気を博す。1910年没。 

「2022年 『O・ヘンリー ニューヨーク小説集 街の夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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