みずうみ 改版 (新潮文庫 シ 4-1)

  • 新潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102078013

感想・レビュー・書評

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  • 新潮文庫版を読むのは初めて。訳はこちらの方がよい気がする。「大学時代」は読んだことが無いはずだが、既読感があるのは、結末が「アンゲーリカ」に似ているからかもしれない。この結末はフィリップのせいの気もするのだが、そこは突っ込むべきところではないのだろう。

    全体に、破滅・悲恋の予感を漂わせながら、自然描写はいっそすがすがしく爽やかな部分、人物のストイックな態度がよいなあ。「大学時代」の結末が「みずうみ」と同じく10代に夢中になった、ハドソン「緑の館」にある部分似ているのに今気がついて、苦笑した次第。

  • 「みずうみ」も良いけれど、「大学時代」がわりと好きです。3作ともわりと、どろどろとした恋愛のお話。ひと昔前まではこういう経験がわりと多くて、題材にもよくなっているし、だからこそ なるほどなあ と共感するのだと思います。今となっては古臭い苦さ、けれども羨ましい感覚。恐ろしいほどあっさりと人は他人を好きになって、何度だって玉砕してしまうのに、それでも繰り返して誰かを愛していく。人間らしさ。

  • 「みずうみ」
    「ヴェローニカ」
    「大学時代」

  • (1998.04.05読了)(1998.04.02購入)
    内容紹介 amazon
    月の光に浮び上る少女エリーザベトの画像。老学究ラインハルトはいま少年の昔の中にいる。あのころは、二人だけでいるとよく話がとぎれ、それが自分には苦しいので、何とかしてそれを未然に防ごうと努めた。こうした若い日のはかない恋とその後日の物語「みずうみ」。

    ☆関連図書(既読)
    「ロビンソン漂流記」デフォー著・吉田健一訳、新潮文庫、1951.05.31
    「ガリヴァ旅行記」スウィフト著・中野好夫訳、新潮文庫、1951.07.30
    「黒猫・黄金虫」ポー著・佐々木直次郎訳、新潮文庫、1951.08.15
    「ハイジ(上)」スピリ著、岩波少年文庫、1952.09.15
    「ハイジ(下)」スピリ著、岩波少年文庫、1953.07.15
    「西遊記(上)」呉承恩著、岩波少年文庫、1955.02.20
    「西遊記(中)」呉承恩著、岩波少年文庫、1955.04.20
    「西遊記(下)」呉承恩著、岩波少年文庫、1955.06.25
    「ドン・キホーテ」セルバンテス著、岩波少年文庫、1987.11.18
    「宝島」スティーブンソン著・坂井晴彦訳、福音館書店、1976.10.20

  • 故郷を離れている間に友人と結婚した幼馴染。帰郷し、久々に再会して・・・。

    再会した後、何かを期待してしまうのはしょうがないよね。
    …再会したって、何もなけれど、何もないのがとても美しい。

    何もないのがとても美しい。
    のです。
    大事な事なので二回言いました。

  • 先日読んだシュトルム「みずうみ」の新潮文庫版。全体的にこちらの訳の方が好み。
    収録作は「みずうみ」「ヴェローニカ」「大学時代」。みずうみは既に読んでいたので、中で強い印象が残ったのは「大学時代」。
    現代日本に生きる身にとって、階級社会を想像するのは難しい。勿論現実問題として貧富の格差はあるし、肩書き等による目に見えない「身分」は存在している。でも社会のひとつの仕組みとして明確に定められ、機能していた時代の空気を本当の意味で理解できているとは思えない。
    だから、フィリップに思いを寄せられても応えることのできないローレの気持ちは、私には本当の意味では分かってないんだろう。それでも、想像することはできる。
    貴族の子息達が是非にと誘ってくれば、それは誇らしい気持ちになっただろう。
    普段仕立ててばかりのドレスを着て舞踏会に出るというのは、思春期の少女にとってはとても嬉しいことだったんだろう。
    でも結局、彼女は身分が違う。
    フィリップと一時期想いあったとしても、その先には破局しかない。
    語り手であるフィリップは割と暢気に胸をときめかせているように見えたが、そういう点でローレの方が冷静だったんだろうなあ。
    フィリップは途中から彼女の恋の相手ではなく彼女の運命の傍観者となり、語り手の立場に徹することになる。
    故郷を離れ、淡い恋心も淡いまま彼の中で進展を見せなくなった後も、幾度か思いがけない場所で再会をすることになる。
    彼女のたどり着く結末は最初から分かっていたが、それでもとても痛々しかった。
    誰も悪くないのになあ。とても切ない。

  • 小5で初めて読んだ文庫本です。以来の再読。感激しました。
    押し花を二人目にして「誰がくれたか覚えてる?」「はい」・・・もう涙なしでは
    読めないですねえ。本当にドイツらしい穏やかでまじめで静かな、でも深い愛をたたえた作品でした。

  • 中学生のとき朝読書週間とかいうやつのときに読むもんなくてたまたま家にあって読んだ きれいだなーと思いながら読んでいたような気がする

  • きれいな小説。すとんと落ちてくる。しかたないよね、と思う。でもそのかたちがとてもきれいで、悲しいような気がしてくる。

  • 「みずうみ」「ヴェローニカ」「大学時代」。お馴染み、高橋義孝訳です。「みずうみ」もまた、老人の回想という形を用いた枠物語と言えますね。訳者あとがきには、「……愛と死の関係をシュトルムほどにこまかに描きだした作家は少ないだろう。リヒァルト・ワーグナーを除いては。」とあります。ワーグナーでも聴きながら読むといいのでしょうか。私の元にあるのは、昭和48年のもので¥100です。

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