続あしながおじさん (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102082041

作品紹介・あらすじ

幸せな結婚を果たした級友ジュデ ィに、彼女の育った孤児院の運営を任されることになったサリー・マクブライド。何不自由ない家庭で育ったサリーにはとても抱えきれない重荷だが、ジュディや恋人の政治家、嘱託医にユーモアたっぷりの愚痴を手紙に書いて送るうち、少しずつ院長の責務に喜びを見出していく――。『あしながおじさん』に勝るとも劣らない、愛と感動の結末が待つ名作。

感想・レビュー・書評

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  • マリモさんのレビューから読みたくて。『あしながおじさん』主人公ジュディが育った孤児院の運営を親友サリーがたてなおす。女性の生き方を問う物語として秀逸。周りを巻き込み改善する様子とロマンスも楽しい。訳者あとがきとても良い。

    • マリモさん
      111108さん
      こんばんは!私のレビューから読んでいただけたなんて嬉しいです!ありがとうございます。
      古今東西、女性の結婚をまつわる問題っ...
      111108さん
      こんばんは!私のレビューから読んでいただけたなんて嬉しいです!ありがとうございます。
      古今東西、女性の結婚をまつわる問題って共通していますよね。あしながおじさんが有名ですが、続編も負けてないくらい面白かったです。テーマ的には、少し大人向けなのかもしれませんね。
      "挑発する少女小説"に載っていた小説は概ね読んだのですが、思い返しても斉藤美奈子さんの視点は独特で、なるほどという気づきもあれば、「いやー深読みしすぎじゃ?」というところもありました。笑
      有名作品ばかりだからか、ほぼラストまでで書き切っているので、そこは好き嫌い分かれそうです。
      2023/06/11
    • 111108さん
      マリモさん、こちらにお返事ありがとうございます♪

      確かに『あしながおじさん』が結婚夢見る少女の憧れストーリーだとしたら、こちらは結婚の現実...
      マリモさん、こちらにお返事ありがとうございます♪

      確かに『あしながおじさん』が結婚夢見る少女の憧れストーリーだとしたら、こちらは結婚の現実を見ようよというもうちょっと年上向けの話ですね。

      斉藤美奈子さんの本ネタバレ気味なんですね。そもそもの本を子供の時ほとんど読んでなかったので(私はこんなに活発な子じゃないと敬遠)いい年した大人の冷静な目で読んでいきたいです。斉藤美奈子さんの暴走ぶりも楽しみです♪
      2023/06/12
  • 「あしながおじさん」で主人公のジュディの親友・サリーのお話。

    ジュディの育った孤児院の運営を任されたサリー。
    お嬢様育ちの彼女が、約100人の子供たちの親代わりとなるのです!

    この作品も全て、手紙で構成されています。
    サリーから、親友のジュディへ。
    恋人へ。 
    仕事仲間である嘱託医のマクレイ先生へ。
    と宛てた手紙は、どれもユーモアに溢れていて、クスッと笑えてお茶目なの。
    愚痴が多いんだけどね(笑)

    サリーが院長になってから、孤児院には次々と仲間が集まってくるの。
    そうして多くの人達の助けを得て、あの陰気臭かった孤児院を改革していくのです!
    この様子が本当に面白い。
    わくわくします!

    もちろんエンディングも最高です。
    「あしながおじさん」は読んだことあるけど、続編は知らない。
    という人。
    こちらもお薦めですよ。

  • ジュディの友達のサリーもこんなキャラだったのね!笑
    マクレイ先生に「敵よ、おはよう!」と挨拶するのとか、最高。
    そしてこのハッピーな展開、あしながおじさんがお好きな方は絶対好きなのでは!

    孤児院を取り巻く環境や、障害のある孤児に対する問題(当時の常識では偏見もあるけど、実際そういう子達を引き取りたい人は今でも少ないのが現実…)、女性の労働問題はなかなか過酷だけども、サリーが皮肉混じりのユーモアで嘆きながら、どんどん前に進んでいくので勇気をもらえる。

    • akikobbさん
      (連投すみません。)
      それに、「続」は未読でした、そちらも楽しみです♪(積読だらけなのに気が早い…)
      (連投すみません。)
      それに、「続」は未読でした、そちらも楽しみです♪(積読だらけなのに気が早い…)
      2023/04/05
    • ロッキーさん
      aoi-soraさん、コメントありがとうございます!
      名作の続編ってパワーダウンしちゃうことが多いイメージですけど、この作品は同じくらい面白...
      aoi-soraさん、コメントありがとうございます!
      名作の続編ってパワーダウンしちゃうことが多いイメージですけど、この作品は同じくらい面白いのすごいですよね!
      明日もがんばろって思えるの、わかります〜何度も読みたいし、購入しちゃいましょう笑
      2023/04/06
    • ロッキーさん
      akikobbさん、「あしながおじさん」の方のレビューまで読み直していただけるとは、嬉しすぎる!!書いた甲斐がありました…
      ラストのキュン、...
      akikobbさん、「あしながおじさん」の方のレビューまで読み直していただけるとは、嬉しすぎる!!書いた甲斐がありました…
      ラストのキュン、ぜひakikoさんにも味わって欲しいです笑
      続編は特にですが、大人のが楽しめる気がします!表紙のかわいさもときめきです〜〜
      2023/04/06
  • 「なるほど前作はジュディの手紙がメインで、本作ではジュディの親友のサリーの手紙がメインなのだな。」と読みながら感じました。

  • 新訳になっての、読み直し。こちらはジュディ・アボットの友人、サリー・マクブライドが主人公。かつてジュディがいたジョン・グリアー孤児院の、新しい院長となって奮闘する話である。「あしながおじさん」がいわゆるシンデレラストーリーなら、この「続あしながおじさん」は、世間知らずのお嬢様が、孤児院経営に携りながら、女性の幸せと結婚、自立をひたすら追求する話である。当時からこっちの話の方が好きだったけれど、より身近に感じられるテーマだったからだと今では分かる。サリーが負けん気が強くて、屈託がなく明るいのが良い。孤児院がどんどん良くなって、子ども達がいきいきしていく様子もすごく楽しく面白かった。

    作者のウェブスターはこの本を出版した翌年に亡くなってしまうのだけれど、もし生きていたら、このジョン・グリアー孤児院の続きが読めたのかな、と思っても仕方がないことを考えてしまった。例えば愉快な女の子、セイディ=ケイトが社会へ飛び出して行く話とか。

  • 100年前に書かれた作品として考えるに、女性の社会進出や仕事に対する価値観を快活な主人公を通して描くことにより、当時の女性達の励みになったであろうと想像する、とても先進的なお話と感じます。それを抜きにしても快活で放らつな主人公が自分の生きる価値観に目覚めていく成長の物語として、恋愛小説としても純粋に面白いです。主人公の人間的魅力、言いたい放題の展開は書簡体を取ることで実現するものと感じました。
    ユーモアも満載です。例えば、ジュディ一家が汽船に乗っているイラストとその解説がシュールで笑えます。イラストは上手でなないにしても味わいがありますね。
    遺伝に関する間違った解釈等、現代では受け入れられないびっくりするような表現が登場しますがあえて原文に拘り翻訳されたことに敬意を評したいです。
    精神を病んでいる人をパートナーに持つ人との恋愛は作者の体験に基づくものなんですね。終盤の不可解な閉塞感から一気にラストの展開を作るためのご都合とはいえ、リアル感があります。
    続あしながおじさんという題名、原題名とはかけ離れており、ふさわしくはないけれどこの題名だからこそ出会えたと思うとアリですね。

  • 「あしながおじさん」の新訳と
    仲良く並んでいたこちらも
    買いました。

    「あしながおじさん」とは違い、
    初めて読んだとき幼すぎた為、
    「画期的な孤児院を作る」と言う楽しさに
    気付けず、

    また、孤児院のお医者様の
    スコットランド訛りのネタ(?)なんかの
    面白さもまったく理解できず、

    「あしながおじさん」は少なくとも25回くらいは
    読んでいると思うけど、
    こちらの方は、旧訳で3回かそのくらいしか
    読んでいなかったなー。

    だから思い入れが無い分、素直に読み進めることが出来た。

    「もし自分が孤児院の院長だったら…」と言う、
    この気持ちはすごく良くわかる、

    だけど、犯罪者の血筋のはなしとか、
    今となっては前時代(差別)的な表現に
    いちいちギクリときて、リラックス出来ないときも…

    大人なら「当時はこういう風に思われていたんだな」
    と考えることが出来るけど、

    これからはじめて読む幼い人には
    「こう書いてあるけれど今は違う」と
    ちゃんと知らせてあげなければならない気がするね。

    よく出来た作品でも、
    今の時代にそぐわない部分が度々出てくるとなると、
    「読み継いでいく」言う時、微妙になってしまうんだね。

    そこのところは気になるけれど、
    またご都合主義も目立つけれど、
    「もしも、自由に使えるお金がたくさんあったら…」
    と言う、楽しい夢のお話という感じで楽しめた。

  • この作品は、続あしながおじさん、と銘打ってあるけど該当する人物が話しに関わってるのはほんの一部だけで、原書のタイトルはあくまで『Dear Enemy』であり、そこが最大の焦点ってとこは間違ったらいけないな、と、読後の今に改めて感じる。

    無印では著者のウェブスターが実際に孤児・感化院で観察した人物のあくまでも理想形がジュディというキャラクターに投影されているように見え、続では集団そのものをまとめあげている人物サリーに加えて、その環境を包みこんでいるもう少し大きな社会を映し出そうとする著者の目線として描かれたもの、という意図のように思う。

    これは前作と同じ世界線で書簡体形式というスタイルが同じなものの、1作品を通して読者へ語りかけてくるメッセージ性が大きく違っていて、無印があくまでも単純な『個人の想い』なら、続は『個人を殺して人に尽くす想い』に集約されている。

    学生気分が抜けず社交界に染まりかけた、いい階級の女性が孤児院の院長として社会貢献をしながら自覚が芽生え、自己犠牲の精神を育んでいく成長過程が印象に残る。

    余談ですが、この作品内で、エレン・ケイの名前がでてきた辺りで、話の雰囲気が山本有三っぽく感じる部分があって、お互いにどっちが先か後かはわからないけど影響を受けあっていたのかな?って邪推してました。個人的にはそうだとちょっとニヤッとする。そんな感じ。

  • 続編があるなんて知らなかった。
    前作同様、手紙のみで構成されている。今度は、ジョン・グリアー孤児院を任されたサリーから、ジュディ夫婦や政治家の彼氏ゴードンや、共に働くものの「敵どの」と呼ぶ医師マクレイに宛てた手紙。
    孤児院の院長なんて最初はまったく乗り気じゃなかったのに、とにかくやれることはやろうとし、また子供たちにも向き合おうとするサリーの姿勢に驚かされる。サリー自身も徐々に覚悟ができたのか、途中でジュディたちが交代要員を送ろうとした時には、そんなひどい人には任せられない、「サリー・マクブライドに優る院長を見つけてくださるまで、何があろうとここからびくとも動きません。」ですって!

    その後いっそう仕事に精力的に取り組む様子がつづられる一方で、ゴードンとの関係にはらはらさせられる。婚約までこぎつけたあたりでこれはいったいどういう着地点に向かうのだろう?と思い始め・・・、
    た、ところで大事件が起こる。もう残りページ少ないのに!そこから怒涛の大展開。人々の善意や、勇気や、情愛が大波のようにやってきて、すべてを整えて物語は終わる。
    原題「Dear Enemy」に、読後にやり・・・。

  • 「あしながおじさん」続編。ジュディの大学の同級生サリー・マクブライトが、ジュディの要請でジョン・グリア―孤児院の院長に就任。
    サリーが、お金をガンガン突っ込んで改革を進めていくのが爽快。そもそも、お金がないというより、お金をかけるべきではないという偏見がネックだったんだよな。全部の施策がそんなうまくいくかな?とはちょっと思うけど、子供がすぐには変わらないということも承知して気長に付き合っているのがえらい。
    恋愛にも仕事にも、すごく正直かつ論理的に向き合って、もともと優秀で恵まれているがゆえに自分の行動に自信があるというか、ためらいがなくて、自分の力でさくさく状況を変えていくのがかっこいい。
    障害者に関しての言及は、システマティックな管理に偏っており、本人たちの人権や人格を軽視しているようにも見えるが、現代も、建前だけ平等を謳って社会参画させても、制度や周囲の意識が成熟していなくて結果的に差別が残っているのを考えると、偉そうなことは言えない。
    優生学が普通に受け入れられていてぎょっとするが、前提となる知識や常識の古さはともかく、考え方はとても論理的なんだよな。倫理面も、現代から見るとやや多様性の視点が欠けているものの、不当な差別意識はないし。
    里親候補との交渉をそれなりにシビアにやっていて好感。しかし、ていの良い働き手としてではなく普通にかわいがるつもりだったとしても、できるだけ条件の良い子供を求めるというのは、善意とエゴが共存していて、複雑。
    男が「男らしい頭脳を持っている」というのを褒め言葉だと思っている、と揶揄するの、現代でも全然あるな…100年前にも既にそういう問題意識があったのか。
    ベッツィを常勤として雇用することに関してワイコフが反対したときの議論「慈善事業だからタダにすべき」→「営利事業だと報酬がもらえて、公共事業だともらえないということ?」→「ご婦人なんだから家族が扶養すべきだ」ワイコフの主張に筋が通っていなさすぎて笑える。
    7月に、サンディに悪口を聞かれた際、「恋人に疑われたからわざと大げさに言ってしまっただけ」と弁解しなかった時点で、既にサンディのことを友達以上に思っていたということだよな~。
    ヘレンの離婚話、現代でもそんな理由で~と言われることが多いのに、100年前、しかもキリスト教圏と考えるとすごい。

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著者プロフィール

ジーン・ウェブスター

「2004年 『あしながおじさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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