- 新潮社 (1997年1月1日発売)
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感想 : 62件
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Amazon.co.jp ・本 (500ページ) / ISBN・EAN: 9784102085011
感想・レビュー・書評
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妻は平凡な暮らしに気が狂いそうなほど不幸を感じているのに、夫は妻の気持ちにまったく気がつかないばかりか、これ以上幸せな夫婦はないと思っている。…悲劇だわ。
エマにとってのシャルルのような、存在そのものがイラつく男って確かにいる。仕事できない、デートもつまらない、ゴミの捨てかたがヘタで、脱ぎっぱなしの服をそのまま洗濯に出すような男。
そんな存在に対する感情が、気持ちよく辛辣に言語化されていて痛快だった。
解説によると、フローベールは反面教師的な意味で、エマにシャルルを批判させていたようだ(解釈違いかな? でもそう感じた)
風雨をしのげる家があるだけ、神に感謝すべき。ごもっともな説教だが、それだけでは救われないのも人間の性。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フローベールは前から読みたかった作家の1人だ。
リアリズム文学と言われるこの作品は悲劇のような気もするが退屈な感じもした。
人生というものは退屈だ。
退屈に甘んじることができない人生もまた退屈で平凡なのかもしれない。
そこにリアルがある。
それこそが人生の味わいだと思う。
そこを書いているこの作品はやはり面白い。
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よく思うのですが、女性が妻となり、家庭を守るという行為は、外に出て荒波にもまれながら、家庭を同じく守る夫とは対照的な苦痛があると思うのです。
さまざまな変化を社会という人ごみの中で体験する変化への苦痛と戦う夫と。
何も変化が無く、単調な家事を繰り返し、黙殺されそうになっている妻。
対極に居るから「だから男は」「だから女は」と、口論が絶えないんだと思います。
まあ、根本はそういう所が男女の相いれない原因の一つなのでしょうが、最終的には人間的な性格の問題ですよね。
大げさにそんな事を言っておいてなんですが、エマは私と違って、外界からの刺激を好む女性で、生活に圧迫されて年をとっていくのが耐えきれない、旅人気質を持っていました。
だからこその不倫と発狂、自己中心的な自分の理想とする世界を、現実に花開く事が出来ない事へのジレンマは、まるで子供がだだをこねているように見えました。
時代が違うので、その時の時代の習慣や、当たり前の事を私はよく理解していないのですが、あまりにもシャルルがいい夫でいたので、エマのその自由奔放な生き方が更に浮き彫りになってしまっているように思えるのです。
やっぱり、死んだ後に、残された人の気持ちを考えるっていうのは難しいんでしょうね。特にエマなんて、絶対にかんがえる暇も、機会も全て死ぬ直前に花火のように、気まぐれに光って後は消えてしまう。
シャルルの魂を、エマが自ら滅ぼした手でつかんで、引きずり上げてしまい、娘一人が生きる事になりましたが…
どうか頑張って生きて欲しいです。
自分自身だけではなく、自分を大切に思っている人も不幸にしたエマ。
誰かを思う事は、誰かの為に痛みを我慢し、耐える事が必要なんだと思いました。 -
何はともあれ読み切った。
何だこの小説、不愉快なやつばっか出てくるな。
不倫をする人の自分勝手な理論が目白押しである。
貞淑との間で迷ったりするけど、それも含めて自分に酔っていて楽しそうだ。 -
面白かったー!
話の内容としては美人な妻が夫とのありきたりな生活に飽きてしまい、不倫を繰り返すと言う
単純なお話なのですが、もう描写が凄い!
細かくて丁寧で、それでいて飽きない。
長く読まれている理由がわかります。
ボヴァリー氏、滑稽ではあるけど、愛すべき人だと私は思うけどなぁー。 -
古典なので当然ですが、話の筋は実に古典的な不倫モノです。しかし精緻で目の前に情景を広げさせ、人物を浮かび上がらせる描写が光ります。恋する乙女のまま妻となり、結婚の理想と現実の落差と凡庸な夫に苛立ちを覚え、背徳に身を崩す作中のエマが実に人として最低で、実体のある生々しい存在感を放ちます。今では凡庸といえる筋書きでも文章で読者を離さない作者(翻訳者も含めて)のテクニックに驚くばかり。好きか嫌いかではなく、凄いと感じる作品でした。趣味で小説を書く人はもちろん、読むだけの人でも一度触れておいて損はないと思います。
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いいひとなんだけどすごくつまらない人っている。
善良すぎて毒気がないというか。
そういうひとと結婚したら退屈だろう。
エマのように、刺激が欲しくなって、
異常な量の贅沢な買い物に走ったり、
舞踏会に繰り出したり、不倫愛に狂ったり。
そういう気持ちもわからないではない。
けれど人生のほとんどは舞踏会とか熱い恋愛で
構成されているわけではなく、
生活で構成されているわけであって。
その生活を人々は愛し、あたたかな気持ちを持つ。
そういう気持ちがわからないと
ずっと現実逃避を続けることになるのかなと思った。
でもエマは逃避しきって終わったから
それはそれでいいかと思う。
哀しいけれど、一貫性があって、
やりきった感のある人生。あっぱれ。 -
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旦那(´・ω・`)カワイソス小説。
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理想と現実の格差によって人生が破滅する物語。
理想と現実の差は誰しもがもつ。どう生きれば幸福になるのか。重いテーマだな。
初めて読むフローベール。その描写が圧巻!
こういうのはやはり原書で読みたくなるね。読めないけど。 -
なんでもない描写が好きだったりする。
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2部までは読むのが少々しんどかったが、3部はすらすら読めた。主人公のエマも勿論愚かだけど、夫も不倫相手も出入りの商人も隣人も俗物ばかり。最後は低俗な薬剤師オメーと俗悪な商人ルウルーだけが幸運に見舞われ、残りの人々は哀しい結末を迎える。これが人生か!となんとも遣る瀬無い。
エマが無駄遣いに歯止めが効かなくなるのはあり得る事だと思うが、愛人に去られた後何ヶ月も寝込むというのが解せない。男目線でそうあってくれたら可愛いのかもしれないが、普通の女は1週間もしたら過去は水に流して未来に目を向けるのではないか?
確かにこの時代の主婦は仕事もないが、家事や育児すら自分でやらず、夫の仕事も発展がないとなると将来の希望も持てなくなるかもしれない。ある意味気の毒ではある。 -
ボヴァリー夫人がもしもほんの少しだけ物事の見方を変えていたら、ずっと幸せだったのに。
彼女は誰も自分のことを心からは愛してくれないと思っていたけれども、本当は間近にいたのに。
ロドルフの様な男の人って本当にいるだろう。
勉強になった…
2015/6/3 -
何が素晴らしいのかオレには理解できなかった。
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想像したよりもずっと楽しんで読めた。
エマはゾラのナナのような根っからの奔放な女性では無かったように思う。では誰が犯人か?夫であるボヴァリー医師その人だろう。社会的に高い立場にいながら(この職を得ることが出来たのも母のお陰なのだが)、誰からも尊敬をえられず、その自らの立場にも気づかず、何とか起死回生を狙った手術のただ一回の失敗に自信を無くし、あげくに最後まで妻の不満や不貞にも気づかない愚鈍さ。エマは結婚という契約に縛られながら、自分を決して満たすことのない夫から離れ、女としての憧れや夢を外の愛人達に求める。結果、期待は裏切られ、最後には自滅へと至る。無知と田舎者特有の富や贅沢への憧れ故に悲劇的な最後を迎えざるを得なかったエマだが、決して彼女のせいだけでなく、彼女を取り巻く男達のだらしなさが彼女を追い詰めたのかもしれない。 -
なに不自由ない生活を送ってきた一人の女が不倫の恋に身を焦がしやがて破滅していく様を、淡々と、そして詳細に描写していく。
ボヴァリー夫人は、バカな女といえばまあバカな女ではある。物語にあるような恋愛に憧れ、身の丈に合わない不倫をし、分不相応な享楽を得て、結局は恋人には棄てられ全てを失い死ぬ。誰かに騙されたわけでもそういう運命であったわけでもない。自らそうした破滅に向かっていく。それはあまりにも不用意で擁護の使用がないほど愚かな姿。
でも、それはまた、どこにでもいる平凡な女の姿(男でもいい)でもある。多少なりとも空想的であったり、無い物ねだりをしたり、後先を考えずに行動したり、それらは決して特異なことではなく、ことの大小はあれ誰にでもあり得る。その誰にでもありうるそれが重大な罪となる時代性において、その自由な姿勢は必然的に破滅を選ばざるを得なかったわけだ。
そういえば、蓮實重彦が、30年以上書く書くと言い続けてた「ボヴァリー夫人論」をいよいよ出すらしい。
著者プロフィール
ギュスターヴ・フローベールの作品
