風と共に去りぬ (3) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102091036

作品紹介・あらすじ

妻エレンの死と北軍の略奪に打撃を受けて廃人同様となった父のかわりに、スカーレットはタラ農園再建のため自らを鞭打った。時代も変わったが、それ以上に彼女自身が変貌した。持前の勝気でたび重なる苦難を乗りきったものの、敗戦後の莫大な税金にタラを手放さなければならないと知って、彼女は獄中のバトラーを訪ねて、借財とひきかえに自分の肉体を提供しようと申し出た-。

感想・レビュー・書評

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  • 愛する母の死、そのショックから立ち直れず子供のようになってしまった父。

    家族を、タラを守るために全てを切り盛りし
    タラの女主人となったスカーレット。

    お金持ちのお嬢様時代から一変し、
    全てを背負わなければならなくなった彼女の姿が何とも痛々しかった。

    けれど、さすがはスカーレット。
    負けないしヘコんでもただでは起き上がらない。

    しかしお金の問題はどうにもならず、
    レットバトラーへ救いを求めに行く。

    この2人は何とももどかしい。
    どちらも駆け引きし合ってどうにも上手くいかず。

    この巻でもアシュレのダメ男っぷりが目に付く。
    自ら生活しようとしない人に魅力は感じられないなぁ。

  • 本書は驚くほどスラスラ読めた。スカーレットがタラ再建に奔走する話がメインで、息をつく間もないほど緊張の連続であった。なんと、スカーレットは銃で兵士を撃ち殺したのだ。それは仕方がなかった。兵士が勝手にスカーレット達の家に入ってきたから、仕方がなかったのだ。また、本書では、スカーレットのメラニーに対する新しい感情が芽生えるところも必見である。メラニーは必要な時に、いつでもスカーレットのそばに現れ、その小さな体からは想像も出来ない位の、大きな勇気に溢れた行動を起こすのだ。兵士が家に現れた際には、病に伏している体に鞭を打ち、チャールズの剣を引きずり階段まで駆けつけた。さらに別の兵士達が家に火を放った際には、家の中からスカーレットを探し出し、一緒にマットを叩きつけて火を消した。馬に乗って家畜を家の裏手へ逃がしもした。メラニーは勇敢な淑女である。3巻では大胆にも、レットと取引を行う。レットから金を借りるため、スカーレットは自身の肉体を提供すると申し出たのだ。あっけなく断られるのだが、レットは彼らしいポリシーがあり、それは獄中でも変わらないようだ。読者の思うように返事をせずに、スカーレットに試練を与え続けるところは、まるでライオンの父のようである。そして妹スエレンの愛人であるフランクに狙いを定めるスカーレット嬢。彼女ならやれるだろう。次巻では、スカーレットがフランクをモノにして、タラの税金を払い、裕福な暮らしが送れていることを期待している。最後に、本書の中でフリーメイソンが出てきたことに驚いた。1717年、イギリスで結成された世界市民主義的な自由主義の団体だそう。

  • 母が死に。父が廃人となってしまった今、家族をタラの地を守ろうと奮闘するスカーレットにどんどん魅了されていきました。

    この時代スカーレットの他にこんなに強い女性はいないと思います。

  • レビューは最後に。

  • <閲覧スタッフより>
    奴隷制が残る1860年代アメリカ南部の大農園に生まれた主人公スカーレット・オハラ。南北戦争前後の混乱期、持前の美貌と強さで波乱万丈な人生を乗り越えてゆくスカーレットの姿が、ときに破天荒に、ときに凛々しく描かれています。どの登場人物も生き生きとしていて、壮大ながらとてもユニークな物語です。
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    所在番号:文庫||933.7||ミマ
    資料番号:10144603
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  • 生きるためなら、神様は関係ない。

    スカーレットの強さに反して、アシュレのダメっぷり! かっこいいのかもしれないけど、人を見る目はあるのかもしれないけど、でも、この男は生き抜くうえで一番頼ってはいけない男だ。だからといって、レットに頼ればいい、というものでもないけど。やはり、頼ってはいけない。自分で生きなければ。

    スカーレットは、実生活に強い。たくましい。だから、生きるためなら、粗野であろうと、南部の誇りであろうと、切り捨てる。南部の誇りを失わない、過去の美しい思い出を懐かしむ面々とは違う。文学的ではないけれど、強い。巻末の他の文庫紹介で思い出した『欲望という名の電車』の妹の方みたいな。あれも南部と北部のあれやこれやだったね。

    南部、奴隷制、というと、「悪」だと教えられている。でも、スカーレットが奴隷解放を歌う北部を徹底的に嫌う姿勢も、なんとなく受け止めてしまう。それは、たぶん身分制に伴う”美しい”ノーブレス・オブリージュに夢を見ているからだろう。

    メラニーを、嫌な奴、一緒にいたら憎むしかない女、だけど頼りになる女として書いているのがいい。女性作家だな。ジェンダーバイアスだと思うけど、メラニーみたいな人を、完全無欠の女性と褒めたたえるのは、男性だと思う。アシュレがかっこいいけど、実生活には役に立たないだめんず、でもスカーレットは参ってしまう、という風に書いているのも、女性作家だなと思う。ここで、アシュレに靡いたり、また、アシュレを完全に恋愛対象から外したうえで養ったりするようなスカーレットだったら、なんだか男性の夢すぎて、納得いかないから。

  • メラニーの出産とアトランタからタラまでの厳しい道のりを経験し、南軍が戦争に負けて突然貧乏になってしまったことでスカーレットがとても逞しくなりました。
    北軍の兵士を射殺する場面がスリリングでとてもいいです。
    剛毅なメラニーが素敵です。
    スカーレットは自分の故郷であるタラをどうしても守りたいようですが、なぜそんなに土地にこだわるのか私にはよく理解できません。華やかなことが好きなスカーレットなら田舎の土地なんて潔く捨てて都会に住みそうなのに。アイルランド人の血に由来する気質とか言われても納得しきれません。
    あと、どうしてスカーレットはアシュレが好きなのか疑問です。アシュレと会話しても半分くらいしか理解していないように思えますし物事を深く考えるアシュレと短気なスカーレットとは気が合わないと思います。
    スカーレットはお金のためになりふり構わず行動していますが、私はメラニーや他の南部の人々のように貧乏でも気品のある人の方が優れていると思います。スカーレットの考え方がこれからどのように変化するか楽しみです。

  • H.25.08.14
    妻エレンの死と北軍の略奪に打撃を受けて廃人同様となった父のかわりに、スカーレットはタラ農園再建のため自らを鞭打った。時代も変わったが、それ以上に彼女自身が変貌した。持前の勝気でたび重なる苦難を乗りきったものの、敗戦後の莫大な税金にタラを手放さなければならないと知って、彼女は獄中のバトラーを訪ねて、借財とひきかえに自分の肉体を提供しようと申し出たーーー。

  • たくましいスカーレット。
    元気をもらいました。
    アシュレのどこがいいのだろうか…

  • 荒廃したタラでスカーレットの苦闘が始まる第3巻。
    個人的にはこの巻が一番好きである。映画には出てこないが、スエレンと結婚する人が結構好きだった。

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