風と共に去りぬ 第2巻 (新潮文庫)

  • 新潮社
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レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102091074

作品紹介・あらすじ

南北戦争が始まると、スカーレットの夫チャールズはあっけなく戦死した。遺児を連れてアトランタへと移ったものの、未亡人の型にはめられ、鬱屈した日々を送るスカーレットに、南北間の密輸で巨利を得ていたレット・バトラーが破天荒な魅力で接近する。戦火烈しくなる一方のアトランタを、レットの助けで脱出したが、命からがら帰り着いた故郷〈タラ〉は変わり果てていた――。

感想・レビュー・書評

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  • めちゃくちゃ面白い。
    2巻は、南北戦争メインの激動の巻であった。
    戦火の拡大する南部。日に日に戦況は悪化し、物資は欠乏、16歳の子供や70歳の老人や兵隊として駆り出されるようになる。
    メラニーの出産が近づき、身動きのとれない中、ついにはアトランタに北部軍は攻め込んでくる。

    もう敗戦濃厚なのに、あと少し踏ん張れば事態が好転するはずだと現実を直視できない。大義のためにと誰もが駆り出され、狂騒の中にあるアトランタ。
    第二次世界大戦の日本や、最近読んだ『神の棘』のドイツと全く同じで、戦時中の人々というのは皆こうなるのだなと、何とも言えない気持ちになる。

    戦争の中でも、レットとの場面は多い。封鎖破りで富を得たレットがスカーレットに接近するのだが、顔を付き合わせると最後はスカーレットが激昂し、喧嘩別れするばかり。
    しかし、包囲されたアトランタから脱出するため、スカーレットはレットに助けを求め、駆けつけたレットにより、スカーレットとウェイド、メラニー、メラニーの生まれたばかりの新生児、奴隷のプリシーは危機一髪脱出する。
    二人がいい感じになるかと思いきや、途上でレットは軍に入ると言い出して離脱。スカーレットは瀕死のメラニーたちを連れ、タラに向かう。
    タラの屋敷は無事だった。しかし畑は焼かれ荒らされ、奴隷は離散し、最愛の母は亡くなっていた。

    "〈タラ〉へ向かう長い旅の途上で、娘時代というものをどこかへ置いてきたようだ。(中略)子どもとして大切にしてもらえるのも、今夜が最後になるだろう。スカーレットは大人の女になった。青春時代はもうおしまいだ。"

    この最後の場面にあるように、スカーレットが覚醒する。
    結婚してからも自分のことにかまけ、わがままの許されるお嬢様気質のまま、守られた立場にあったスカーレット。それが今、家族らの命運を握る立場になってしまった。
    スカーレットの中の、アイルランド人の父の血が、悲しみを乗り越えた母の血が、不屈の精神で戦った祖先の血が沸き立つ。

    "〈タラ〉がこのわたしの運命であり、戦いの場なのだから、これに打ち克たなくては。"

    3巻へ続く!

  • ハリウッド名作映画の原作 全5巻のその2巻目。
    いよいよ南北戦争が佳境に。
    スカーレットが密かに心を寄せていたアシュリーはメラニーと結婚し、衝動的に結婚したチャールズとの間に子どもができたものの、チャールズは南北戦争に出征して、早々に戦わずして亡くなってしまう。

    未亡人となったスカーレットはアシュリーが出征して一人アトランタに残されたメラニーの家に同居することに。

    メラニーに送られてきたアシュリーからの手紙を盗み読みしたり、未亡人として目立たない振る舞いを強制される南部の伝統に息苦しさと退屈さを感じてそれに逆らった行動をとってみたり、傲慢とも取れるようなスカーレットの奔放ぶりは相変わらず。

    一方でレット・バトラーは南部はその旧弊な考えのために北軍には勝てないと言い切って南部連合軍には参加せず、商船の船長としてイギリスなどから買い付けた物資を北軍の封鎖をかいくぐって南部に持ち込み、高い値で売り捌くという事を続けていたため男性陣からは蔑まれていた。
    スカーレットはレットが届けてくれる南部ではもう手に入らなくなった贅沢品は欲しいが、彼の言動が自分の愛する南部を否定しているし、自分を揶揄うような仕草を見せられるので、いつも喧嘩別れのような形で突き放してしまう。

    しかし、そういう日々の過ぎるうちに戦争が苛烈さを増してきた。一度はメリーランドまで北上して攻め込んだ南部連合軍もリー将軍の敗北と共に、押し返され始め、戦場が徐々にスカーレットの住むアトランタに向けて南下してくる。アトランタから非難する人たちも出てくる中、妊娠しているメラニーを動かす事は命を危険に晒すことになるとわかり、スカーレットは危険を覚悟でメラニーに付き添ってアトランタに残る事を決心する。
    やがて南下してきた戦場の砲声がアトランタの街中でも聞こえるようになってきて、、、

    映画(見てないですが)は恋愛物だと思っていたので、小説も基本そういうタイプのものかと想像していました。確かにスカーレットとレットの恋愛が軸にはなっていますが、南北戦争前の南部の伝統や風俗を描き出す描写やスカーレットという女性を、彼女の恋愛だけでなく、近づいてくる戦争への不安や、それに負けずに生き抜こうと決意する心の動きなど、恋愛小説という枠にはおさまらない魅力のある作品なんだとわかってきました

  • 駆け抜けるように読んだ。南北戦争のどうしようもなさ、戦況が悪化しても勝利を信じたい人々の残念さがとても良い。そして、戦争とかの難しいことは男の仕事でしょ、といわんばかりに自分中心なスカーレットが、戦火の中メラニーと赤子・こども・役立たずの使用人などなどの足かせとなるものをすべて守りながら脱出するところなんかは本当に格好よかったし、これを真の自立ととらえ、ここで初めて、スカーレットの娘時代が終わるとするマーガレット・ミッチェルの感性に心打たれる。スカーレットは色んな男を品定めして、恋心を抱いたり憎しみを抱いたりと恋愛中心で生きているように見えるのだけれど、それでもなお彼女の自立は、戦火の中、男に捨てられてひとりで故郷まで戻るその道中にあるとする、力強さ。激動する時代や場面の劇的さ(このあたりはどんなに映画ではえるかとおもう)というエンタメ的な面白さ、スカーレットをはじめ、アシュリやレットといったキャラクターの少女漫画的な魅力、そして、ひとりの女性の成熟というフェミニズム的視点が入っており、いや、本当にこれを読めばほかになにもいらないのでは…と思わされる。
    しかし、こんなにすべてがあるのにまだ2巻。どういう壮大さなんだと驚きますね。

  • 激動の第2巻。ハラハラしながら、読み終わるのが惜しいと思いながら、でも読んでしまった。
    裏ページのあらすじでなんとなく先はわかっていたが、色々と予想外で面食らう展開だった。

    戦争はつらい。いつの時代でも、どこの国や地域でも、あとに残るのは悲しみだけだなあと感じられる内容だった。
    号砲の響くなか、メラニーのお産をなんとかやってのけるスカーレットが本当にすごい。いくらアシュリと約束したと言えど、ミード医師が来てくれないと言えど、放ってひとりでタラに帰るかと思ってた。(それか、お産によってメラニーは母子共々死んでしまうのかとも予想していた)
    それがまさかの、すごい責任感。そして全員連れ出してタラに帰るのもびっくり。なりふり構わず、牛まで連れて。

    最後…
    老いた父親、逃げた召使たち、死に目にも会えなかった母親、病気に苦しむ二人の妹。食べるものも飲むものもろくにない。
    変わり果てたタラを前に、明日から自分が養っていこうと決意するスカーレットが本当に立派。
    自分がやらねば!という責任感が本当に頼もしい。ただの裕福な家庭に育ったお嬢さんでなく、胆すわってて強くてカッコいいなと思う。尊敬。

    これからどんな展開になっていくのか、続きが気になる!!3巻も4巻もネットで注文したので、届いたら早く読みたい✨

    …番外。
    アシュリのことがどれほど好きかということが、1巻に引き続きよくわかる描写が面白い。そこら辺は、ほんまおもろいなぁスカーレット!って感じやけど、アシュリも彼女をまぁまぁ好きなんだと判明。
    レットのような破天荒で強引な男のほうが私は断然好みなので、レットとスカーレット二人きりの場面はドキドキした!笑
    この先レットが出てくることあるのだろうか?私達は似た者同士って言ったから、また会えるのかしら。今後もどこかでスカーレットを助けてほしいなあ。
    …自分の気強いところがスカーレットと似てるので、本当に気になる(笑)

  • 日本の戦争の記憶は太平洋戦争だが、アメリカの戦争の記憶は南北戦争である。アメリカの災厄の時代の物語。


     あいかわらずスカーレットは性格が悪い。でも、体裁はきちんと取り繕っているんだから、実に気高い。
     この巻でスカーレットの良さに気付き始める。子供の頃はただのわがままに見えたけれど、大人になって力や責任を持つようになって、自由になって、その本領を発揮してきたという感じ。



     なにより、この巻の軸はレット・バトラーである。

     スカーレットと名前も似ているが、思想の根源も似ている。女性だから本心を出せていないスカーレットと、自分を自由に表現できている男のレットが良い対比構造になっている。

     スカーレットは自分の鏡であるレットを見て、頭では拒否するが、心が惹かれてしょうがない。合理的な物の考え方は、まさに自分のやりたいことなのである。

     そして、彼の存在がこれからの彼女の在り方に大きな変化を与えるのだろう。

     スカーレットは解放される。



    ______

     どんどん物語に引き込まれていく。

     あと、レットバトラーの戦争観が日本人の共感を呼ぶよね。
     世界のどこでも太平洋戦争時代の日本みたいなことやっていたんだね。ただ、欧米はそういうの近代に終わらせていて、後進国の日本は技術の進んだ20世紀にやっちまったから大惨事になったんだな。南北戦争の時代に核兵器があったらアメリカ南部は焦土と化していたね。

  • この巻を読むと「だから!アシュリーなんてどうでもいいから!レット!レット!」と言い続ける母に完全同意しか出来ない。恋愛物語の顔をしながら、戦争の表と裏が残酷に描かれていてすごい。

  • おおお!一気に緊迫感!
    スカーレットの抑えられてきた強さがこれから見れると思うと楽しみ
    あとレット・バトラーめちゃくちゃカッコイイ

  • スカーレットとレットは現代だとカップルに見えなくもないけど、この作品だとよくわからない関係性にある。スカーレットはしょっちゅう激怒するし、レットは辛口コメントばかり言う。顔を突き合わせると喧嘩ばかり。

    けれどお互い少しは好感持っているよう。特にレットはかなりスカーレットを気に入ってる。毎回スカーレットに罵倒されてもいざというとき助けてくれる。けど愛してないと言い境界線ははっきりさせている。のめり込んではいない。

    2巻はスカーレットとレットの関係が深まり、2人のやりとりだけをかいつまんで読んでも面白い。甘すぎないが徐々に距離が近くなっていくのが良い。

  • スカーレットのことが大好きになった。レット·バトラーのことも。
    いよいよ戦争が激しくなり、窮地に立たされた時の行動力、自分を奮い立たせるその姿になんだか涙が滲んだ。
    これから先、わたしに辛いことや苦しいことがあった時、きっときっと、タラへ戻るために馬車を走らせたスカーレットのことを思い出そう。

  • スカーレットからみたアシュレとレットの比較が、克明に記載されていて面白い。
    アシュレとレットは、実は勝ち目のない戦争に巻き込まれている現状を把握できている似たもの同士なのだが‥レットは憤然と周囲に立ち向かうけど、アシュレは諦め半分に運面に流されていく夢追い人‥
    そのことを考えるとスカーレットは訳が分からなくなるのだ。

    しかし、なんといっても2巻の、スカーレットの燃え上がるような強さは、読んでいてスカッとする。戦争の外にいるアウトサイダーであるのに、自分のこと、自分の希望、ひいてはアシュレへの想いを第一に考えながら、メラニーを守り、プリシーをこき使い、タラのみんなを取り仕切っていく。

    相変わらず素晴らしい訳で、どんどん読み進めてしまう。

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