風と共に去りぬ 第3巻 (新潮文庫)

  • 新潮社
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本棚登録 : 214
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102091081

作品紹介・あらすじ

命からがら故郷〈タラ〉農園に帰還したスカーレット。しかし母は病死し、父はそのショックで自失していた。残された人々を率いて、この私が故郷を再建するほかない。この土地だけは誰の手にも渡さない――! しかし南部の住民には苛酷な重税が課せられ、農園を売らなければならない危機の瀬戸際に。スカーレットは金策のため、自らをレット・バトラーに差し出す決意を固めたが……。

感想・レビュー・書評

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  • 「面白い!」「すごい!!」という陳腐な感想しか出てこないんだけど、どうやったら伝わりますかね。

    荒廃しきった〈タラ〉で、大家族の毎日の食糧集めに、スカーレットは手足をまめだらけにして奔走する日々。
    そこにヤンキーがやってきてなけなしの金品は奪われ、残っていた畑や綿花は焼かれる。
    さらには、以前母が追い出した農園監督のジョナスの復讐で、〈タラ〉は重税が課されて存亡の危機に陥る…。

    「見捨てていけるものですか。〈タラ〉の屋敷を、あなたを見捨てられるわけがない。」

    アシュリより家族より何よりも、スカーレットはタラを愛しているのだ。
    スカーレットはお金を算段するために、立ち上がる。倫理も道徳ももう投げ捨てた。新しいドレスという戦闘着を作り、レットのいるアトランタへ向かうーー。

    今巻は帰還したアシュリともアトランタのレットとも一悶着あるのだが、それよりもう、メラニーですよ。
    風と共に去りぬ二巡目で気づくことはたくさんある。
    アシュリの生活力のなさ、頼りなさ、優柔不断さ(この人は文化人なのだよ…)。
    メラニーの芯の強さ、勇敢さ、包容力、愛情の深さ。
    スカーレットとは対極にあるようで、意志の強さは共通する。メラニー、なんてカッコいいんだろう。
    スカーレットはものすごく剛毅で生命力に溢れた魅力的な人だけど、人としての思いやりやら、母性やら、慎みやら、罪悪感やら、色々なものを欠いていて、メラニーはそれらを埋め合わせながら、スカーレットを最も身近で支える。
    スカーレットには、レットより、アシュリより、メラニーと一番ぴったりな気がしてきた(笑)

    中盤、今まであんなにボロカスに言っていたメラニーをスカーレットが見直すシーンがある。
    "メラニーはいざという時頼れる人だわ"
    いや、本当はずっと前からわかっていたと思うのだけども、ついに認めざるを得ない時がきたというか…。
    二人は楽しく笑い合う関係ではないのだけど(なんせ、スカーレットはアシュリを今でも諦めていないのだし)、今や一番辛い時期を乗り越えてきた戦友なのよね。

    さて、物語は、レット籠絡作戦に失敗したスカーレットが、事業が順調だという妹の婚約者フランクを、たらしこんで略奪しようとするところで終わる。
    二人とも結婚を心待ちにしてるのに、普通に考えると鬼やん…!という感じだが、こういう算段を練っているスカーレットは生き生きとして、きっとすごくキラキラいい顔しているのだろうなぁ(想像)。
    いやー、すごいな。

  • 「風と共に去りぬ」全五巻の三巻目。
    南北戦争は南軍の劣勢が続き、北軍によって焼き払われたアトランタの市街から、レット・バトラーの助けを借りて命からがら自分の生まれ育った屋敷「タラ」に戻ったスカーレット。
    しかし、屋敷に既に働き手となる黒人奴隷はほとんどいなくなり、収穫した綿花は焼かれ、調度品も荒らされ、畑仕事はもちろん、家事でさえもほとんどやったことがないお嬢様育ちのスカーレットがオハラ家の事実上の長として切り盛りをする事になった。
    更に南軍の敗北が決定的になると北軍の暴徒に屋敷を襲われ、時にはスカーレットは銃を手に取って家を守った。
    しかし、南部のかつての富裕層に敵愾心を抱く者たちは更に彼女の家族の持つ土地と屋敷を奪おうとする。どうしてもお金が必要なスカーレットは北軍に捕まって刑を待つ身となっているレットを探し出して、彼の彼女に対する愛情を手玉にとって借金をしようとする、、、

    1、2巻とここぞという場面で現れたレット・バトラーが3巻はなかなか出てきません。それよりも窮地に陥っても持ち前の大胆さと現実主義で乗り越えて行くスカーレット・オハラの力強さが目立つ。そして、暮れ行く陽に美しく映える赭土の南部の土地、彼女が愛する自分が生まれ育った綿花畑の風景が印象に残る巻。

  • 3巻も激動…
    家族が生きていくために、タラを守るために奔走するスカーレット。ヤンキー軍がやって来た時のスカーレットの的確な指示!カッコいい。父親も妹も一人前の働き手と言えないなか、メラニーに信頼をおけるようになり、ウィルという新しい使用人がよく働いてくれ、落ち着いてきたところでアシュリ帰還!!
    まさか帰ってくるとは…死んだのかなと思ってた(>_<)メラニーが抱きついてるところにスカーレットも飛び込みにいこうとして、ウィルに冷静に止められた場面は相変わらずでちょっと笑えた。

    あらすじで読んでたが、レットに金の工面を頼むというスカーレットの策略はさすがと思った。けど、レット相手にそううまくはいかんやろうと予想してたらやっぱりの展開。。
    その前はアシュリと二人きりになったときに「二人で逃げよう‼」とかアホなこと言い出して玉砕、レットに会いに行ってもそんな感じで失敗、でもタラを守るためにどうする?と考えた時に目の前に現れた妹の婚約者をダシに使うとは…
    めっちゃびっくりして読みながら声あげたわ。

    打算的という言葉では片付けられないその向上心というか、タラを愛する故郷への気持ちが人一倍強いというか、もうあんなひもじい思いはしたくないという這い上がり精神というか…
    今風に表現すれば、ドン引き!かもしれん。
    でも、私はやっぱりちょっと尊敬。時代も場所も立場も違うから全くの想像でしかないけど、自分がスカーレットだったら同じことができるか?と考えると、できるようなできないような…

    もう、さすがと言うしかない。
    さすがスカーレット・オハラ!

  • 2015年12月31日読了。

    いや、ここまでスカーレットが苦労してるとは知らなかった。
    お嬢様育ちだけど、男性とのやりとりも計算尽くだった彼女だから、他のお嬢様達とは違って色々頭が回るのかな〜。

  • スカーレットは本当に強い女性だと思う。
    あのくらい強い女性になりたい。

  • 超大作。

    貧しさで、これほど人の気持ちは荒むのか。衝撃だった。

    学生のときに、南北戦争は、奴隷解放を目的にしていて、正義が勝ったと習った。
    でも、戦争はそんなに単純じゃない。勝者が全て正しかったわけでもない。

    スカーレットの醜さと、未来を見て生きる強さ。
    とにかく圧倒される。

  • スカーレットかっこいい
    アシュリも好きだけどレットも好き

  • 「謎解き」のおかげで、ウィルの登場を心待ちにして読み進めた。何故彼の存在が映画舞台ではないものとなっているのか!彼に肯定されることでスカーレットはますます自信を持ち、タラへの拘りを強くしていくというのに!戦禍の様子、南北のパワーバランスの様子が丁寧に書かれていることに改めて驚かされる。

  • 2巻でタラに戻ってきて3巻からはタラ再建に努めるスカーレット。タラへの愛に目覚めなんとしても手放すまいと尽力する。

    3巻では戦争がようやく終わり、スカーレットはタラに戻りアシュリも無事帰還することができた。けど大変なのはここから。タラに重税がかけられ、このままお金を工面できないとタラが他人の手に渡ってしまう。母の死に悲しみながらも再建に取り組んでいたのに。お金目当てでレットに近づくもばれて失敗。3巻ではお金を持っているフランクに切り替え、スカーレットが魅力を振りまいているところで終了。

    3巻のスカーレットは娘時代の彼女とはかなりかけ離れた存在になった。現実主義に磨きがかかり、タラを守るために何ができるか常に頭を働かせている。戦争でどん底を知って彼女をとりまく状況が一変したのが大きい。スカーレットが賢くなって現実に立ち向かうため自分で行動するようになったのは成長の証。けど可愛げは減ったね。レットが言った通り「がちがちに強気のかまえ」になってしまった。どっちが正しいとかではないけど、彼女が元来持ってた可愛らしさがすり減ってしまったようで残念。

  • まったく次から次へとよくもまあこんなに面白い展開が思いつくものだと本当に驚愕しながら読むが、今巻の私的感動は大きく二点。ひとつめは、スカーレットがずっと見下していたメラニーが、いざという時には冷徹なリアリストであり、誇り高い女性であるということにスカーレットが気づき、微かではあるがシスターフッド的連帯が芽生えること。スカーレットは驚くほどに妹たちや周りの女性に興味がなく、メラニーには憎しみを覚えこそすれという感じだったが、はじめて尊敬の念を覚えたのが女性であるメラニーだったというのがとても良い。そしてもうひとつは、謎に包まれているアシュリの内面が語られること。引用もしたが、要するにアシュリは現実をきちんと受け止めきれず、高い文化資本の中、夢の世界を生きている人間だったようだ。いまの言葉でいうと、オタク的な人格類型といってもいいかもしれない。それを「意気地なし」であると自分で(といいつつマーガレット・ミッチェルがだが)看破しているのがまた素晴らしい。徹底した現実主義者であるスカーレットに対し、憧れも抱くが同時に、一緒には生きられないと気づいている。なるほどの連続でマーガレット・ミッチェルの人間洞察の深さに感服する。
    それにしても、今巻のスカーレットの現実主義には眼を見張るものがある。なんの慰めにもならない思い出話や、腹の足しにもならない墓石に憤りを感じる描写なんかは本当に生き生きしていて、なんとも愛おしいキャラクターだなあと感じました。続刊、そしてレット・バトラーとの関係の進展に期待。

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