- Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102091081
作品紹介・あらすじ
命からがら故郷〈タラ〉農園に帰還したスカーレット。しかし母は病死し、父はそのショックで自失していた。残された人々を率いて、この私が故郷を再建するほかない。この土地だけは誰の手にも渡さない――! しかし南部の住民には苛酷な重税が課せられ、農園を売らなければならない危機の瀬戸際に。スカーレットは金策のため、自らをレット・バトラーに差し出す決意を固めたが……。
感想・レビュー・書評
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2巻で大激動の戦争最中を読み、ここがピークかと思いきや、ここからが闇のスタートになるとは。
タラを襲う北軍のヤンキー、重税の圧力、帰ってきたアシュレやレットとの交わりの中で経験する絶望。とにかく世の流れもスカーレットの人生の流れもここ半年の内に目まぐるしく変化していく。
戦争を経験したことのない身としては、歴史で語られない敗者側のリアルな実態とプライドに初めて触れた気がしてならない。
打ち負かされても、打ち負かされたと認めず、毅然としていて昔の形式を忘れず誇り高き人としてなり振る舞う。微笑の仮面を身につけて…。
スカーレットの精神力や生命力の漲りは衰えないけれど、明らかに変化していく価値観や文化観に自ら戸惑い、誰よりも現実的に将来を見据えている姿は人間らしさ満載で、読みすすめるごとにスカーレットという人間を好きになる。
「もっとも残忍な復讐は、いま、はじまったばかりなのだ」
「彼女は、うしなうべきなにものもなかった」
「平気で金をまき散らすような時代は過ぎたのだ。古い時代は、すでに去ったのに、なぜこの人たちは、古い時代の身ぶりを忘れられないのだろう」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦争の嫌なところが、これでもかと出てくる三巻。
戦うためでなく略奪するために南部の民家を荒らしてまわる北軍に、言い知れぬ恐怖とショックを受けました。
一部のヤンキーの所業と思いたいけど、ショック。
沖縄戦が偲ばれます…
まったく迷いなく引き金をひいて盗人兵を殺したスカーレットには感嘆しました。
応戦しようと駆けつけたメラニーにはもっと。
この物語でいちばん敵に回しちゃいけないのは、間違いなくメラニーです。
彼女は味方につけておかなければダメです。
アシュリがもうちょっと頼りになればよかったんだけど…
「タラ」で薪割りしているだけじゃ先が思いやられます。
レット・バトラーとは相変わらずケンカばかりで、今回の色仕掛けにいたっては目もあてられなかったのが残念。
スカーレットは仮面をかぶって生きる旧友たちを蔑んでいましたが、自分もじゅうぶん仮面をかぶって道化を演じていることにぜんぜん気づいていないのが哀れというか、まだまだ青いというか。 -
スカーレットの逞しさと凛々しさを感じた巻だった。
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スカーレットを取り巻く環境が劇的に変わり、スカーレットの生き方も変わっていく巻。
ここから本格的におもしろくなっていくのかな! -
ああ楽しかった。
素晴らしい読書体験だった。
スカーレットの人生が気になりすぎてページを捲る手が止まらなかった。
第3巻までしか読んでいないのに、私の心の中にはスカーレットがもう住み着いている。
これが本と友達になるっていうことなのかな。
アシュリ推しの私は248〜251Pを何度も何度も繰り返し読んで身悶えてた。スカーレットと一緒に「やっぱり、わたしのこと愛してるじゃないの!愛してるんでしょう!言葉にして!」って心の中で叫んでたよねww
まあでもこの二人は結婚できない(しない)んだろうなぁ…もうフラグ立ちまくりだもんなぁ…
それでも、アシュリから愛してるの言葉を聞けたしキスシーンもあったし、まあこれくらいで満足せねば…( ; ; )例えスカーレットがフランク・ケネディと結婚してしまったとしても、私の記憶の中にこの思い出は刻まれるから… -
「風と共に去りぬ」全五巻の三巻目。
南北戦争は南軍の劣勢が続き、北軍によって焼き払われたアトランタの市街から、レット・バトラーの助けを借りて命からがら自分の生まれ育った屋敷「タラ」に戻ったスカーレット。
しかし、屋敷に既に働き手となる黒人奴隷はほとんどいなくなり、収穫した綿花は焼かれ、調度品も荒らされ、畑仕事はもちろん、家事でさえもほとんどやったことがないお嬢様育ちのスカーレットがオハラ家の事実上の長として切り盛りをする事になった。
更に南軍の敗北が決定的になると北軍の暴徒に屋敷を襲われ、時にはスカーレットは銃を手に取って家を守った。
しかし、南部のかつての富裕層に敵愾心を抱く者たちは更に彼女の家族の持つ土地と屋敷を奪おうとする。どうしてもお金が必要なスカーレットは北軍に捕まって刑を待つ身となっているレットを探し出して、彼の彼女に対する愛情を手玉にとって借金をしようとする、、、
1、2巻とここぞという場面で現れたレット・バトラーが3巻はなかなか出てきません。それよりも窮地に陥っても持ち前の大胆さと現実主義で乗り越えて行くスカーレット・オハラの力強さが目立つ。そして、暮れ行く陽に美しく映える赭土の南部の土地、彼女が愛する自分が生まれ育った綿花畑の風景が印象に残る巻。 -
「謎解き」のおかげで、ウィルの登場を心待ちにして読み進めた。何故彼の存在が映画舞台ではないものとなっているのか!彼に肯定されることでスカーレットはますます自信を持ち、タラへの拘りを強くしていくというのに!戦禍の様子、南北のパワーバランスの様子が丁寧に書かれていることに改めて驚かされる。
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2015年12月31日読了。
いや、ここまでスカーレットが苦労してるとは知らなかった。
お嬢様育ちだけど、男性とのやりとりも計算尽くだった彼女だから、他のお嬢様達とは違って色々頭が回るのかな〜。