- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102095089
感想・レビュー・書評
-
2019/07/07読了
(ティファニーで朝食を、のみ。花盛りの家・ダイアモンドのギター・クリスマスの思い出 未読)
本来のわたしの好み的に、そもそもそんなに外国文学読んでないからか、あんまり面白さ!ってのを感じられなかった… ホリーのキャラの可愛らしさとかを描写しようとしてたのかなー。くらいにしか…
わたしにはまだ早かったかな? 映画見てたので、
女たるもの、口紅もつけずにその手の手紙を読むわけにはいかないもの。
って言うセリフはやっぱ目にとまるなぁ。ステキ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画のティファニーで朝食を、は見たことなく。
タイトルだけなんとなく知っている、ほかのカポーティの本も読んだことない状態で読んだ。
でも、私としてはかなり久しぶりに最後まで読みきれた本。
表題作は前半の様子があまりイメージできず、ホリーの奔放な様子に、???という感じだったけど、後半の怒涛の展開にビックリし続け、そして、気がついたら終わったという感じだった。
映画の方もまた見てみたいなぁ。
また、一緒に収録されていた短編は展開がわかりやすく、おもしろかった。
花盛りの家、ダイヤモンドのギター。
どちらも現実の場所から逃げれなかった(逃げなかった?)のが印象的だった。
2018.3.9. -
久しぶりの再読。
ああ…やっぱり好きだなぁ…。
冷笑と皮肉で包み切れない感傷が、私の胸をどうしようもなく甘く痛ませる。
収録作品、全て好き。 -
とっても良かった
宝石みたいなお話の集まりだった
他に何も付け加えられなくていいし、解説とかもいらない
全部おとぎ話みたいな話で、先が想像できないものだった
ティファニーで朝食を、は泣いてしまった。ホリーの生き方を読んだら、私もこんな風になりたいって思ってしまうよね。
花盛りの家はとても心を穏やかにさせてくれる話だった。
すごく素敵な話の塊で、著者が好きになった、心が浄化されたようでずっとこの話の世界の中にいたいくらい。
真面目に何かを学ぼうとしなくてもいい、こんなこともあったんだよって、のんびり座りながらお話をきいてるみたいな、でもどこかで自分が変わったような後味をくれる、本当にいい話だった(ボキャ貧)
他人と比べることなくのんびりと自分の好きなことをして生きていきたい。
「正直さが大事なの、人を好きにもなろうとしないくらいなら」っていうホリーの言葉が一番胸に残ったかな
何度でも読みたいと思った -
表題作は、めそめそした主人公がいいし、ホリーのイノセンスがセックスと分かち難く結びついているのがまたいい。どもりの女の子は、英語にして想像するとなんとなく印象が変わる。ギターの歌がドクのエピソードにつながったり、首を吊ってニュースになるタイプの女の子だという話がフレッドの死のいざこざに繋がったり。
あとは、やはり最後の雨の中の別れ。こんなに素晴らしいシーンを他には知らない。
クリスマスの思い出も、しみじみと好き。耄碌してしまった無邪気なおばあちゃんと主人公の子どもは、イノセンスという共通項でつながっている。そして、ずっと昔から親友だったというけれど、そんなことはないんだ、それは君の夢なんだ、という哀しさ。主人公が全寮制の学校に入ってからも映画代にしてくれと小銭を送ってくるおばあちゃん、もうそんな年齢ではなくなってしまっている主人公。一方は死に、一方はイノセンスを葬って大人になる。
村上春樹の解説にもあるし、内田樹がどこかで論じていたけど、イノセンスを保持しながら生きていくことはできない。だから私たちは大人になる。そして、イノセンスが描かれた物語を読む。
そして、自分も大人になったので、誰かのイノセンスが可能な限り長い期間失われないように守ってあげられるのは、イノセンスを捨てた大人だけだということもよくわかっている(フィリップマーロウ!)。 -
「村会春樹 翻訳ほとんど全仕事」を読む中で、再読したくなり引っ張り出した一冊(のはずが、保有していることをすっかり忘れて二冊目を買ってしまった)。
「都会のフェアリ・テイル」とも称される表題作は、ホリー・ゴライトリーの奔放な自由さが魅力的であると同時に、その奔放さを生み出すエネルギーとして幼年時代の悲しさが、心を打つ。こうした両面性をこれだけのソリッドな文章の中で描けるカポーティの文章力は、やはり何度読んでも感銘させられる。
個人的に好きなのは、ラストに収められた「クリスマスの思い出」であり、カポーティの作品で1つ選べ、と言われたらこの短編を選ぶかもしれない。少年期の持つイノセンスさを、彼はなぜここまで結晶化された形で描くことができたのか。カポーティの才能の神髄はこの鋭すぎる感性にあったのだということを改めて実感する。 -
社交界での話題を独り占めするほどの若く美しい女性、ホリー。
そのホリーと出会ってしまった作家志望の主人公。
主人公目線からのホリーの様子が描かれています。
映画は観ていませんが、聞いたことはあるので、オードリーヘップバーンをイメージしながら読みました。
時代が時代だからか、どの人もが希望にあふれていながらも、生きるのに必死、というような人間臭さを感じました。
ホリーも天真爛漫というよりは破天荒、いや、むしろその言動はむちゃくちゃです。
でも、当時はこんな女性が魅力的だったのかなぁ。
日本の豊かな現代にどっぷりつかった私には理解しがたい時代背景と人間模様です。 -
映画の方は幸いにと言っていいかわからないけど見たことがなかったので、先入観なしに読むことができました。とは言え映画の主演のオードリー・ヘップバーンはあまりにも有名だったので、彼女の面影を思い浮かべることはありましたけど、でも、この小説のホリー・ゴラトリーのイメージとオードリーさんがあまり重ならないのだけど??という困惑も感じました。ホリーの枠にはまらない自由奔放さとオードリーさんの清楚で高貴なイメージが結びつかないからです。多分小説は小説、映画は映画で独立した魅力があるんでしょう。他の短編も含め、心にアカが染みていない輝かしい人生の瞬間を写真に撮り収めるように、美しい文体で書き残した小説、という雰囲気でした。
-
非常に魅力的な小説だった。映画の方は恥ずかしながら見ていないのだが、こちらは少なくともとても好きな作品だと思った。ホリー・ゴライトリーにヘップバーンはどうなんだろう…… 彼女のように奔放で、芯が強く、しかしどこかとらえどころのない女性が嵐のように通り過ぎていくという話が大好きだ。それからラストシーン、主人公が猫を再び見つけるシーンは心に染み入る良いシーンだと思った。あのシーンで、作品が綺麗に結ばれ、名作だなと思った。