嵐が丘 上 (新潮文庫 フ 5-1)

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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102097014

感想・レビュー・書評

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  • 語り手の使用人が偽善的というか、事なかれ主義のくせにいらんことしぃなので段々イライラしてくるが、使用人なんて(立場的にも)実際こんなものなのかもしれない。

  • サマセット・モームの世界十大小説の一つにも数えられている本作。調べたところ1800年代中盤に出版されたものということで、当時の生活や舞台となるヨークシャーの厳しい自然環境が細やかに描かれています。

    いやしかし、話は見事なまでに暗いです。登場人物たちの愛憎の交錯っぷり、特に「憎」の描写については凄いものがあります。
    まぁ、考えてみたらモームが挙げる世界十大小説の『ゴリオ爺さん』も矢鱈に陰鬱な作品だったので、彼の嗜好で選ばれている以上、似たような世界観の作品であるということでしょう。

    構成としては、隠遁生活のためにヨークシャーを訪れて家を借りたロックウッド氏が、召使の女性の思い出語りを通じて家主であるヒースクリフ氏とその周辺の人々の来歴を知るという、今で言えばごく簡潔な作りとなってます。ロックウッド氏がほとんど個性を出さない無害な人ということもあり(今の感性で言うと口は汚いし態度も悪い人物なので感情移入はしにくいですが)、話の主体はヒースクリフ氏とその周辺に絞られてます。人間関係がかなり複雑になっているので、その辺を理解するのに時間がかかるかも。

    世界十大小説を制覇したという方ならともかく、単に海外小説を楽しみたいというぐらいの動機だったら読み切れるかどうかは微妙かと思います。

  • (1999.08.13読了)(拝借)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    ヨークシャの荒野に立つ屋敷“嵐が丘”。その主人が連れ帰ったヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに恋をする。しかしキャサリンは隣家の息子と結婚、ヒースクリフは失意のなか失踪する。数年後、彼は莫大な財産を手に戻ってきた。自分を虐げた者への復讐の念に燃えて…。

  • 嵐が丘と呼ばれる屋敷で語り手が出会った奇妙な住人達。そして語り手が夢で見た少女の幽霊をきっかけに、かつて嵐が丘に勤めていたという婦人から、その屋敷の真実が明かされていく…。“文学少女”が縁で手を取りましたが、予想以上に面白いです。登場人物達がそれぞれ欠点を抱え、愛憎が入り混じっているけれども誰一人として嫌いになりきれないことに作者の力量の高さを感じます。この巻の終盤の展開からどのような終着点に行き着くのか、楽しみにしつつ下巻へ。

  • ライトノベル「”文学少女”と飢え渇く幽霊」のストーリーのモチーフとなっていたので、興味を持って購読。海外文学になれていないのもあり、名前の似た人物が出てたり、一人の自分に複数の呼び名がありして混乱しましたが、なんとか上巻最後までいきました。実質閉鎖された土地で、たくさんの濃い人物たちの自分本位に基づく共同生活。こんな窮屈で思いやりに欠ける生活、誰でもストレスでまいってしまうと思う。 人間的に末期で怖い物語だけど、なぜか魅了されて続きが気になってしまっています。では下巻へ。

  • ヨークシャーの荒地の屋敷“嵐が丘”の主人に拾われたジプシーの子ヒースクリフは、その娘キャサリンへの激しい愛を胸に、養父の死後若主人となったヒンドリーの虐待に耐えていた。しかし、キャサリンが旧家であるリントン家の長男エドガーと結婚することを知ったヒースクリフは、絶望のあまり家出する……。みごとな自然描写の中に、激しい愛憎のドラマを鋭い感覚で捉えた名作。

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