嵐が丘 (新潮文庫)

著者 : E・ブロンテ
制作 : 田中 西二郎 
  • 新潮社 (1988年2月発売)
3.58
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  • 35レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (593ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102097038

嵐が丘 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 2014.10.22(水)〜上巻 P.22
    「人間嫌い」
    人は己の性向と似た他者に親しみを覚える「引力」に導かれる。特に己よりその質がはっきりしている者に対して理解を示したい傾向がある。田舎と人間嫌いはセットで考え得る世の真理なのだろうか。希望を持って都会に向かい、其処で人間関係に傷付いた者が、人間不信に陥り田舎に引っ込んで、失念の元で狂ったように復讐を誓い、新たに暮らしを再開する構図は、自然な定め、生命的法則のように思われる。

  • NHK Jぶんがくで取り上げていたので手に取りました。
    Jぶんがくで、主要な登場人物と主要な場面の説明があったので、なんとか読み進めることができました。
    興味が沸かない題材だと感じた場合には、別の視点を掴むといいかもしれないことが分かりました。

  • 小学校3~4年生の頃だったと思うんですが、母親と本屋へ行き、児童文学の棚の前で、好きな本を選んでいいよと言われたので、タイトルが魅力的だったこの「嵐が丘」(もちろん子供むけの簡単にしてあるやつ)を読みたいと言ったら、「まだちょっと早い」と却下されたことがありました。禁止されると、より一層好奇心を募らせてしまうのが人間の常で、以来「嵐が丘」は、自分の中では「大人になったら読ませてもらえる特別な魅惑の書物」と化しました(笑)。高学年か中学生かで、児童むけのやつを読んでもいいと許可が下りて買ってもらいましたが、そのときの高揚感ときたら!大人になって、ちゃんと子供むけじゃないやつを読み直しましたが、そういう少女時代の胸のトキメキ込みで、今も自分の中では「大河恋愛小説といえばこれ!」という揺るがない特別感があります。確かに、小学生にはちょっと早いかもねと今ならわかる(笑)。

  • 見ていて楽しいものでないのに、無くてはならない。自分が、ヒースクリフだと。キャサリンにそこまで言わせたものは何だったんだろう。読めば読むほど、満たされるどころか、どんどん無駄なく渇いていく。そこが、いい。

  • 昔読んだ田中西二郎訳。鴻巣友季子訳でも読んでみたい。
    そういえば英語好きになろうとしてこれの原文CDを買ったこともあった…(原題は”Wuthering Heights”)

  • ずっと本棚に置きっぱなしになっていた小説。古いイギリスの小説らしく、主従関係や異民族を見下すのが当然という風習をベースに登場人物間の愛憎が繰り広げられていて、時折その表現の露骨さや登場人物の吐くセリフに生理的嫌悪感を催すこともありますが、読み応えのある小説です。

    200年ぐらい前の小説を読むと、多くの場合は単に時系列で話が進んでいって、登場人物も時間軸に応じてどんどん入れ替わることがあるのですが、この作品はかなり人間関係が複雑。そのうえ、一応はこの小説の主な登場人物の一人であるはずのロックウッド氏の生きている時の数十年前の時代が小説の軸であり、その軸の部分を語るのがロックウッド氏の仮住まいに仕える女中、ネリーであるという入れ子構造が、この小説の階層を厚みのあるものにしています。

    ネリーは、ストーリーの多くに関わってはいたものの、嵐が丘に住んでいるヒースクリフやヘアトン・アーンショーやキャサリン・リントン、かつてそこに住んでいたヒンドリー・アーンショーやリントン・ヒースクリフ、さらにロックウッド氏が借りているスラシュクロス邸にかつて住んでいたエドガー・リントンやキャサリン・リントン(母)、イザベラ・リントンに比べると、少しだけ人間関係の枠の外にいる立場です。その立場から、第三者の視点で物語を語っているため、「自分で見たこと以外は分からない」という話し方になります。今の小説では普通の手法だと思いますが、昔の小説でこのパターンを取るものはあまり多くない気がします。その分、語り手であるネリーの推測なども恐らく混じっているはずで、そこに人間臭さというか、不完全な語り手の妙が感じられます。

    上巻は、アーンショー家にジプシーの子であるヒースクリフが拾われ、ヒースクリフとキャサリンの友情が育まれる一方でヒースクリフとヒンドリー・アーンショー、エドガー・リントン、イザベラ・リントンと諍いが生じていった少年期がまず展開されます。そして、長じたヒースクリフとキャサリン・アーンショウがお互いを愛し、必要としながらも、身分の違いからキャサリンがエドガー・リントンを夫とし、それに絶望したヒースクリフが失踪した時期、さらに数年後にどこかで富を蓄えたヒースクリフが嵐が丘に戻り、ヒンドリーやその息子であるヘアトン、キャサリンを奪ったエドガー、そして自分を裏切った愛憎入り混じるキャサリンへの復讐を始める時代へと展開していきます。上巻の最後にキャサリンは発狂して死に、お腹の中にいた赤子は助かって母親と同じキャサリンという名を与えられたことまでが述べられています。

    下巻でヒースクリフの復讐と愛情、憎しみがさらにどのように進んでいくのか。ワクワクする楽しみではなく、暗い楽しみではありますが、下巻のストーリーにも期待しています。

  • ヨークシャーを旅する前にと読み始めましたが、旅行後に読了。最新の翻訳は評判がイマイチなので、敢えてこちらの版を選択。女流作家の描いた恋愛小説と思いきや、とっても激しい展開で引き込まれました。さわりの部分で出てくる子供の亡霊がキャサリン・アーンショウでなくキャサリン・リントンを名乗ったのが不思議だけれど、20年間も彷徨っていたんだから、お母さんの方だと納得しました。ヒースクリフではなくリントンと結婚したことを、ムーアで迷ったけど家に帰ったから中に入れて、だんなんて言っちゃうのが凄い。女は亡霊も怖い。

  • 内容は覚えていないけど、懐かしい。一生懸命だったなあ。

  • 昔と印象が違うのは、多分、後半を忘れてしまっていたからだろう。あぁ、こんな話だったんだ。昔よりもっと好きになった。

  •  同じ新潮文庫から新訳もでているが,昔読んだ古い訳でもう一度読みたかったのでアマゾンのマーケットプレイスで購入。
     かつて一度だけ読んだのは中学校2年生の時で,内容について憶えていることといったら,ヒースの花咲くイングランドの田舎の一軒家が舞台でヒースクリフという悪魔のような男が出てきたってことだけ。ただひたすらヒースクリフが恐ろしく,やたらと人が死に,暗く鬱々とした空気が物語を包み,しかし相対するようにイングランドの自然描写が魅力的だったということが印象に残っていて,その両方をもう一度味わいたいと長年思っていたが,この本に手を伸ばすには何だか覚悟が必要だった。気楽に読むわけにはいかないという感じで。ヒースクリフの毒気に耐えなければならないという気持ちで。
     『嵐が丘』は究極の恋愛だなんて言われるが,私には悪魔の生まれ変わりたるキャサリン母とヒースクリフが周囲を不幸にする話にしか見えなかったりする。ヒースクリフの死に方は勿論異常だけれど,キャサリン母だって相当なものだ。「あたしはヒースクリフです!」とか,情熱的を通り越して気が狂っているし。二人の幽霊はきっといるに違いない。酷い育ち方をしたはずのヘアトンが好青年であることが,私にはただ一つの救いのように思われた。
     とりあえず一度読み返して満足はしたものの,もう一度くらい別の訳で読んでみたい気がする。

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