大地(一) (新潮文庫)

制作 : 新居 格 
  • 新潮社
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本棚登録 : 830
レビュー : 96
  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102099018

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀末から20世紀初頭の中国を、小作人から身を立てた王龍から、王一族三代を通して描いた作品。
    中国史であり、人間、夫婦、親子、家族の物語。
    初めて読んだのは、中学生の時。その後、何度も読み返し、そのたびに新たな発見や感慨があり、愛読書となった。

  • 人間のエゴ、冷たさ、優しさ、暖かさ全てを詰め込んだ話し。

    一巻で王龍の時代が終わる。
    次巻からは子供たちの時代になるのだが、四巻まであるので、
    展開が読めない。

    楽しみだ。

  •  主人公の名前、王龍という名。龍を名のっているだけで、著者の中で大好きな素朴な正直者が生まれているように思う。
     結婚シーンから話ははじまり、中国の農村の生活が殊細かに描かれていて、ノンフィクション?なんて思ってしまうほどです。旱魃で南下した時に王龍が驚く言葉の発声の違いなども、これだけでも読んでいてためになりました。
     近代の農村の古い風習や習慣が残っていて、男尊女卑。働き者で無口な奴隷だった妻は、何でもこなす知恵者で存在感が大きい。対して茶館にいた妾は浪費ばかりする浅はかな女。叔母さんも欲深くずるい女といったように、美しければちやほやされ、商品となったこの時代の女性としての生き方も、著者はおろかな女として描いているように思う。 
     命の次に大事な土地。土地そのものが財産で労働の原動力となっている。続く子供達の将来は次の巻へ譲る

    • fujinokoichiさん
      レビューとても参考になりました
      早速買ってみようと思います
      レビューとても参考になりました
      早速買ってみようと思います
      2013/03/12
  • この本は読み終わって5年以上たった今でも私にとってNo.1です。これからも「大地」を超える作品に巡り合えるかどうか…。
    20世紀初頭の中国での親子3代にわたる物語で、小説といえども強烈なリアリティーで読者の心を鷲掴みにします。
    旧体制のなかで古い因習に縛られながらものし上がる祖父、社会の変化に機をとらえて新体制の中で力をつけ親を超えてゆこうとする父、そしてアメリカに留学し近代的な社会への道を志す子。まさに、中国人の魂の進化の物語、そんな感じで感動のうちに読み終えました。
    「大地」より感動する作品を求めていきますが、今のところ「うーん」という感じです。

  • 外国人が書いた中国、という意味でとてもとても読む前から興味深く感じていた一冊。結論からいうと、前半と後半で個人的な評価は大きく変動するが、それはいわゆる「中国人」の目線だからかもしれない。どう変動したのかは別のレビューに譲るとして、ここはまず前半部分を褒め称えたい。

    とにかく、非常に中国の百姓感覚をつかんでいるのだ。
    言い回しこそ違えど、中国人が言うようなセリフと描写をしている。だけど言い回しはどこか西洋風。この独特なミックスがなんともたまらないし、咀嚼して理解している様に感服する。
    いわゆる貧民の家の構造がどうなっているのか、どんな暮らし道具を使っているのか、その一つ一つの描写が克明で感嘆の息が出る。

    そして土地への愛着、家族によって決められた男女の婚姻と、その恋愛のなさによって生じる独特の夫婦の感情と距離。更には農民に特有の迷信にすがる心持ちと生きるにおいてのしたたかさのバランス。
    旱魃にくれる北の地方と、川があり灌漑ができる南の地方との落差の描写。

    こうしたものは、幼児期からの物語の言い伝えと、周りの親戚の暗い仕方をみて体感するもので、第三者の観察で理解できないものとどこか盲目的に思っていたが、その土地でともに住み本気で理解しようものには描けるのだなと素直に尊敬する。

  • 貧しい、本当に貧しい中国の農民から、命をかけて努力して、生活を良くしていくおはなし。
    自分が今どれだけ恵まれているかをひしひしと感じることができるありがたい本です。

    家がある。食べ物がある。衣服がある。お金がある。その他周りのいろんなことに感謝できました。

    有難うございます。

    2巻への続き方がサスペンス調ですがね。

  • 私の大学時代に読みました。
    私の中で「THE大河小説」として、そのスケールの大きさ、人間賛歌に溢れた内容に激しく感動した記憶があります。
    学生時代の多感な時期に是非一読してほしい一冊です。

  • 亡き父が一番好きだった小説
    尊敬する父の感性を感じたくて読んだ
    大地を耕し豊かな暮らしを得る壮大な話
    素晴らしい小説を読めたことに感謝、父との絆を感じる大切な本

  • 全4巻。中国の革命期に生きる親子三代にわたる物語。雄大な中国の歴史の流れを感じさせる作品である。いつの時代にも人は生まれ家族を持ちそしてその土地に生き朽ちていくという土着的な世界観を表現している。異なる文化の狭間で苦悩する三代目王淵の心理描写がひだに分けいるようで圧巻なのはひとえに筆者の異色の出自によるものであろう。読み応えのある古典である。

  • 極貧!人身売買、奴隷当たり前、すごい時代だ。主人公に感情移入出来そうで出来ないのはそこなんだろう。それでも普遍的な人間ドラマに仕上がっている。事前に棺を買って安心するとか文化的な面でも興味深い。

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著者プロフィール

中国の人々を同胞とし、その文化を紹介、中華人民共和国がいずれ世界の大国となると予見した先駆けの人。生後三か月で宣教師だった両親と中国に渡り42歳まで過ごす。コーネル大学より英語学で修士号を取得。1917年に農業経済学者と結婚、南京の北西の寒村に暮らした経験をもとに1931年に『大地』を著す。1932年にピューリッツア賞、1938年にノーベル文学賞を受賞。1934年、日中戦争の暗雲が垂れ込めると米国に永住帰国。以後、執筆活動に専念し、平和への発言、人種的差別待遇撤廃、社会的な貧困撲滅のための論陣を張った。1941年にアメリカ人、アジア人の相互理解を目的とする東西協会、1949年に国際的養子縁組斡旋機関ウェルカム・ハウス、1964年に養子を生国に留めて保護育成することを目的とするパール・バック財団を設立。1973年、米国バーモント州で80歳の生涯を閉じる。

「2019年 『終わりなき探求』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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