老人と海 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102100042

感想・レビュー・書評

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  • あらすじにも出ているのですが、不漁だった老人が、大きな魚を数日かけて釣り上げます。

    こんなのが釣れた日には大金持ちになるとか、色々な夢がわきあがるのですが、釣った魚をどんどんサメが食べてしまうという話です。

    薄い本なのですが、描写が細かいです。

  • アメリカ

  • 人間は負けるようには造られていない。
    殺されることはあっても、負けることは無い。


    『老人と海』には喪い続ける人生というものに対して抗う者への賛歌が描かれている。思考を行動がねじ伏せ続けていく、非常にタフな人間像が描かれている。

    自分は四日間、ほぼ不眠不休で生き抜くことが出来るのか。
    自分を振り返るとどうだろう。ここまで自分がほしいものはあっただろうか、ここまで自分は真摯に向き合っているだろうか、もはや自分は、沖にさえ出ていないのではないか。

  • ただの文字から、言葉から、文章から、人間と自然の「生」と「魂」の力強さに圧倒される。老人と鱘の闘いは食う喰われるの関係ではなく、両者生きる者として闘う関係。そこには、自然と距離を開けてしまった現代に生きる人類には感じることが困難な、自然と対等であるからこそ可能なリアル、弱肉強食の自然界がある。本から体験可能でいいのだろうかこれ…。そしてそもそもこれらを原文から零さず邦訳した翻訳者の力量にも感服。

  • 激しい漁の末に尊厳を獲得しても、それらはいつか「老い」というサメに食尽くされてしまう。だからこそ作中で老人は、若さを持ったカジキを追い求め、尊厳を持ったライオンを幾度となく夢に見、まだ若く夢に満ち溢れる少年を愛したのではないだろうか。老人と海からは、ヘミングウェイの老いへの諦観と恐怖が垣間見える気がしてならない。数日前まで海に君臨していたカジキが、物語のラストでは観光客に一瞥されるだけの、港内の海の藻屑のひとつとして描かれているところが、それを象徴しているように思える。

  • 何よりも福田恆存の著作あとがきが死ぬほど面白かった。本当に本編よりもこっちを楽しんでしまったことに罪悪感を覚えるけどとにかく面白かった。

  • 圧巻。流石の名作。
    年老いた漁師の命を懸けた戦いが精緻に描写された骨太な作品。
    翻訳も素晴らしい。
    が、あとがきは酷いと思ってしまった。

  • アーネスト・ヘミングウェイ。
    1954年、ノーベル文学賞。
    1961年、ショットガンで自殺。
    サンチャゴ=キリストという解釈も。
    人間は殺されるかもしれないが、負けるように造られてはいない。
    サンチャゴはこの漁もそう。
    カジキを失っても得たものも多い。
    老人ってのがまた若者に勇気を与えてくれる。
    カジキを食う価値のある人間なんているものか。
    いないからこそ、食うことの意味を考えることが大切。
    じっくり読めばもっと面白いかも。

  • 話の筋は読み始めたらすぐにわかる。
    実に単純な小説だ。

    それなのに、どうなるのかわかっていたのに、どうしても耐えられず泣いてしまった。

    すべての道具を失い、傷だらけになった老人。その敵であり、友人であった大魚の変わり果てた姿。少年の涙と漁師たちの感心。

    「鼻の先から尻尾まで一八フィートある」

    老人にとっては、そんな名誉欲は若い頃の腕相撲で捨ててきたものだ。それでも、老人の名誉のために私は泣かずにはいられなかった。

  • 内容自体は本当に3文で説明できてしまうほど簡潔で、そんな内容を老人の心境や状況の表現のために文字を費やして本になっているという感じである。
    正直段々戦況が変わらないことに退屈さえ覚えてくるし、漠然とした諦めなどすら感じるのだが、ふと、この読んでいる時に感じることや心境が、まさに老人が舟の上で感じるものと一致しているのではないかと思った。つまり追認しているような感覚なのだ。そういう意味でこの文学は凄いのだろう。
    ただ常に一致するわけでもなく、老人に引っ張られていく面もある。老人が考えることに考えが追従していって、自分がいつの間にか老人の人生を、知らないはずの人生を追って教訓を見出し、考えている。すごく不思議な感覚だ。等身大の人間がここにはあって、その人間に自分がなってしまう…

    文学としての面白さはここにあるけれど、本の内容として興奮したり、わくわくしたり、というものはここにはない。中々ない体験をさせて貰った本だった。

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