蝶々と戦車・何を見ても何かを思いだす: ヘミングウェイ全短編〈3〉 (新潮文庫)
- 新潮社 (1997年3月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (702ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102100127
作品紹介・あらすじ
炸裂する砲弾、絶望的な突撃。凄惨極まる戦場で、作家の視線が何かを捉えた-1937年、ヘミングウェイはスペイン内戦を取材、死を垣間見たこの体験が、以降の作品群に新たな光芒を与えることになる。「蝶々と戦車」を始めとするスペイン内戦ものに加え、自らの内面を凝視するラヴ・ストーリー「異郷」など、生前未発表の7編を含む全22編。遺族らの手による初の決定版短編全集、完結編。
感想・レビュー・書評
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このままずっと読み続けられそう。ヘミングウェイの短編にはそんな魅力がある。少年時代、スペイン内戦、アフリカ、パリ、キューバ、アメリカ・・・あらゆるテーマが変奏されて小説の中に顔を出す。
が、もうこの辺でいいや、と途中で読むのをやめてしまった。
すごい。たしかにすごい。感心する。でも、個人的に、そのすごさはどこか、他人事。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
徹底的にそぎ落とされた美しい男の世界。ヘミングウェイはマッチョではない。その弱々しさ、女々しさが男らしいのだ。海、戦争、少年とヘミングウェイのよい要素が満載の短編集だ。
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3.2
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『ヘミングウェイ全短編』の最後の作品集です。自ら従軍記者として取材し、身近に体験したスペイン内戦と第二次世界大戦を描いたものが多く、今まで以上に「死」、それも「突然の死」をダイレクトに伝えます。
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「キリマンジャロの雪」を読むために購入。
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ヘミングウェイの短編集.完結編はキューバ時代.
編者も書いているように,第二巻よりは低調な感じ.ちょっとマンネリ感があるな.「最後の良き故郷」とかも悪くはないが,既視感がある.そのなかではスペイン内戦などに題材をとった「蝶々と戦車」「戦いの前夜」「誰も死にはしない」なんかがいいかな.
生前未発表の短編も入っているが,こちらは発表しなくてよかったのもある気がする.最後の「異郷」は老いのつらさが滲み出ている.若い美人と旅行するのも楽じゃない. -
憤懣とはけ口とで駄目なら隠遁か死か、そこには挫けない男はいない気もする。年齢を重ねるほど視界は開けては来ず、靄が掛かったように目を凝らせば凝らすほど何か分からなくなる。