怒りの葡萄 (下巻) (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102101056

感想・レビュー・書評

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  • おっ母さんの存在感というか生きざまがすごい。生きている人間は生きていくもんなんだ。

  • 古本

  • 上巻で 豊かさの象徴であった葡萄が、下巻では 搾取された労働者の怒りの象徴に変化。下巻は 新しい土地においても 資本家の搾取と貧困に苦悩する姿が描かれている

    下巻ではシャロンのバラ が神聖の象徴に感じた。シャロンのバラが 聖書の世界で何を意味するのか によって 結論の解釈は 大きく変わると思う。結末の意味は 出口のない貧困と狂気か 信仰による愛か

    資本主義への怒りが込められた葡萄と 貧困と苦痛に耐えてきた シャロンのバラの乳房は 同じなのではないか

  • ここ最近読んだなかでは断トツの傑作であった。
    土地を追われた人々はいくつもの苦難に遭いながらも、ただ生きることばかりを目的にして生活を繋いでゆく。
    なぜここまで苦しまねばならないのかと思い悩んで自害を選ぶこともなく、奇数章において語られる当時の悲惨で無情な社会的・自然的な不幸を受け容れる。
    そうした民衆の姿が、緻密で動的な筆によって、しかしあくまでも主観に陥らずに語られるために、そこには人間の生々しい醜さまでもが(ときには子供でさえも!)描かれるのである。
    文庫本で上下900頁ほどに及ぶが、それだけの長さにもじゅうぶん必然性が感じられる作品であった。

  • グイグイと引き込まれる話ではないが、ズッシリのしかかってくる長編だった。暗くて埃っぽくて湿っぽい雰囲気に満ちた悲壮な家族の物語が主軸。そのストーリーの合間には社会と時代の情勢が綴られていて、これが突き刺さる。超越的な視線で淡々と(しかし一人称で)叙述されていて、不条理感が浮き出してくる。
    かつて、作者は忘れたが「ローマの慈悲」という絵画を観て、結構衝撃を受けた記憶がある。本作のラストシーンで、そのビジュアルが蘇ったのに驚き。

  • カリフォルニアは各地から集まって来た農民に充ちていた。不当に安い賃金、百万エーカーを所有する一人の地主のために十万の農民が飢える。かくてこの広大な沃野に実を結んだのは、ほかならぬ”怒りの葡萄”であった―数度の実地調査に基づく詳細なルポルタージュ的作品の内に、強烈な社会意識と深い人間愛が脈うち、息づまるような緊迫感のみなぎるピューリッツァー賞受賞作。<裏表紙>

  • 再読、母は強し。

  • オカンはすごい

  • 下巻に続きジョード家の受難が淡々と描かれる。

    とはいえ、
    虐げられた農奴が最後に反乱をおこして
    資本家を打ち倒すというような
    カタルシスがあるわけではない。
    かといって政治的なメッセージがあるわけでもない。

    最後の最後まで彼らは苦しむのだが、
    ところどころでママ・ジョードが口に出す
    「家族のきずな」的なものに何かしらぐっとさせられる。

  • P214~220の第25章はこの時代の矛盾と悲哀を端的に物語っている。
    P220~の第26章は、何もない状態になってもなお価値あるものは、自分の精神状態をコントロールし、さらに周囲の人間にこまめに目を配り、集団を正しい方向に導ける力であると改めて感じさせる。

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