秘密の花園 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102105030

感想・レビュー・書評

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  • 両親を熱病でなくし、伯父にひきとられた少女メアリー。
    孤独な少女の心は、イギリスの自然環境の中でほぐれていき、
    少女らしい笑顔をとりもどしていく。

    少女の変化は、同じように孤独で絶望を背負った少年コリンの心をも変えて生きます。

    「僕は生きるんだ!」
    コリンが生きる喜びをはじめて実感する瞬間は、
    大人が読んでも感動します。

  • 子どものころ読んだことがありました。原作の訳本でけっこう長編。うろ覚えだったお話が読みながらよみがえる!
    登場人物たち、メアリー、マーサ、ディコン、コリン・・・ なつかしい。
    内容も改めて読むと素晴らしいです。花園を、メアリーやコリンを、自然の力が生まれ変わるかのように息づかせていく。その過程に胸が躍ります。お日様や風や新鮮な空気が、植物の芽を土から出し、子どもたちを健康に強く変えていく。
    この本で言う「魔法」とは自然の生命力のことかな。魔法は花にも鳥にも動物にもそして自分の中にもある。そう気づいたコリンは生きる力を取り戻していきます。最初に気づいたのはメアリー、そしてコリンも。
    ふたりとも初めは偏屈でわがままで不健康な子どもだったのがどんどん変わっていく。面白いのがみんなが遠慮してわがまま放題になっていたコリン坊ちゃまにメアリーはずけずけ言えること。同じような経験をしているからわかるのよね、きっと。子どもには子どもが必要。健やかに育つには環境と愛情が必要。ひとりぼっちでネガティブなことばかり聞いて育つとコリンのようになってしまうのね。メアリーやディコンに会えて本当に良かったね。
    生き生きとした自然の描写がすてきで、読後感が清々しい作品です!

  • 場面ごとの描写は大変素晴らしく唸らされるが
    全体の構成はいささか奇妙と言わざるを得ないこまった作品
    世界名作劇場のアニメ版はよくこれを39話に仕立て直したもので
    構成としてはそちらのほうが優れているのかもしれないが
    けれどこの作品の主題や描写を他に作り出せることがどれだけできるかと思えば
    歴史に残る名作には違いない

  • バーネット

  • 最高や…!!!
    庭園が、びっくりするほど目に浮かんでくる。
    ディコンさんと友だちになりたい。ディコンさんハイスペックすぎる。本当に理想の友だちだと思う。
    生い立ちや成り行きは、子どもたちにとって優しいものではなかったけど、自然や動物や、それらの化身であるディコンさんは余りに優しく、温かかった。出会えてよかったね!!
    そして庭園の描写ですよ。書かれていない細部まで想像できるほど美しい描写で、土や草の匂いが恋しくなります。
    ヨークシャー行ってみたくなる…

  • 2008/01/29

  • "小公子"や"小公女"でお馴染みのアメリカ人作家バーネットの長編小説。映画や舞台などで度々取り上げられる作品ですが、個人的には1991年にNHKで放送されていた"アニメひみつの花園"の印象が強いです。あとは子供向けに翻訳された小説は読んだことがあったかな。しかし、本当の名作というのは、大人になって読み返しても断然面白い。お話の中心となるメアリー、コリン、ディコン達が触れ合う自然の描かれ方も活き活きとしていて素晴らしい。こんなに美しい場所にいられたら、誰でも精神から健康になれますね。

  • <一度も会ったことのない相手を、確かに知っていた……>


     たっぷりした緑に囲まれ、花々が咲き乱れるこの美しいおとぎ話に、子どものころから魅せられてきました☆ 物語に癒される、という感覚を知ったのは、『秘密の花園』が初めてだったかもしれません。

     同作者の『小公女』のセアラと同じく、幼少期をインドで過ごしたのち越してきた子が主人公です。しかし対照的な人物設定。清く気高く賢いプリンセス・セアラと違って、不器量なつむじ曲がりのメアリーは人に愛されることのない子でした★
     存在さえ忘れ去られ、がらんとした屋敷で一人目覚めた彼女のことを、私は一度死んでしまったのではないかと思うことがあります。縁起でもないですか? でも、彼女の人生に、そこで断層が生じているから……

     両親を失ったメアリーは、新しい環境に移ると別人に変身! 勘が冴えわたり、人の名前を聞いただけで性格をあてるという力を発揮します。(それ以外にも、この作品は超自然現象が起きるのだ★)
     手始めに、メアリーを引き取ってくれたクレイヴン叔父。気難しい人だと聞かされても、メアリーはその名前の響きから気の毒な紳士を想像します。それは大当たりで、クレイヴン氏は少しも怖そうではない悲しげな男でした。
     続いて、善き友ディコン君。この名前を聞かされた時も、メアリーは会ったこともない彼に好感を持ちます。初顔合わせの時も、彼がディコンであることにちっとも驚かない! 会ったことのない彼を、彼女は確かに知っていたのでした。
     この、名前からイメージを喚起されるというファンタジー性に、関心をひかれるんだよなぁ☆

     すでに文字数を使いこんでしまったけど……、いよいよ秘密の庭づくりが始まると、土いじりに没頭する子どもたちには、みるみる力が蘇ります。メアリー以上に変化が著しかったのがコリン少年でしたね。これまでの自分以上の自分に生まれ変わる! 人は変われる☆ そう思えるのもこの作品の好きなところです。

  • 個人的には児童文学の最高峰だと思っています。
    子供の頃に読んでから常に心の中にあった名作。
    秘密の花園を一度でも読んだ人とは長い間語り合える気がする。

    親からはネグレクトされ、召使たちにも疎んじられ甘やかされながら育った、偏屈な少女と病弱な少年。
    ひん曲がってしまった二人が、優しい心を持った少年や豊かな自然との触れ合い、荒廃した花園の再生を通じて年頃の子供らしい心と体を取り戻して成長していくお話。
    美しく幻想的な自然描写は勿論の事、子供達が徐々に心を開き成長していく姿に奇跡的な感動を覚えます。

  • ゆっくりちょこちょこ読んでいて、おととい読了。いわずと知れた「秘密の花園」。
    たぶんもっと小さいころに読んだことはあるのだけど、省略版か何かだったのか、メアリーがこんなに性格悪い子だったとは思っていなかった。これも人気の秘密なのかなと思う。ディコンの「いい子」ぶりが気にならなくはないのだけど、それはご愛嬌かしら。
    ヨークシャー弁の翻訳に、訳者の好みが出るなぁと思う。

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