アンの娘リラ (新潮文庫 モ 4-10 赤毛のアン 第10)

  • 新潮社
3.97
  • (35)
  • (15)
  • (38)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 202
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102113103

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 悲惨な世の中のお話のはずなのに、時々起こる事件に心温まるものがあった。
    グレン村のみんなの強さに、私も励まされる。
    「スーザン求婚される」の章では大笑いしてしまった。この巻で、またさらにスーザンのことが好きになった。ほんと大好きだ♡

  • 戦争に翻弄されたアン一家。
    我儘で自分のことしか見えなかたリラが、多くの苦しみをくぐり抜け、精神的にも成長していく。
    軽薄ですらあったリラの変わりようは目覚ましく、そこからも戦争の苦しさを感じる。
    変わらずにはいられないのだ。
    第一次世界大戦のことはあまり詳しくは知らないが、その戦況に対して一喜一憂する様は、リアルに感じられた。
    そして、戦争に行く若者たちの気持ちも感じられた。
    戦争は悲惨で、起こしてはならない。
    それでも、自分の大切な人たちや故郷を守るために、命をかけなくてはならない時もあるのだ。
    初期は、なんだか軽率に義勇兵に志願しているようにも見えて、熱に浮かされる恐ろしさのようなものも感じた。
    最後付近は泣かずにはおれなかった。



    2004.6.9
    戦争に大切な人を送り出したアンやリラの気持ちが伝わってきた。犬のマンディも忠実で、愛情深い。ジェムが帰ってきてよかった。戦争はやはり嫌だ。待つ人間も殺しあう人間もつらいし痛い。世界中の人が戦争を嫌えばいいのにと思う。戦争好きも世の中にはいるみたいだ。浅ましいことだ。しかし、リラはこの戦争によって素晴らしい女性に育った。何の苦労も知らない娘が、精神的にも成長した。失ったものは大きく、取り返しがつかない。たとえ何が得られるとしても、私は今ある全てを捨てて戦えるだろうか?恐ろしいことだと思う。

  • アンの物語もこれでお終い。

  • 戦争の中でのアン一家

  • 戦争に進んで行く中、家族が戦場へ自ら向かう事で、女性陣や年配者が日々怯えながら日常を生きていかなければならず、いつ終わるかわからない苦痛がほぼ一冊分記されています。正直戦争が始まって、みんなが戦地に行くとなったとき、ほぼ死んでしまうだろうと考えていたので、登場人物たちの死亡者が最小限で驚き、でも覚悟して読んでいたので少しほっとしました。しかしそれ以外は多くの犠牲を払っているので複雑ですし、リラにとっては最大級の打撃だったことでしょう。マンデイのシーンが痛々しく、先生もリラもアンもスーザンもそれぞれ強いと思いますが、4年はいつまでも終わらない日々だったろうと感じました。改めて戦争になると、行く人だけでなく行かない人たちもすべてが辛く苦しく、何一ついいことのない無駄なことであり、たとえそれによって何か未来につながるものが開発されたとしても、今辛い思いをするくらいならちょっとくらい進歩が遅れたとしても絶対に戦が起きない未来を選択したいです。最後は涙腺に来るので外では読めないです。

  • アンや子供たちが第一次世界大戦の中、どう生きたか。カナダは戦争に行くのが強制ではなくて、息子三人が戦争に行かなかった家庭も言及されている。みんな悩んだんだろうな。

  • アン達の生活が戦争によって大きく変わってしまいました。ウォルターがせつなくて、マンディやブルースといった純粋な心からくる愛情の数々に暗い背景の作品なのに、心が温まりました。

  • 原題を直訳すれば「炉辺荘のリラ」。「赤毛のアン」の末娘リラの物語だけれど、彼女の青春が母親の青春と違うのは、リラの日常を戦争が覆い尽くしたということです。1914年6月、ヨーロッパの片隅で起きた暗殺事件を契機に戦火は瞬く間に欧州を席巻し、その波はカナダの片田舎にまで押し寄せます。男たちが次々に戦場へと向かう中、ごく普通の、少し見栄っ張りで頑固な少女にすぎなかったリラが、さまざまな人々との出会いや別れを経験しながら、1人の女性として成長していく姿を描く銃後の物語。

  • アンの末娘を軸にした子供逹の青春話
    ラストは良いが時代が切ない
    赤毛のアン最終巻(T-T)

  • 古い翻訳だけれども、自分は村岡花子訳でなければ「アンの娘リラ」を読めない。
    これほど翻訳者を意識して外国文学読むことはまずないだろう。村岡訳は「リラの時代」を訳しとっているのだと思う。

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1874年カナダ、プリンス・エドワード島生まれ。1908年に最初の長篇小説『赤毛のアン』を出版。世界的ベストセラーとなる。オンタリオ州に移り住み、その地で数々の作品を執筆した。42年トロントにて逝去。

「2012年 『パットの夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

モンゴメリの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×