丘の家のジェーン (新潮文庫 モ 4-11)

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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102113110

感想・レビュー・書評

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  • 「アン」はだい、大好きである。
    特に一冊目の「赤毛のアン」は繰り返し読んで、いつも新鮮な感動を幾つになってもうけるのである。

    ところが、同じ作家の「ジェーン」を知ってしまった。
    全く違うキャラクター。
    アンが天性の明るさの牧歌的なら、ジェーンは沈着冷静な性格むしろ暗め。

    想像力あふれている女の子というところはモンゴメリだが、おおげさだったアンにくらべてひっそりと想像をふくらましているたちのジェーン。

    孤児だったアン、母に引き取られているが、別居している父がいるジェーン。
    同じ11歳の女の子の運命は天と地ほども違っている。

    読むべく時期に来て読んだというのか、私はジェーンのキャラクターに惹かれてしまった。
    登場人物群が牧歌的というのは変わらない。

    11歳の女の子といえども住む家を選び、家のしつらえを考えコーディネイトし、家事をきりもりし、料理もする。それをプリンスエドワード島の自然の中でする喜びを味わう。加えてジェーンの心の成長記。

    もうどうしても共感してしまいますね。

    はじめはカナダのトロントが舞台であるが、やっぱりプリンスエドワード島を牧歌的に歌い上げるのはさすがモンゴメリ女史。

    最後の盛り上がりがちょっとあっさりしすぎているかなと思うが、子供の時に読んだのならこれでいいのだろう。

  • 最後まで祖母をぎゃふんとまでは言わせられなかったのは少し悔しいですが、思い通りにならなくて、顔をしろくろさせているのは小気味よかったです。これからは三人で邪魔されず過ごしてほしいところですが、どちらの家にもまだ入り込む隙があるのでまだまだ波乱はありそうですね。

  • アンに比べると現実的、エミリーと比べると裕福だけれども、祖母の元で萎縮していたジェーンが、プリンス・エドワード島の自然と、闊達で頭のいい父親との生活で(おそらく本来の)精神と身体の魅力を開花させて行く一種のサクセス・ストーリー。
    微妙にジェーンの母で、祖母の溺愛する娘であるところの美しいロビンが、ジェーンと比較してあまりにも短絡かつ無責任なのは、甘やかされたお金持ちのお嬢さんという設定上のことなのか、意図されたことなのか。自分を愛しているお母さまを二度と裏切ることはできないときっぱり言っておいてきっちり裏切っているのがなんとなく消化不良……。

  • 三月の青と銀色のある日の暮れ方
    こんな言葉がちりばめられていて、舞台のプリンスエドワード島へのあこがれがつのる。
    単純な家庭の物語なのにひきこまれ、すいこまれ、つい開いて読みたくなる。
    子どもの頃も好きな本だったが、大人になって読み返して、違うものを読んだかのように響きに違いを感じた。
    最近はの人は読んでもこの響きを感じないのかもしれない。
    人気はなさそうで、書店でも見かけることは減ってきたが本屋大賞やベストセラーよりも面白いとおもう。
    いいものを読んだと思える本のひとつだった。
    物事がシンプルであっても退屈でない、重なりあう美しい日々のくらしがたくさん出てきて憧れてしまう。村岡花子の翻訳が絶品である。

  • 赤毛のアンが大好きなのにこの本は読んだことがなかった。
    抑圧され続けてきたジェーンがプリンスエドワードの素晴らしい自然や温かい人々の中で解放され、ぐんぐん成長していく様子は読んでてスカッとします。おばあさんもアイリーンおばさんもきついけど、両親もなかなかきつい毒親だと思えて仕方ない。ジェーンがそこにもちゃんと気づけているのは救いかな。アンも好きですが、ジェーンも好きになりました。他のモンゴメリの作品も読んでみたいと思います。

  • 思わず応援したくなる!!

    あの赤毛のアンの作者が描く個性的な人々、そして完璧ではないけれどなぜだか惹かれずにはいられない主人公ジェーン!!
    つらい境遇にも負けない彼女を、思わず応援したくなります!

  • ビーバー、上等の、甘い毒薬。

  • 中学生の時に2度読んだ本書を再読。村岡花子さんの訳は素晴らしいのだが,随所に古臭い感じが否めないので,これを木村由利子さんがどう訳されているのか気になってきて,続けて読んでみようかと思う。

  • 赤毛のアンの著者モンゴメリーの中編物語。モンゴメリーらしい心温まる物語。

    ジェーンは自分の力で幸せを勝ち取るのです。これこそが生きていくで一番大切な事ではないでしょうか?

  • ヒロインの女の子はもつれた家庭環境の中にいて、父親が不在である。前半で家庭や父親の謎が提示され、ドロドロとした展開になるのかと思いきや、爽やかに明るく終わる。赤毛のアン同様、情景描写や人物の温かみが好感を持てる。

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著者プロフィール

1874年カナダ、プリンス・エドワード島生まれ。1908年に最初の長篇小説『赤毛のアン』を出版。世界的ベストセラーとなる。オンタリオ州に移り住み、その地で数々の作品を執筆した。42年トロントにて逝去。

「2012年 『パットの夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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