レ・ミゼラブル (5) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.09
  • (78)
  • (39)
  • (54)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 605
感想 : 44
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102117057

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • まずは読破できた喜び。がんばってよかった!

    遠回しな表現がフランス文学?なのか、でも、クライマックスが近づくにつれ、その感じが心地よく、感情が昂った。やっぱり娘には会いたいよね。

    ユゴーの事を知りたくなったし、歴史的背景を勉強してみようか、という気にもなってしまった。
    100年以上前の作品の思想は、今も大切にすべきであることに変わりなし。

  • 一貫して作者がこの物語を通して伝えたい思想というものが感じられて、とても深い感動を覚えた。物語に挿入されるフランスの様々な情勢についての話もとても詳細に書かれていて、本当にすごい本を読んだと思う。

  • 2014年読了
    最後まで壮大な物語でした。

  • ユゴー 「 レミゼラブル 5 ジャンバルジャン 」

    ジャンバルジャンの更生やコゼットの愛の物語だけでなく、人間の闇や フランスの混沌も描かれている。まさしく人間劇場。面白かった。

    フランスの歴史、隠語集など本編と繋がらない部分に かなりのページを割いていたが、著者の意図を知りたい

    本のテーマは 進歩。レミゼラブル=虐げられる人
    *悪→善、不正→正義、虚偽→真実、欲望→良心、虚無→神、物質→魂、怪物→天使 への進歩
    *レミゼラブル(虐げられた人たち)が進歩するために必要なのは 光(道徳心、教育)

  • 自分の魂まで清められるような物語。
    途中別の本を読むための中断を挟み、結構時間がかかり
    ようやく読み終わったが、ヒトコト「読んでよかった」
    正しく生きる人になるために、
    自分にとって大切な人のために生きるために
    自分の持てるすべてを出し切って。

    最初は「よくコレを映画にしたり舞台にしたりしたいと
    思ったもんだ」と思ったが、読み終わってみると
    映画化・舞台化したくなるし、できることなら
    どんな役でもいいから出演したい、と思うような
    登場人物の一人ひとりが活きている壮大なドラマ。

  • 解説に書かれている「大聖堂的」作品、とはまさに的を得た表し方だと思う。
    歴史に残る長編としての壮大さだけでなく、細部の現実味、よく研究せられた事実考察など、連綿と連なるファンを生む要因だろう。

    わたしがとくに驚くのは、パリ下水道について、トマス・マンが煙草を語るのの三倍ほどの文量をかけて、ユゴーが詳細明晰に語っているところである。
    隠語の研究もさるところながら、こちらの綿密さには地上から驚くばかりである。

    キャラクターの「典型性」に辟易とするのはやむを得まい。ユゴー本人が小説のなかで弁解、あるいは強く述べるように、この小説はひとつの歴史研究・検証なのであった。そうする以上は、抜き出された各人が大仰でいかにもお涙頂戴であることも、酌量すべきだ。

    英語の映画、あるいはミュージカルを観た人が日本語訳を読んだとき、少なからぬ落胆を感じたかもしれない。わたしもそう感じたのだが、それはストレス言語としての英語が生む抑揚の大胆さに支えられるところが大きかろう。仏語でどうなのか、わたしに図れぬところがいかんともできないのだが。

  • やっと最後までたどり着いた。バリケードからジャン・ヴァルジャンがマリユスをつれだすところ、テナルディエと会うところ、ジャヴェールと会うところ、微妙に映画と違う。重症だったマリユスがなんであんな簡単に回復して、あんな元気だったジャン・ヴァルジャンがなんであんなタイミングよく死ぬのかと疑問だったが原作で解決した。というか映画で最後フォンティーヌが出てくるのはやはりあれは司祭のほうが良かったのではないか。

    • e-kakasiさん
      完走、おめでとうございます。
      完走、おめでとうございます。
      2013/02/22
  • 最終巻は1832年暴動の強烈な描写で幕を開ける。マリウスを救出するジャンの命をかけた行動、見事としか言いようがない伏線回収を経て物語は静かに終わる。重厚な歴史文学、教養文学かつ壮大な娯楽小説の本書は読書の楽しみを与えてくれた。必読!

  • 悲惨な結末を迎えた革命、多くの仲間の死。しかし、愛するコゼットをなんとしても守り抜くためにも、マリユスだけは救い出さねばならない...再びバルジャンのスリリングな逃避行が読み応え十分でした。

    ジャベールの方はというと、悪人は変わることができないという考え(信念)が揺らぎ、自分が信じていた者が根底から崩れていくことに絶望します。これは、ジャン・バルジャンがミリエル司教に赦され、ひどく苦しんだ時と状況が似ています。バルジャンは苦しみ、再度悪事を働くなどしたあげくに乗り越えましたが、ジャベールは耐えきれず、死を選びます。人は変わることができるが、それには大変な苦しみを伴うというのが、この物語のメッセージの一つではないでしょうか。

    バルジャンの苦しみは続きます。何とかマリユスを助け出し、コゼットとの結婚にこぎ着けたものの、自分がかつて罪を犯したということを打ち明けられず、コゼットの近くにいることも、離れることもできず...

    そんな苦しく、終わりのない旅を続けたジャン・バルジャンが、ついに赦されたというラストは感動的でした。長い物語で読むのは大変でしたが、大満足です。

  • 全5巻を読み終えての感想。
    古典的作品なので、読者それぞれに解釈はあると思うが、この長編は過去に罪を負った人間の救いの話であったように思う。
    主人公ジャン・ヴァルジャンは、徒刑囚となってからも罪を重ねるが、聖人と出会い、改心する。それまでの罪を贖うように、彼自身も聖人のように多くの人に善行を施すが、度々襲いかかる試練には知られざる葛藤があり、人間としての弱さがさらけ出される。この葛藤は、ジャン・ヴァルジャンほどでは無いにせよ、多かれ少なかれ読者にもあるはずで、ここに共感のポイントがある。
    特に、生きがいとしていたコゼットの恋の相手に対する敵意は、聖人然として振る舞う普段の彼からはほど遠い人間的反応であり、物語に引き込まれた。
    また、ジャン・ヴァルジャンの作中でのさまざまな行動は、人間を信じる、ということに対する覚悟と信念の大切さ、それを持続する困難さが伝わった気がする。
    他者を信じると共に、正直でもあったジャン・ヴァルジャンの行動原理は、小説の最後の方のマリユスへの述懐、自分が自分を捕らえようとすることから目を背けられない、というものであり、これも読者には当てはまる部分もいくつかあると思う。

全44件中 1 - 10件を表示

ユゴーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ドストエフスキー
ヘミングウェイ
遠藤 周作
スタンダール
ドストエフスキー
三島由紀夫
ヘルマン ヘッセ
スタンダール
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×