愛と同じくらい孤独 (新潮文庫 サ 2-15)

  • 新潮社
3.64
  • (12)
  • (16)
  • (29)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 197
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102118153

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • かういふインタビューのものは、ひととなりといふものがよくみえてくるものだと思ふ。
    サガンはそのきらびやかな生活スタイルから、派手好きで蓮っ葉なひとと思はれてきたことかと思ふ。けれど、作品の中から漂つてくるものは、どこかさういう消えゆくものへのさびしさであつたりとか、哀しみのもののやうな気がして仕方がなかつた。だからこそ、彼女は惜しみなく消えゆく存在を惜しみ、愛することができるのである。
    インタビューの面白さは、本人を前にして気になることを単刀直入に聞くことができるところにある。彼女が何をして、その時何を考へ、今思ひ返してどうか。ひとの行動にはひとの心が映るものでなければをかしい。形には中身が伴ふ。演じるとは、中身に形をもたせることだ。彼女は年を経るにつれてさう気付いた。さういつた成長もみられる。
    さうして彼女の変らない姿が目に耳に心に焼きつくのだ。彼女の作品が変らないのではなく、形とともに変わつていくから、彼女の存在が生き続けるのだ。
    彼女がモラルといふものをこれでもかと毛嫌ひするのは、それが中身のない形を与へられるからに他ならない。モラルといふものは与へられるものでは決してなく、はじめからもつているといふのに、何を今さら。さういうものならわたしはいらない。といつて捨てただけのことである。自分の存在をどこまでも愛せるから、他人を本気で愛せる。
    彼女の求める十歳とは、さうやつて生まれたのだと思ふ。アンチエイジングではなく、生きることへの惜しみない喜び。生きて変り続け、そして変らないこと。永遠とは、終り、はじまり続ける営み。

  • サガンの品と知性を感じる本。

  • サガンのようには生きにくいなぁ

  • サガンのインタビュー集のようなもの。
    自分の思いを自分の言葉で語れてこその作家。 かっこいい女性です。

  • 多感な10代から、社会人になりたての20代まで、幾度となく読み直した本。どこまでも人間をつき離して見つめ、どこまでも人間に傷つき、そしてどこまでも人間を愛している。彼女のものの考え方にかなり影響を受けています。

  • いくつかのインタビューを一冊の本に纏めた本書。

    サガンの人柄が非常に良く分かり、その素敵さを実感できる。

    無理に自由を謳歌しない本物の自由を持った人だったんだなぁと思った。
    そして、本当に謙虚。
    自分をしっかりと見つめることのできる人物というのはやっぱり好ましい。

    文学に対する想いに関しても謙虚でありながらも自分なりの解釈を持っており、ますますサガンの小説を読むのが楽しくなった。

  • 先日、友人とお互いのいい所を山手線ゲームみたいにして
    言い合おうそしてお互い言い気分になろう
    などということをやっていた。
    私が彼女を「ファムファタールだ」(もちろん良い意味で)と言ったところ相手に「じゃぁ貴方はサガンだね」と言われ
    それは「いい所」じゃないでしょう、とつっこんでしまった。
    彼女曰く「サガンはつねに孤独を感じているが故に男にも女にもモテんのよ、そういうこと」とよくわかんないがそういうことらしい。

    そんなことがあったので改めてサガンのことを知ろうと思い
    この本を開いてみた。
    サガンのユーモアたっぷりな言葉、思考の数々に
    わたしをサガンだなんて言った友人に「なにいってんだお世辞も大概にしなさいよ…」と言って本を渡したいくらいだった。
    でも、彼女のもつ世の中に対するものの見方、寛大さは
    わたしも持って生きていきたい。
    常にユーモアを胸に抱いて、そして時々孤独を感じ愛して。

  • フランソワーズ・サガンのインタビュー集です。この作家さんくらい知的に受け答えできる女性になりたいと強く思いました。

  • 落ち着いて見えるのですが、たとえば悲しいときなんかは度を越したことをしないかぎり元の落ち着きは取り戻せないことは知っています。
    疲れ果てたときでないと、休まらないし、心配しすぎたときでないと安心しないし、絶望しきったときでないと本を書き始めないんです。

  • 『愛と同じくらい孤独』は、原題を"Reponses"といって、サガンへのインタビューとその回答が収められている。1974年に出版され、解説によれば、『悲しみよこんにちは』が発表された1954年から「二十年の間になされた様々のインタビューが編者によって集められ、整理されており、そしてサガン自身が最後に目を通して、まとめられている」(p. 176)。内容は、編者であるジャン=ジャック・ポーヴェールによる簡単な序文の後、何の章立ても空白もなしに延々とサガンとインタビュアーによる会話が続くのだが、こうして翻訳で読んでいても、区切りのようなものはおのずと見えてくるし、質問の調子も後半にいくと厳しさを増している。つまり編集による操作がかなり入っているわけで、本書は厳密なインタビュー本というよりは、サガンという一人の作家をきちんと理解するための掘り下げられた「プロフィール」くらいに思っておけばよいのだろう。

    編集本なのでゆるやかに統一感はあるが、扱われている話題は多岐にわたっている。彼女の生い立ちから始まり、両親や兄のこと、幼年・少女時代の環境のこと、デビュー作発表後の周囲の変化とそれに対する感想、仕事に対する流儀、小説観、演劇、友人、お金、政治、「恋愛と孤独」、そして息子のドニ。一読して分かることは――というかもともと小説を読んで感じていたことを再確認したというべきだが――サガンという女性が原則まじめな人で、質問に対しても真っ向から受け答えているということだった。要するに様々な問題にそれなりの意見をもっていて、それを飾らずにぶつけているわけだ。

    まじめな女性によるまじめな回答集らしく、本書は生活上におけるかなり適切な意見のカタログのようにもなっている。皆とは違った、ある意味で非常識的な答えもあるが、それが現実の社会に対する批判になっている点がいかにもサガンらしいと思う。要するに、サガンは自分の諸信念に忠実な人なのだ――ちょっと変わった家庭環境やあまりにも早い作家デビュー、それからもともとの気質から、信念のなかには普通には通用しないものも含まれているが、それも(逆説的な言い方だが)まじめさの現れといえなくない。個人的な話、彼女の生き方――一言で言ってエピキュリアンである――にはついていけないし、全体的に意見が論理的にまとまっていないのが残念だけども、部分部分ではかなり共感できるものがあった。

全14件中 1 - 10件を表示

愛と同じくらい孤独 (新潮文庫 サ 2-15)のその他の作品

Responsesの詳細を見る ペーパーバック Responses フランソワーズ・サガン
Reponsesの詳細を見る ハードカバー Reponses フランソワーズ・サガン

フランソワーズ・サガンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
フランソワーズ ...
フランソワーズ ...
谷崎 潤一郎
フランソワーズ ...
フランツ・カフカ
三島 由紀夫
フランソワーズ ...
有効な右矢印 無効な右矢印

愛と同じくらい孤独 (新潮文庫 サ 2-15)を本棚に登録しているひと

ツイートする