私自身のための優しい回想 (新潮文庫 サ 2-25)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102118252

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな一冊。
    再販して欲しい!

    昔、この中の愛読書のところを友達と読んで、「失われた時を求めて」への目が変わったのを覚えている。
    が、今まだ読破していない全巻…。

    「プルーストを読みながら、この書くという素晴らしい狂気、このつねに規制されていると同時に規制することのできない情熱を発見しながら、私は書くという言葉が決して空(むな)しい言葉ではないこと、それが決してたやすいことではなく、そして当時すでに世間に漂いはじめていた考えとは反対に、本当の作家はほんとうの画家や音楽家以上に存在するわけではないことも発見した。私はものを書くという才能は運命の贈り物であって、ごく少数の人間にしかあたえられないこと、そして書くことを世渡りの職業とか暇つぶしにしようなどと考える哀れなお馬鹿さんたちは、要するに哀れむべき冒涜いがいの何ものでもないことを発見した。書くこという行為は明確な、貴重で稀な才能を要求するのだ、(以下略)」の部分がとても好き。
    p173-p174

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  • サガンの25作目。初めて自分を語った本。
    友人のこと、若い日の自分の華やかな生き方などかユーモアあふれる語り口で、回想されます。

  • タイトルどおりの本。サガンについてより知りたいときに読むといいかも。

  • 処女作の悲しみよこんにちはで19歳ながらフランス文学界の寵児となったサガンの随想録。その中の一編、賭博(賭博を指す仏語jeuは遊びと同義なのだ!)。女性の語る賭博観というのも珍しい。寺山修司やドストエフスキー、賭博に入れ込む文学者の逸話は枚挙に暇がないが、女性のそれを少なくとも私は初めてお目にかかった気がする。
    他、彼女の好きな人、物、事について語られる。無論サルトルも!
    訳者は朝吹三吉。なんと、悲しみよこんにちはを訳した一人である朝吹登水子の兄である。最初の夫との間に生まれた娘の朝吹由紀子もまたサガンの本を訳している。家族ぐるみの付き合いだったのか、その絆たるや計り知れないものなのだろう。

  • 原題は「私の最高の思い出をこめて」といった意味で、手紙の末尾などに記される一種の慣用句である─訳者朝吹三吉のあとがきより。サガンの出会った人、 彼女をとりまくものに対する愛。とても個人的な書簡のような一冊でした。

  • (1998.05.23読了)(1998.02.02購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    慎み深い情熱と愛情を、人と同じようにギャンブルやスピードにもそそぐサガンはどのように私生活を愛しているのでしょう。文壇の寵児になった19歳から30年間に、サガンが出会った愛する人々(ビリー・ホリデイ、T・ウィリアムズ、オーソン・ウェルズ、ヌレエフ、サルトル)や愛する事物(賭博、スピード、芝居、サントロペ、愛読書)について繊細な感性で綴るサガンの最高の思い出。

    ☆関連図書(既読)
    「絹の瞳」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1980.07.25
    「乱れたベッド」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1981.03.25
    「愛は遠い明日」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1987.01.25

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著者プロフィール

1935‐2004。フランス、カジャルク生れ。19歳の夏、デビュー小説『悲しみよこんにちは』が批評家賞を受け、一躍時代の寵児となる。『ブラームスはお好き』『夏に抱かれて』等、話題作を次々に発表した。

「2021年 『打ちのめされた心は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

フランソワーズ・サガンの作品

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