人間の土地 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1955年4月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784102122020

みんなの感想まとめ

テーマは、空の孤独と人間の存在に対する深い敬意です。著者が郵便飛行士としての実体験を基に描くこの作品は、ジャンルを超えた独特なスタイルが特徴で、哲学的な要素が織り交ぜられています。読者からは、生命の尊...

感想・レビュー・書評

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  • 第二次世界大戦の偵察機パイロットとして
    航行中に消息を絶ったサン=テグジュペリ

    尾上さんの1945シリーズ「郵便飛行船」でも
    サン=テグジュペリの作品について触れられている

    『人間の土地』は、小説でも全くのノンフィクションでもない
    彼が郵便飛行船の飛行士としての実体験に哲学と織り交ぜた、ジャンルの枠に収まらない不思議な作品なのです
    そして 各雑誌に掲載されたものをまとめた一冊なので 全体のまとまりはあまり良くない
    現パイロットとしての寄稿だったので
    多少情報をわかりにくくしているという事も言えるかも

    …ですので、私は苦手な作品
    何度か借りたり返したり
    今回「星の王子様」再読するにあたり
    事前準備としてどうにか読了

    今回も新潮文庫で読みまして、翻訳ファンの方からすれば、違うでしょというところですが、
    この「人間の土地」については、
    カバー装画と解説が宮崎駿さんとなっておりまして、ジブリ作品にとても影響を与えていると
    ころですので、多少読みにくくとも推していきたいと思います

    当時、空から土地を見る事ができるパイロットで文才があった希少なサン=テグジュペリ
    詩のような哲学のような
    空の孤独と死の近さを常に感じながら
    土地に住まう人間の存在に空からの敬意

    宮崎氏の解説のタイトルは「空のいけにえ」
    飛行機や飛行士へのリスペクトの名文

  • 【読もうと思った理由】
    サン=テグジュペリと言えば、言わずと知れた「星の王子さま」。実はお恥ずかしながら本作まで、サン=テグジュペリ作品は「星の王子さま」しか読んでいなかった。ではどこで興味を持ったかというと、YouTubeチャンネルの彗星読書クラブだ。
    運営者である森大那(モリダイナ)氏の番組の一つのコンテンツで「絶対高品質 おすすめ小説10選」で知った。この方が紹介する文学作品は、いわゆる純文学作品で、僕が最も苦手な分野だ。
    尚且つ、この方が紹介する文学作品は、純文学の中でもかなりニッチで、小難しそうな作品が多い。ただ「絶対高品質 おすすめ小説10選」での紹介のレビューが、あまりに素晴らしく、ついつい10作品ともブグログの「読みたい」で登録したほどだ。 
    その中で最も読みやすそうな「人間の土地」を最初に読む作品で選ぶ。なお、新潮文庫版は、“あとがき“を宮崎駿氏が書いており、森大那(モリダイナ)氏曰く、宮崎駿氏の“あとがき“が、とにかく素晴らしく、この“あとがき“だけで、この本を読む価値があると、熱弁されていた。
    そこに感銘を受け読むに至る。

    【あらすじ】
    (文庫裏表紙)
    “我慢しろ…ぼくらが駆けつけてやる!…ぼくらのほうから駆けつけてやる!ぼくらこそは救援隊だ!“ サハラ砂漠の真っ只中に不時着遭難し、渇きと疲労に打ち克って、三日後奇跡的な生還を遂げたサン=テグジュペリの勇気の源泉とは…。職業飛行家としての劇的な体験をふまえながら、人間本然の姿を星々や地球のあいだに探し、現代人に生活と行動の指針を与える世紀の名著。

    (文庫本、帯より)
    読むべし、この言葉。
    「精神の風が、粘土の上を吹いてこそ、はじめて人間は創られる」
    サン=テグジュペリの作品や、同時代のパイロット達が好きになればなる程、飛行機の歴史そのものを冷静に捉えなおしたい、と僕は考えるようになった。飛行機好きのひ弱な少年だった自分にとって、その動機に、未分化な強さと速さへの欲求があった事を思うと、空のロマンとか、大空の征服などという言葉では胡麻化したくない人間のやりきれなさも、飛行機の歴史の中に見てしまうのだ。(宮崎駿氏“あとがき“より抜粋)

    【著者サン=テグジュペリについて】
    (1900ー1944)
    名門貴族の子弟としてフランス・リヨンに生まれる。海軍兵学校の受験に失敗後、兵役で航空隊に入る。除隊後、航空会社の路線パイロットとなり、多くの冒険を経験。その後様々な形で飛びながら、1928年に処女作「南方郵便機」、以後「夜間飛行」(フェミナ賞)、「人間の土地」(アカデミー・フランセーズ賞)、「戦う操縦士」「星の王子さま」等を発表、行動主義文学の作家として活躍した。第2次大戦時、偵察機の搭乗員として困難な出撃を重ね、1944年コルシカ島の基地を発進したまま帰還せず。

    【感想】
    うーん、まだ1回しか読んでいないが、正直半分も理解できていない。
    訳されたのが1955年で、結構時代が古いため、言葉のチョイスが現在と大分違っていて、そこが最も頭の中に入ってこない理由だと思う。残念で悔しい。悔しすぎるので、「歎異抄」の時にも実施した、古典作品を一冊読んで理解が追いつかない時は、「別の翻訳者の同作品を読む」を、この後すぐに実施します。次に読むのは、僕が信頼している光文社古典新訳文庫です。

    理解度が甚だ乏しいが、光文社古典新訳文庫を読む前に、ざっと感じた感想を。

    この作品は小説ではなく実体験を綴ったエッセイだ。
    8章からなる章立てで、サン=テグジュペリが15年間の職業飛行家としての豊富な体験をを元に、その時に感じた感情を赤裸々に綴っている。
    現在、飛行機はかなり安全な乗り物だが、サン=テグジュペリがパイロットを実際していた1920年代〜1940年代は、かなりパイロットの死亡事故も多く、危険な仕事だった。そんな中ある僚友であるギヨメの遭難事故や、自身もリビアの砂漠の真っ只中に不時着し、3日間全く飲まずに瀕死状態の体験をリアルに語っている。
    主にこの2つの出来事における、自身の心におきる葛藤や不安・目の前に迫った死の恐怖を、リアルで詳細に表現されていて、ここが一番心を揺さぶる筈なのだが、そこまで心に響かなかった。
    それは作品の質が低いわけでは決してなく、かなりの傑作であることが、感覚としてぼんやりと感じられるだけに、自分の理解力が追いついていないのが悔しい、悔しすぎる。

    ちなみに、森大那(モリダイナ)氏が薦めてくれた宮崎駿氏の解説は、本当に素晴らしかった。
    僕の理解度をおおいに助けてくれ、心より感謝しております。

  • 先日読んだ「夜間飛行」に感銘をうけたため、こちらも読むしかない!ということで…

    まだインフラが整っていない時代、夜間の郵便飛行業が命がけだったころ、職業飛行家として生きた15年間の豊富な体験の思い出を8編にした「星の王子さま」のサン=テグジュペリのエッセイである
    飛行家としての命がけの劇的な体験や、勇敢で誇り高い僚友たちのこと、そして自然とは、人間とは…
    きわめて詩的で哲学観(感)満載の書である

    通勤電車で読める本ではなかった…
    ふ…深い!ある意味哲学書である
    言葉を何度も噛みしめながら脳と心を働かせないとなかなか創造と理解が進まない
    結局連続して2回読んでみた(まだ完全には理解できていないが…)

    ちなみに「夜間飛行」もこちらも表紙の絵は宮崎駿氏である
    宮崎氏は20歳の頃、サン=テグジュペリや同時代の飛行士達に憧れを持ち、60歳頃にしても、一番影響された…と言う
    改めて「紅の豚」「風立ちぬ」を観てみたい
    違った目線で何か気づくことが出てくる気がする

    早速だが冒頭がいきなりこれだ↓
    〜ぼくら人間について、大地が、万巻の書より多くを教える
    理由は、大地が人間に対抗するがためだ〜
    タイトルとこの文章だけで、何分も思考をめぐらせてしまう…
    サンテックスの頭の中はどうなっていたのだろうと毎度感心してしまう
    何かに達観しているような仙人さを感じる

    【彼らの功績と偉大さのわかる一部を3編に渡り紹介】

    ■メルモス編
    サハラ砂漠を乗り越える橋をかけた実績のある僚友メルモス
    今度は南米の空路調査
    与えられた飛行機は上昇限度5200メートル
    しかしアンデス山中の高峰は7000メートルに達する
    砂漠を克服したら、山に挑むのだ
    「ためしに」…である
    そういう職業である
    さらには空港に照明設備がない中、夜間着陸し、夜間航空を開発
    そして次は海洋
    このおかげで郵便物のスピードが飛躍的にアップ
    〜このようにメルモスは、砂漠を、山岳を、夜間を、海洋を開発した
    彼は一度ならず砂の中、山の中、夜の中、海の中に落ちこんだ しかも彼が帰ってくるのは、いつも決まってふたたび出発するがためだった〜

    ■ギヨメ編
    冬のアンデス山脈横断の途中(そう先ほどの7000メートルの高峰の山岳地帯である)
    7日間の行方不明
    機体の下に潜り込んで、暴風と雪から身を守るため、郵便物で身を囲み48時間待ってみた
    暴風がおさまり、彼は歩き出した
    5日間
    ピッケルもザイルも食糧ももたず…である
    ~ぼくは断言する、ぼくがしたことはどんな動物でもなしえなかったはずだ~
    サンテックはこれをもっとも高貴なギヨメの言葉とし、この極限下で生還することについて、下記のように述べる
    ~自分に対する責任、郵便物に対する、待っている僚友たち、家族………
    生きているあいだに新たに建設されつつあるものに対して責任があった
    さらには彼の職務の範囲内で、彼は多少とも人類の運命に責任があった……中略……
    人間であることは自分の僚友が勝ち得た勝利を誇りとすることだ
    人間であるということは、自分の石をそこに据えながら、世界の建設に加担していると感じることだ~

    ■サンテックス編
    砂漠の真ん中での不時着
    ~ぼくはすでにもう、この明らかな事実を知っていた、耐えがたいものなんか一つもありはしないと
    死を前の煩悶は感じないらしい ただ忍びがたい何ものかがあるのだ~
    水分がなくなった
    布切で機翼を拭いた夜露と塗料と油の混ざった液体を飲む
    拳銃があることを確認する(だが、「それがどうした」と思う)
    この極限状態の中何時間も歩き続ける
    疲労、妄想…とうとう幻覚が見え出す
    ここでは19時間、人は水なしで生きられる(生きられない)
    ~助からぬものと信じていた 絶望のどん底に達したと信じていた
    ところが、一度あきらめてしまうと、ぼくは平和を知った
    危急存亡の時機に人は己の真の姿を見いだし、また自分自身の友になるものらしい
    何ともしれないある本質的な欲求を満たしてくれるあの充実感には、何ものもまざりえまい
    首まで砂に埋もれ、じわじわと、渇きに喉を締めつけられながら、あの星の外套の下で、あんなに心が暖かかった時のことをどうして忘れられよう…~

    究極の精神と究極の魂の神々しさを感じる
    (自分が苦しみと絶望の極限状態でこのように達観できるだろうか…)
    そしてどんな場合でさえも、美しい詩となり表現される

    他にも
    砂漠についてや、あるおとぎ話のような家と娘たちの出会い、様々なモール人、モール人の奴隷解放…
    他では聞いたことのない出会いや出来事が興味深い
    サンテックスの筆にかかるとまるでSFのようだ

    あらゆる場面にサンテックの哲学が散りばめられている
    自然の脅威と美しさ
    人間の本質、生物の誕生と死
    宇宙
    飛行機の光と影
    職務
    友情
    そして情景描写の詩的な美しさを常に感じる

    一読、二読ではもったいない
    究極に精神に届く書である

    (稚拙な言葉しか出ないのだが…本当にすごい人物である)

  • ユーロになる前のフランスの50フラン紙幣は星の王子様。繊細な色彩で、象を飲み込むウワバミや、サン・テグジュペリの飛行機と飛行経路も書かれたかなり凝ったもの。
    フランスにとってサン・テグジュペリは紙幣になる存在なのですね。

    この「人間の土地」の表紙の絵と後書きは宮崎駿が書いています。戦闘機乗りの資料はかなり持っているようです。

    サン・テグジュペリは、「平均寿命は2週間」と言われる戦闘機パイロットになり、偵察飛行中に行方不明、その後正式に墜落機が見つかり死が確認されました。

    ===
    郵便飛行機の操縦士の時に体験した、欧州から南米へ砂漠や海を越えて空路の旅での肉体および精神的体験の記録。
    飛行機乗りの命を支える小さな印。着陸を台無しにする草原の小さな川、一軒だけ建っている農家から漏れる灯り。
    水の無い砂漠の民族の暮らしと生活、彼らは欧州の森で滝の終わりを見たがり、無尽蔵な水にフランスの神の気前の良さを感じる。
    砂漠では危険な不帰順族もいる。不時着した飛行士を殺すこともあるし、親しくもてなすこともある。
    10分通信が途絶えると行方不明を示すほどの危険な空路、ある仲間はそのまま姿を消し、ある仲間は不時着地から数日間歩き続けて帰ってきた。

    サンテックス自身も危険な飛行を行い、ある時は砂漠にとらえられた。いきなりまっただ中から砂漠に乗り込んだ、まるでトリモチに捕まったように。
    仲間の操縦士と3日間歩き続けて救出するまでの日々、砂漠の生物に見た生命の知恵、水や救助の幻。帰れないと思い泣くのは自分のためではない、待っていてくれる人たちのため、彼らの自分を見る複数の目。それを思うと堪らない。向こうで彼らが助けを求めている。
    【「ぼくが泣いているのは自分の事なんかじゃないよ」そうだ、そうなのだ、耐え難いのは実はこれだ。待っていてくれる、あの数々の目が見えるたび、僕は火傷のような痛さを感じる。すぐさま起き上がってまっしぐらに走り出したい衝動に駆られる。彼方で人々が助けてくれと叫んでいるのだ、人々が遭難しかけているのだ。
    これは実に変わった役割の転倒ではあるが、僕は普段からこう考えている。
     (…中略…)
    なぜぼくらの焚火が、ぼくらの叫びを世界の果てまで伝えてくれないのか?我慢しろ…ぼくらが駆けつけてやる!…ぼくらのほうから駆けつけてやる!ぼくらこそは救援隊だ!】(P162~)

    ===

    嵐に会った仲間の場面が圧巻でした。
    【そこには竜巻が幾つとなく集まって突っ立っていた。一見それらは寺院の黒い円柱のように不動のもののように見えた。それら竜巻の円柱は、先端に膨らみを見せて、暗く低い暴風雨の空を支えていた。そのくせ、空の隙間からは、光の裾が落ちてきて、皓皓たる満月がそれら円柱の間から、冷たい海の敷石の上に照り渡っていた、そしてメルモスはこれら無人の廃墟の間を横切って、光の瀬戸から瀬戸へとはすかいに海がたけり狂いつつ昇天しているに相違ない巨大な竜巻の円柱を回避しながら、自分の道を飛び続けた。月光の滝津瀬に沿うて、前後四時間の飛行の後、彼はようやくその竜巻の寺院の出口へ出ることができた。しかもsの光景が如何にも圧倒的なものだったので、黒鳴戸(ボトオノアール)から解放されたときになって初めてメルモスは気づいた。自分が恐怖感は持たずにしまったことに】(P25~)
    この描写は、嵐に会った友人のメルモスの話を書いたものだが、語ったメルモスも、書いたサンテックスも情緒が深いというか飛行機乗りは危険な中に美しさを見つけてしまうものなのか。
    この場面はまさに宮崎駿が映像化したくてうずうずしてそうだ(笑)

  • サン=テグジュペリが職業飛行家時代の体験を元に描いた本。
    同僚もサン=テグジュペリ自身も、不時着して、砂漠をさ迷い死を覚悟するような目にあいながらも、飛行機に乗り続ける。
    当時の飛行機乗りは、死と隣り合わせの危険な職業だったのに、それでも人を惹き付ける飛行機の魅力ってなんだろう。それは、ギリギリのところで"命"を実感できるところかもしれない。

    そのせいか、人間の土地"と"星の王子さま"では、文体、印象などは全然違うが、根底に流れるものは近いように感じた。

  • 「人生を狂わす名著50」で紹介されていたので、読んでみた。サン・テグジュペリと言えば、言わずとしれた「星の王子さま」の作者。彼が書く他の本も、ぜひ読んでみたかった。

    本書は、飛行機乗りであった筆者の自伝のようなお話。さらに自身の体験を元にした、エッセイ的な内容を含む。

    翻訳は悪くない。とても自然な日本語で、読みにくいところはあまりなかった。むしろ、各所に散りばめられた、それこそ星の瞬きのような至言は、日本語としても美しかった。

    内容はと言えば、正直に言うと前半は退屈な部分もあった。よく言えば、静かで味わい深い語り口、とも言えるかもしれない。単純に、自分の好みと合わなかったのかもしれない。

    しかし、後半。筆者が砂漠で遭難するパートはのめり込むものがあった。遭難し、生死の境をさまよった筆者。彼が最後にどうなるのか、その部分の描写はとても引き込まれた。

    本書が教えてくれるのは、まず自然について。都市に住んでいると忘れてしまうけれど、自然は本来人間に優しくない。というより、人間の都合の良いように、その姿を変えてはくれない。しかし、有史以来の不断の努力によって、僕らは水・天候・食物と向き合ってきた。そんな当たり前の事実を思い出させてくれる。

    また、過酷な自然と向き合う中で、筆者は人間の、そして生きるということの真実を見つける。

    死を肯定的に捉えるのは、自分も同意する部分がある。本書の終盤で語られる内容は、とても面白かった。サン・テグジュペリの至言が詰まった一冊。

    (書評ブログもよろしくお願いします)
    https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E9%81%8E%E9%85%B7%E3%81%AA%E8%87%AA%E7%84%B6%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%81%A7%E3%80%81%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%AE%9F%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%8D%E5%90%88%E3%81%86_

  • 名言、名シーンが多すぎて書き込みと付箋だらけになってしまったが後悔はない
    巻末解説すら面白い
    これぞ名著

    個人的にはモハメッド老人のエピソードが特に心に残った

    完全にマイベスト10入りです

  • サン=テグジュペリが危険な操縦士としてのお仕事をしていく中で、同僚が死にかけたり、自身も生命の危機があったことがエッセイとして綴られています
    そんな危険でありながらも飛行して、土地から離れることで自由を感じていたようで、仕事への愛も感じました。
    なんせ、生命に関わる生々しいエッセイなので楽しい本ではないのですが、壮大な気持ちを感じられます。

    特に印象的だったのは、砂漠で死に際、ギリギリで水を飲むところです。
    『水よ、ー そなたは生命に必要なのではない、そなたが生命なのだ。』と、いのちの水に感激しているところに、生命の尊さを感じました。
    命は水よりも脆いのか、と思わされました。

    これを読み終えて、星野道夫さんの『旅をする木』を思い出しました。『旅をする木』に感動できる人ならきっと『人間の土地』もお好きだと思います。

    翻訳されているというのもあるかもしれませんが、前半は特に、壮大な価値観な上に比喩も多く文章が硬いので、理解して読み進めるのに時間がかかりました。。。
    後半は思ったより読みやすかったのですが、この本はさらさらと読み進める本ではないというのは、、、感想で述べておきたいです☺︎
    1ページずつ噛み締めながら、サン=テグジュペリの詩人としての綺麗な言葉を理解していくのがいいと思います☺︎

    • あひるさん
      何度か夜間飛行チャレンジしたんですが挫折しましたサン=テグジュペリ読了されてるの尊敬します
      何度か夜間飛行チャレンジしたんですが挫折しましたサン=テグジュペリ読了されてるの尊敬します
      2025/02/19
    • maiさん
      あひるさん☺︎
      コメント嬉しいです(*^^*)
      いや、本当に解読が難しいエッセイですよね^^;
      私も何度も同じ行を読み返して文脈を理解して頑...
      あひるさん☺︎
      コメント嬉しいです(*^^*)
      いや、本当に解読が難しいエッセイですよね^^;
      私も何度も同じ行を読み返して文脈を理解して頑張りました…60ページ読むのに2日、3日掛かってしまいましたし…もう少し日本語訳わかりやすくしてもらいたいなぁとも思いますね笑(*^o^*)
      2025/02/19
  • 凄かった。サン=テグジュペリの表現力にただただ感銘を受けました。彼のこの感性を培ったのもまた、大地だったのでしょう。
    人間らしい生き方の一つの正解を教えてくれた一冊でした。数年後に再読したいと思います。

  • “紅の豚“に出てくるような飛行機の時代、フランスから南米までの郵便機での飛行。吹き曝しの操縦席で、何時間も羅針盤と自分の感覚を頼りに操縦する。その職人技に驚かされた。1939年にこれだけ素晴らしい本が発行されても、どこかで戦争が行われている…。

  • 伊坂幸太郎の「砂漠」を読んで、本作を読もうと思った。
    読む前は、「人間の最大の贅沢は物欲ではなく、人間関係である。」という言葉に共感していた。「そりゃあ物欲を追うとキリがなく、本質を間違えてしまうからなあ」と思っていた。
    しかし、本作を読んで少し変わった。僕の人間関係は家族や恋人、友達、仲間のことだったが、もっと大きいヒトであった。

    僕は小さい時から、危険なことをしてきた。しかし今も何不自由なく生きている。それができているのは親からの無償の愛だけでは無いと思った。常に目を光らせている見知らぬ大人達がいたからだ。

    ストーリーはつまらない。なぜなら脚色もなく、ドラマも無い、「リアル(人生)」を描いているから。だから説得力がある。

  • 『人間の土地』、購入してから7年経ってようやく読了しました。サンテグジュペリの言いたかったことは最終章にあり、それまでの章で描かれてきたことが最後でつながる。わりと一般的な構成ではありますが、この最終章までの流れが素晴らしい。

    私は40過ぎてちゃんと読んだけど、若い方に読んで欲しい本。高校生〜大学生、それから20代後半〜30代前半くらいまでの方で、仕事や人生に対して「本当にこれでいいのかな」と悩んでる方などにお薦めだと思う。

    しかし、堀口大學さんの訳が読みづらいので、2015年に出た光文社古典新訳文庫の方から読んだ方が良いのではと思います。

    私は堀口大學さんはNHKの番組を観て好きになったけど、それと訳はまた別。堀口さんがもし今ご存命だとしたら、また違う感じになったのではないかと。
    前作『夜間飛行』『南方郵便機』も読みづらかったのですが、この二作ですでに訳し方が若干違っていて、『夜間飛行』→『南方郵便機』→『人間の土地』と進むにつれて、だんだん読みやすくなっています。特に飛行機の専門用語の訳し方はちょいちょい変えてあって、『人間の土地』は専門家の方に協力してもらったそう。

    翻訳というのはそういう風に、時代に合わせてマイナーチェンジされる、アップトゥデイトされるものだと私は考えています。これは外国映画の翻訳もそうだし、また逆に日本映画の海外翻訳から考えさせられたことです。古い日本映画はセリフが聴きづらいことが多いけど、海外だと字幕がつくから、日本ではなく海外の方が受け入れやすかったりするのでは。

    堀口大學さんはたぶん、なるべく直訳に近い形で訳されていると思う。しかしフランス語と日本語では当然文型が異なるので、そのまま訳すと倒置されてしまう。これも読みにくい理由かと。日本語ラップかよ!って感じですね笑。

    ✳︎

    前置きが長くなりましたが内容について。

    まずこの本は冒険小説。ほぼノンフィクションかな。似たことが解説でも書かれてますが、サンテグジュペリが「実際に行動して経験したこと」と、「文章を書ける表現力がある人、詩人」の両輪がなければ、この小説は成り立っていないと感じました。

    例えば有名な問い、「なぜ山に登るのか」ということを考える。登山以外でも、なぜマラソンをするのか、とか。あんなに苦しいのに。きついのに。
    サバイバル登山家の服部文祥さんとか、あと開高健がなぜベトナムの戦場に行ったのか、とか。
    極限状態に自分を置くこと、荒ぶる自然と肉薄することで、「なぜ生きているのか」という哲学、実存についての問いになってくる。(映画の場合、刑務所や収容所もの、戦争ものなどに多いテーマ)

    我々、普通に生活をしている現代人の多くは、こういう極限状態を体験することはほとんどない。読書を通じて、サンテグジュペリのこの体験を知れるということはそれだけで貴重です。

    各章のエピソードはどれも良いけど、印象的だったのは奴隷だった男の話。先程書いた最終章からは、映画『ハートロッカー』を思い出した。

    私はこの本をブックオフで105円という安価美品で購入したのだけど(前の増税前!)、こんなに良い本を手放す人も多いので、読書が好きな人、学生さんなどお金がない人にとってはチャンスですよ。ぜひ読んでみてほしいです。

  • レーダーも無線も無い時代に、
    飛行するなんて、恐ろし過ぎる。
    夜なんて無茶でしかない。
    郵便物を運ぶ為に命懸けだったとは…。
    夜間や台風の中の飛行、砂漠での遭難場面など
    追体験をしている気になる。

    ただ難しかった。
    難解だった。
    後にサンテグジュペリが飛行機に乗ったまま行方不明になる、と知った上で読んでいるので、不安がつきまとっていた。
    命懸けで空を飛び、死の淵を彷徨った作者の
    達観した哲学を少しでも理解したかった。
    光文社古典新訳文庫で再チャレンジしよう、と思う。

  • 「たとえ、どんなにそれが小さかろうと、ぼくらが、自分たちの役割を認識したとき、はじめてぼくらは、幸福になりうる」

    自分の役割を認識すること
    あれやこれや回り道をして
    ようやくその小さな役割を見つける
    ああ、これなんだ
    そのときの満たされた感覚と、動き出す感覚

    人に飼われていた羚羊が、ある日柵をしきりに押す
    自分を完成してくれるはずのひろがりを求めて
    自分たちの踊り
    まっしぐらな遁走
    本然、憧れ

    人間のそれは、君のそれは何かと
    この本は問いかける

  • 困難に直面している奴に読んでもらいたい、永遠の名作だ。
    サン=テグジュペリは、行動力と、洞察力が半端ねえ。俺と、孔明のハイブリッドみてえな奴だ。

    • 傍らに珈琲を。さん
      張飛さん、こんにちは

      なるほど、こちらですね!
      サン・テグジュペリと言えば星の王子さまで充分と勝手に完結しておりました。
      こちらも名作であ...
      張飛さん、こんにちは

      なるほど、こちらですね!
      サン・テグジュペリと言えば星の王子さまで充分と勝手に完結しておりました。
      こちらも名作であること、インプットしておきます。

      いや、実は年始に突然父が亡くなりまして。
      残された母のためにと行政手続きを一気に担っていた為に、猛烈に忙しくなりました。
      それらをこなすうちに、今自分が取り組んでいることが、まさにFP試験の範囲内で、資格を取るチャンスかも?と急に思い立ちました。
      で、5月末の試験を受験することを決意。
      忙しさに輪をかけて自ら忙しくするというドMな決断を致しました 笑
      でもね、試験を終えた夜、模範解答速報をチェックすると、どうやら合格のようです♪
      やったー!
      で、晴れて読書生活に舞い戻って参りました。

      困難に直面した時に読むとよい、行動力と洞察力。
      自分の励みになりそうな言葉が沢山散りばめられていそうな作品ですね。
      張飛&孔明のハイブリットだなんて、最強じゃないですか。

      全く知らなかった作品なので、教えて下さって嬉しいです。
      有難う、いつか必ず手にします!
      (今は、自宅に積読がどっさりなのですが、読みたい本として登録しましたよー)
      2023/06/04
    • 張飛さん
      傍らに珈琲を。、短い期間にいろいろあったんだな。俺も親父は15年前くらいに亡くなったから、その時の大変さを思いだしたよ。

      そして、FP試験...
      傍らに珈琲を。、短い期間にいろいろあったんだな。俺も親父は15年前くらいに亡くなったから、その時の大変さを思いだしたよ。

      そして、FP試験合格のようでおめでとう!やったじゃねえか!FPはこれからの時代にいろいろ役立ちそうな資格だよな!俺は積み立てNISAに興味があったから、去年から少額で投資信託を積み立てNISAで始めたよ。

      人間の土地は、俺のなかでは三国志に並ぶ名作だと思ってる。サン=テグジュペリ自身の命がけの郵便飛行の体験を書いてるエッセイのような本だ。少し難しい部分もあるが、自信を持っておすすめできる本だからまたいつか読んでみてくれ!
      2023/06/04
  • 絵本「星の王子さま」で有名なサン・テグジュペリ氏。まさかこれほどまでに壮絶な体験をされていたとは、まったく知らなかった。なぜ星の王子さまがあれほど哲学的なのか、そのベースとなる著者の考えに触れることが出来る名著。翻訳が少し読みにくい箇所が多々あるが、それを補って余りある内容である。

  • 正直、理解しきれなかった。

    記述は事実と思想とを行ったり来たりのようすで、その境目が分からないところが多々あった。

    「砂漠のまん中で」では、渇きからの意識の混濁でより一層、現実と空想がまじりあっている。

    「人間」は、著者の思想が多く語られている。おそらくここがメイン。

  • 空を自由に羽ばたく夢、それと地球という星と人間の残酷なまでに対極的な美しさと厳しさを含んだ関係を記す。
    人間の生死を考える時期にあるタイミングの自分に何度も言えない考えを遺した作品。
    時代は違えど、人間の根本的な部分は変わらずなんだなぁと感慨を覚える。
    宮崎駿の解説と絵にラストを締めくくってもらう有り難さ。

  • これは読むのがしんどい。なかなか内容が入ってこないため途中で挫折。読み込むための技量が足りないのだろう。いつか再読したい。

  • 砂漠のなかで遭難して生死をさまよったときに体感する、自然の偉大さや星の美しさ、人類がまだだれも手にしたことのない隕石のかけら、その神秘さ。
    人の本然とはなにか、人の自然な営みとはなにか。
    わたしたちは、大地の温かさ、恵みのありがたさ、偉大さを真に理解しているだろうか。

    郵便飛行士として、その責務に誇りを持ち空を飛び続けるサンテグジュペリの15年間の体験記、それはただの冒険譚ではなく、命の物語。

    『なぜ憎みあうのか? ぼくらは同じ地球によって運ばれる連帯責任者だ、同じ船の乗組員だ。新しい総合を生み出すために、各種の文化が対立することはいいことかもしれないが、これがおたがいに憎みあうにいたっては言語道断だ。』
    『死というものは、それが正しい秩序の中にある場合、きわめてやさしいものだ。』

    サンテグジュペリが戦争を否定していたことが伝わってくる。戦争は、サンテグジュペリがいう人の本然からはずれた行為なのだ。

    ひるがえって、現代に生きるわたしたちは、大地を利用して疲弊させ、その恩恵に感謝することすら忘れている。
    大地に生きている、生かされているということすら忘れている。
    人間が建てた人工物に美しさを見出し、星が見えないことを当然と思っている。
    砂粒をさわりもしない。

    サンテグジュペリは、最期、大地に帰っていった。第二次大戦のさなかで。

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アントワーヌ・ド・サン・テグジュペリの作品

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