- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102130056
感想・レビュー・書評
-
なんだかしゃれた題名だなーと思ったが、読み終わってから題名について色々考えてしまった。月と六ペンス・・・月とたわいのないもの
芸術と人?才能のある人とない人?月にしてみたら芸術はたわいのないもの? いったいなんなんでしょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
結構読んでいる間中、話が分からなかった。難しいなあと言う感じで読み進めていたが、読み終わってみるとなんて事はない、ストリックランド以外の登場人物が一定ではなく、その上話も一貫しているものではない。それじゃあ話が分からないのも当然で、エピソード集みたいなものと把握して読んで置けば良かったんだなと言う感じだろうか。しかしストリックランドという画家が出てくるが、これが小説の中の登場人物なので彼の絵を見ることが出来ない。読んでいて残念というか、興味を引いた部分はそれだろうか。後はいろんな話があったなぁと言う感じがしたと言うぐらいで特に感じたことはなかった。それにしても何故「月と六ペンス」というタイトルはなのかは、最後まで分からなかった。解説には「芸術的想像情熱と世俗的因襲を現しているらしい」とあるが、「そうなのかなあ」という感じしかしなかった。
-
イギリス作家シリーズ。いよいよサマセット・モーム。
と言ってもモームについては作品も作家自身のこともほとんどしらない。
この『月と六ペンス』というタイトルだけをかろうじて知っていた。
なので、この話が
「ゴーギャンの伝記に暗示を得て、芸術にとりつかれた天才の苦悩を描」
いているという小説だということは、本を手にとって初めて知ったぐらい。
どうもこうもなくとにかく描かなければならないんだ、という絵への執着。
彼の中の何かを絵で表現したいのに仕切れない、という焦燥。
主人公ストリックランドは、無茶苦茶なんだけど、だけど、彼に惹かれずにはいられないキャラクターだった。
ゴーギャンのことは「タヒチの絵の人」ぐらいしか知らなかったが、これからはもう少し注意を持ってみてみよう。 -
読みやすくて、話もある程度読者が食いつきやすい様に仕立ててあり、流石にベストセラーという印象。面白かった。ただ、人間の複雑な屈折を語るには、いろんなものが類型的に感じてしまう。訳者がいうように、ストリックランドよりもダーク・ストルーブの方がいろいろしんみりと考えさせる動機になる。こういう人物が描けるのに、(やや露悪的に)売れ線を狙うのが、なんか勿体ない。でも、こういうのも人間の複雑なところの表れなのかもしれない。
-
人間は矛盾に満ちた複雑な存在だ。
-
タヒチは私にとっての京都です。
よい本でした。 -
サマセット・モームは他にも「劇場」を読んだ。
文章が上手くて、スイスイと読める。
人間描写が素晴らしい。
特に女性に対するモームは怖いほど厳しい気がする。
「月と六ペンス」は画家のゴーギャンをモデルにしているのだけれど、
彼の「書かなければならないのだ」という言葉が非常に印象的。
芸術家の恐ろしいまでの純粋さがよく表現されている。