シャーロック・ホームズの思い出 (新潮文庫)

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制作 : 延原 謙 
  • 新潮社 (1953年3月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102134030

シャーロック・ホームズの思い出 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • メモ程度に。

    「白銀号事件」
    馬は可愛い。
    「黄色い顔」
    物事を深刻に犯罪と結びつけて考えてしまう職業病。
    死人の出ない、いいお話。
    「株式仲買店員」
    ここまでくるとドイルのパターンもわかってくる。
    「グロリア・スコット号事件」
    ホームズが探偵を職業とするきっかけとなった出会い。
    とはいっても、ホームズは殆ど出来事に関わっていないのがなんだか新鮮。劇的な何かではなかった。
    「マスグレーヴ家の儀式」
    宝探し。
    「背の曲った男」
    罪の意識が何よりの凶器。
    「入院患者」
    何が起こったのかは解明されるものの、犯人逮捕にはいたらないというパターン。
    「ギリシャ語通訳」
    シャーロックがマイクロフトを褒めちぎっているのに驚いた。
    「海軍条約文書事件」
    一国の一大事件だが、首謀者とその動機がなんとも矮小であること。
    「最後の事件」
    vsモリアティ。
    スイスへの道中は冒険めいていてワクワクもするが、ワトスンが懐古しながら書いているという体裁からか、どことなく物悲しい印象も受ける。

  • グロリアスコット号、マスグレーブ家の儀式なと、ホームズののルーツの描写が新鮮。
    やはり、モリアーティとの対決である、最後の事件はドキドキさせられる。

  • 二人の関係性の点で言えば、ワトスンが結婚してベーカー街を出た後は、 同居していたときとは少し遠い距離感を持って付き合っている感じがします。

    一緒に住んでいる心安さで、ぶっきらぼうだったり、説明が足りなかったりしていたホームズが、 開業したワトスンを訪ねるのに、奥さんに気を遣ったりしています。

    《白銀号事件》では、
    まだ同居しているので、ホームズのぶっきらぼうさが出ています。
    『ワトスンなら怒らないだろう、わかってくれるだろう』という、ホームズの『甘え』があるのがよいです。


    冒頭「ワトスン君、僕は行かなきゃなるまいと思うよ」といういきなりのホームズの発言に、ワトスンは『べつに驚きもしなかった』のであります。
    なぜなら、『眉根をよせた顔をうなだれて、強いくろタバコをパイプに詰めかえ詰めかえ、部屋のなかを歩き回ってばかりいて、何を話しかけても何を尋ねても、聞こえないかのようにがんこにだまりこくっていた。』そんなホームズを見て『私には、ひとことも彼が口をきかないにもかかわらず、彼の頭のなかで考えられていることは、よくわかっていた。』からです。


    《黄色い顔》では、二人が午後の散歩をしています。『二時間ばかり〜ぶらついたが、どちらからもほとんど口はきかなかった。心の底ふかく知りあった仲として、べつに珍しいことでもない。』
    とてもいい雰囲気で帰ってくると、客が来ていたという知らせを聞くなり、事件に飢えていたホームズは、
    「だから午後の散歩なんかダメなんだ」とワトスンをとがめるように言います。
    人のせいにするところが珍しく思います。
    ワトスンに対しては、よく責めるような言葉を言うホームズです。主にワトソンの文章についての苦言は喧嘩の原因にもなりますが、日常的な皮肉や責任転嫁については、ワトスンがさらっと流して取り合わないことが多いように思います。
    むっとはしているかもしれませんが。

    事件について、見当違いをしてしまうという失敗をしたホームズが、家に帰り、ろうそくを片手に寝室へ引込むというときになって、
    「ワトスン君、これからさきもし僕が、自分の力を過信したり、事件にたいしてそれ相当の骨折りを惜しんだりするようなことがあったら、ひとこと僕の耳に『ノーバリ』とささやいてくれたまえ。そうしてくれれば僕は非常にありがたい」
    と言ったホームズがいいです。ワトスンへの信頼が伺えます。


    《株式仲買店員》では、ワトスンが開業したパディントン区へホームズが訪ねて来ます。
    ベルの音に続いてやや耳ざわりなくらい甲だかい声を響かせながらずかずか入ってきて、奥さんへ気を遣う発言をします。
    温かくホームズの手を握るワトスン。腰掛けながらホームズは、
    「開業して医術のほうが忙しいために、僕たちの推理問題に示した君の興味が、あとかたもなくなってしまわなければよいがねえ」と気遣うように言います。
    ワトスンがホームズの誘いを受けて出かけるというと、
    「ハ、そいつは何より好都合だ」といすにそりかえって、いつもの俺様な(?)態度になります。
    その後は推理をひけらかして驚かせたり、説明しすぎて「なんだそんなことか」という顔になったワトスンを見て苦笑したり、いつもの気の置けない関係に戻ります。

    さて、他にもホームズが初めて手がけた事件《グロリア・スコット号》や、兄マイクロフトが登場する《ギリシャ語通訳》、そしてなんと言っても、モリアーティー教授の出てくる《最後の事件》など、読むべき作品がたくさん入っています。

  • Memoirs of Sherlock Holmes(1894年、英)
    ホームズ・シリーズ、短編集。ホームズが初めて扱った事件「グロリア・スコット号」、旧家の家宝をめぐる陰惨な悲劇「マスグレーヴ家の儀式」、宿敵モリアティ教授との対決「最後の事件」など。

  •  長編二篇、一冊の短編集を経てからの今回の『思い出』。
     ベイカー街221Bに問題を抱えた依頼人が飛び込んでくる。彼、彼女らの話をじっくりと聞きながら探偵は思考を巡らせ、助手は筆を執る。『思い出』の中でも変わらず、ホームズとワトスンの普段通りの日々が描写されている。

     ――筈だったのが、最終篇の「最後の事件」では唐突な幕切れに出会う。
     物語の中に突如現れたモリアーティ教授と彼の率いるロンドンの裏組織。彼らとホームズとの因縁がと決着とが語られる「最後の事件」は設定等少々唐突で、ともすればこのシリーズ全体に対してどこか素っ気ないまでに呆気ない印象も抱くが、そういったものから当時のドイルが如何にホームズ物を終わらせようとしていたのかがよく伝わるような気もする。

     唐突かつ存外あっさりと物語から「退場」してしまったホームズではあるが、仮にこれを最終回とされてもそれはそれで「アリ」な気持ちにもなるから面白い――とはいえこの後にも「ホームズ物」に続きがあることを知っているからこそそう思えるのかも知れないが。(「海軍条約文書事件」だってそれまでの短編と同じ雰囲気で書き上げられていて、「次の号でもきっとホームズとワトスン君のこういう日常は続いていくのだろうなあ」と楽しみに思いながら次の号を読んだら「ハイこれでホームズ物語は終わりですよ、今までのご愛読ありがとうございました」とつっぱねられた当時の読者はそれは驚いただろうなあ……)

     結局この後ホームズは再びベイカー街に戻ってくることにはなるのだが、「死んだと思わせておいて、実は生きていました」という、あまり多用されると「なんじゃそりゃ」という気持ちになってしまいかねない技法を使われても「あのホームズなら有り得る話ではある」と思わせてしまうようなキャラクター性は凄い。
     今回の『思い出』、特に「最後の事件」を読み、(今後の展開も視野に入れつつ)「やっぱりこの作品はメイン二人のキャラ立ちが素晴らしいなあ」という思いをより深めることになった。

  • シャーロックホームズシリーズ短編集二冊目。
    タイトルは他文庫では「シャーロックホームズの回想」だったり、微妙に違う。ややこしい。

    「思い出」というタイトル通り、ワトスンに出会う前にホームズが手掛けた事件や最初の事件が収録されている。
    あと、「白銀号事件」や「黄色い顔」など、ちょっと毛色の違う事件が収められていることが特徴かな。
    しかしホームズシリーズって動機にあんまりバリエーションないなあ。「金銭目的」or「昔の罪を隠す」がかなり多い。だからこそ「黄色い顔」は面白く読めたけど。

    「最後の事件」はやっつけ感が半端ない。ホームズがモリアティを捕らえるために張った網とやらの具体的な説明が欲しかったなあ。

  • シャーロックホームズ短編集第二弾。推理モノというより冒険小説みたいだ。シャーロックホームズは短編でも十分魅力がある。とくに宿敵モリアティ教授との死闘は秀逸である。

  • 「ノーベリ」の元になった『黄色い顔』、マイクロフト初登場の『ギリシャ語通訳』、モリアーティ教授が登場した途端いきなり終焉を迎える『最後の事件』等々盛り沢山。復活するの知ってるからいいようなものの、当時のストランド・マガジン読者は突然の最終話に嘆いただろうなと。捜査は相変わらず拡大鏡で足跡を見たり夜中に張込みをしたり。調べ物も書物や文書に当たったり電報で問い合わせたり大変だ。今なら指紋とDNA鑑定で一発な内容も、19世紀の犯罪者は平気で葉巻の吸殻を暖炉に放り込んで現場を去る。それでも続きを読みたいと思える意外な結末を用意するところが凄い。
    石炭入れに葉巻を入れる、ペルシャスリッパの爪先に煙草を入れる、返事をしていない手紙をジャックナイフでマントルピースに突き刺す、拳銃の弾痕で壁にV.R.の文字を飾る、といった有名なホームズの奇行は『マスグレーヴ家の儀式』の冒頭で解説されている。

  • いやーおもしろかった!!
    つーか、ホームズ、ワトソン以外に友達いたんだねー。
    学生時代の親友のお話、
    それがこの仕事につくきっかけっとなったとゆー。
    うーん、再読のはずなのにまったく覚えてなかったぞー。

    ホームズの予想外な事件もあったり、
    それをホームズが素直に自分を戒める糧(?)とするとこが好きだなーっと思った。

    最後の事件は、正直、サーコナンがホームズを葬るためだけに書いたんじゃないか、と思ってしまう。
    実際もう書くのイヤになってたらしいし。
    モリアーティって、ゆー人物もいかにもって感じだけど、
    なんかいかにもすぎて、ただホームズの敵役ってだけの存在価値な気も・・・・・。
    ホームズがモリアーティさえ葬ることさえできれば自分はどうなってもいいなーんてことを何度も言うとこも
    なーんか、うさんくさい、とゆーか、ホームズらしくないってゆーか、ラインバッハの滝は絵になるけどねー。
    ちょっと消化不良な話だなーっと改めて思った。

  • いくつかの短編は官憲が犯人を捕まえるのではなく、因果応報の結末を迎えた。19世紀の犯罪捜査の大らかさと、著者の筆致を堪能。そして「最後の事件」で登場した難敵・モリアティ教授。短い物語の中に、シャーロックが追われる立場になった緊張感が伝わってくる。あとがきから本作がシリーズ最後の予定だったが、読者の反響で執筆を再開させたことを知る。

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