- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102134054
作品紹介・あらすじ
文学の知識-皆無、哲学の知識-皆無。毒物に通暁し、古今の犯罪を知悉し、ヴァイオリンを巧みに奏する特異な人物シャーロック・ホームズが初めて世に出た、探偵小説の記念碑的作品。ワトスンとホームズの出会いから、空家で発見された外傷のないアメリカ人の死体、そして第二の死体の発見…と、息つく間もなく事件が展開し、ホームズの超人的な推理力が発揮される。
感想・レビュー・書評
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記念すべき名探偵シャーロック・ホームズの初登場作品だが、私は今回初めて読んだ。
で、感想はと云えば、これが思った以上に凝った構成になっていることに驚いた。黄金期もしくはそれ以前の推理小説は事件の起きた時間軸上を登場人物が右往左往し、やがて真相に辿り着くという趣向がほとんどなのだが、本作は犯人発覚後、いきなり昔の西部開拓時代へ移行し、動機に至るエピソードが語られる。これが短編小説並に素晴らしいのだ。
このような革新的な構成をもって現れたホームズ。今に息づく真価が見えたか!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今年は海外ドラマ『エレメンタリー』にハマっていたので、原典であり始まりである本書を読んでみました。
小学生の頃、学校図書館で少年向けシリーズの本書をおそらく読んでいて、この文庫もずいぶん前に読んだような記憶があるのですが、ホームズの奇行の部分以外は全然憶えていなかったので(笑)、また楽しむことができました。
物語は第1部と第2部にわかれていて、シャーロック・ホームズが活躍するのは第1部で、第2部はほとんどが事件の背景の物語となっています。
第2部はモルモン教の偏向な教団姿勢と、教団の支配的かつ強権的な圧政が物語の根本を生み出したことになっていますが、コナン・ドイルが生きた時代のモルモン教への見方と現代時点での本書とモルモン教の関係をいろいろと忖度できて、これはなかなか興味深かったです。(笑)シャーロック・ホームズの物語はいまだに全世界の少年少女に読み継がれている小説なので、これはずっとモルモン教へのそういう目も受け継がれていくってことですよね。現在ではドラマ化も難しいわけですね。
第1部はシャーロック・ホームズの活躍が目立つ物語です。ホームズの超人的な観察力・洞察力、そして推理力の片りんが窺われ、また、ロンドン警視庁のグレグソンとレストレードといい、少年探偵団といい、後のシリーズの基本となる骨格の大部分は既に最初の物語で出来あがっていたのですね。でも、ベーカー街の下宿のハドソン夫人についてはまだ名無しのようです。(笑)ホームズの観察力・洞察力がまだ控えめなのも少し物足りなかったかな。本来のホームズなら、初対面のワトソン博士を一目見て、「あなたアフガニスタンへ行ってきましたね?」の何倍もの指摘をしているだろうに・・・。(笑)人間の記憶容量は決まっていて、余計な知識は有用な知識を追い出すことになりかねないので、自分にとって不必要な知識は常識であっても一刻も早く忘れるようにしなければ、というホームズの言はずっと昔に読んだ記憶があり、そればかりでなくそれ以来、自分も多少なりとも心掛けていたかもしれません。(笑)
あらためて本書を読んでみて、最初の物語ということですが、実はそれほど奇想天外な話でもなかったのですが、これを受けて続編が作られ、さらに全世界で愛される探偵譚になっていったということを考えると、これはひとえに最初のホームズの人物設計に大成功していたおかげであるとつくづく感じ入りました。変人だが、全世界に愛されるキャラクター。(笑)この後、世界の推理小説家たちはこの変人を凌ぐ変人の創作に心血を注がねばならなくなったと思うと、一層感慨深いものがあります。(笑)
本書の日本語訳は少しぎこちなく、訳者はこの時点でホームズ物の愛好者でないように思わせる訳単語も選択していて、この辺りはもう少し何とかしてもらいたい。 -
昔読んだのを今読み返すと、え?こんな話だったっけ、と思った(要は何一つとして覚えていない)。昔からホームズは好きだったのだけれど、今読むとその理由がなんとなくわかったような気がする。
ホームズは「見えないものをいかにして見えるようにするか」を実践していると思う。レストレード警部のような一般人は事象から未来を予測するだけだが、事象から起源に遡及することで(「分析的知性」とホームズは表現している)、部分を集めて全体にしている。通常は部分は全体の総和にはならないが(我々凡人は総和だと思ってしまうのだけど)、調査結果や彼の持つ知識、それらを合わせた評価を元に、妥当性のある物語を付与し、説得力を持った全体にしていると感じた。
いいなあ、と昔思った点はこういうところなのだろう。おれ、なかなかいいセンスしてたな。 -
ワトスン博士の回想録から入り、最後またワトスン博士の回想録で終わる。
途中話がどう繋がるのが、興味深く読めた。
ただ、復讐に燃える男の生き様が私にはとても悲しくて切なく感じた。 -
初めて買って貰った文庫本であり、初めて読んだミステリー小説ということで大変良く記憶に残っています。
その後、いろいろな作家のミステリーを読みましたが、やっぱりホームズのシリーズが好き。
文章も軽すぎず固すぎずという感じで読みやすいと思います。
随所で変人ぶりを発揮するホームズと何事にも真面目なワトスン博士の掛け合いも面白い。 -
名探偵コナンがずっと
好きやったけんいつか読もうと
思いよって、やっと読んだ!
ホームズの印象が想像と
全然違ったー∑(゚Д゚)変人(笑)
緋色の研究の凄さは
前半後半のお話しのギャップ!
最後に繋がったとき、
凄く興奮した(笑) -
A Study in Scarlet(1887年、英)。
ホームズ・シリーズ。このシリーズの登場によって、推理小説というジャンルが確立されたと言われている。本書はシリーズの第1作で、ミステリ史上の記念碑的作品。
ワトソンがホームズと初めて出会い、アメリカ人殺害事件の謎に挑む話。後半、舞台は新大陸で起きた悲劇へと結びつく。
黎明期の作品だけに、推理小説としては未分化な印象を受ける。後半はほぼ独立した別の小説となっていて、ミステリと冒険小説が同居している感じ。とはいえホームズの推理力は、前半で既に如何なく発揮されており、記念碑と呼ぶに相応しい作品だと思う。 -
大好きなシャーロック・ホームズ第1作。
映画も様々あるけど、ホームズとワトスンの出会いはやっぱりこれだなあとつくづくおもう。 -
シャーロックホームズの冒険を読んで面白かったので購入した一冊。序盤はホームズの登場シーンとかワトソンとの出会いとか一作目ならではの面白さがあった。内容としては"冒険"の方が読みやすかったし、トリックも秀逸だった気がした。
"4つの署名"もすでに購入済みなので噂に聞くワトソンのけがの位置も気にしつつ読みたい。 -
第一部も第二部もそれぞれ読みやすくて面白いが、このやり方は推理小説としてはどうなんだろうとも思う。
しかしまあ、話として面白い。
まだホームズのキャラにそぐわぬ言動があったり、或いは後世に生まれた数々の探偵の原型ともいえるところが多々あったり、とにかく、ここからはじまったのだなあという感慨がある。
著者プロフィール
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