- Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102135150
感想・レビュー・書評
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学生時代、ミステリー小説に興味はあったが、中々手に取る事が出来なかった。家に置いてある赤川次郎や、日本の古典、乱歩や正史には出会うが、僕の思い描く探偵小説と少し違った。(当時はジャンル分けなども分からなかった。)そんな中、海外古典ミステリーに興味をもち、しかし有名なホームズシリーズにハマれなくて残念に思っていた所でクリスティが「ミステリーの女王」と呼ばれ有名であると知り、立ち寄った古本屋で手に入れたのが「エンドハウス殺人事件」、「ブルートレイン殺人事件」だった。たまたま今作を先に読む事で衝撃をうけ、クリスティに傾倒していく(ブルートレインが先だったらばクイーンに巡り合っていたかもしれないが)
僕にとってクリスティデビュー作品であり、ポアロと出会った思い出深い作品だ。
今作を女史のトップ10に上げる人は少ない様だが、僕のなかでは紛れもなく傑作にあたり、必ず他人に進める作品だ。
ポアロのキャラクター像について、この作品を読むだけで理解出来るし、フーダニットについても驚きの結末を見せる。彼女は人物描写、風景描写が本当に素晴らしく、まるでその世界で一緒にミステリーを体感している様な感覚になる。
まだあまりクリスティやポアロシリーズを読んでいない方には是非おすすめ。傑作が多いクリスティの中でも事件に関わるきっかけがポアロらしく、真犯人は一番犯人らしくなく、しかし一番犯人らしい人物と彼女得意の解決を楽しんで欲しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもしろかったです。
テンポもよかったですし、ヘイスティングも出てきたし。
最後はちょっとびっくりしつつも拍子抜けした感じです。日本ではちょっと考えられないかな -
度重なる殺人未遂、その理由は…
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初期クリスティーを代表する長編。
たくさんある伏線が、結末でひとつに結び付いていく過程に大満足です! -
ポアロ
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「モナミ。私はあらゆることを調べてみたいのです。エルキュール・ポワロは優秀な犬です。優秀な犬は、執拗に臭跡を追います。あいにくと臭跡がないときでも、まわりを嗅ぎまわって――たいていはあまりぞっとしない代物を探し出すものです。エルキュール・ポワロもそうします。そしてしばしば――そう、しばしば目ざすものを発見するのです!」
今回のポワロは、混乱し、また犯人からいいように使われてしまいます。
エンドハウスという古びた別荘に住む女主人が狙われ、その彼女を守るために立ち上がるポワロ。
周りはうじゃうじゃと怪しい人たちでいっぱい。誰が嘘をついているのか?そして真犯人は!?
という、今回は最後まで全然犯人がわからず、やきもきし、そしてあっと驚く結末に納得。
良く見つけたなーポワロ!と、熱心なポワロ読者にまた一歩近付きました。
【9/2読了・初読・市立図書館】 -
狙われたニックを守るため、(年甲斐も無く)ナイトの役を買って出たポアロ。しかし、結局殺人は起こってしまう――
エンド・ハウスをどうしてもシックハウスだと思ってしまいます。
犯人は分かりませんでしたが、本来なら分かってしかるべきなんだろうなって感じです。完全に踊らされました。
ヘイスティングスの間抜けっぷりはじゅうぶんに楽しめます。