エンド・ハウス殺人事件 (新潮文庫 ク 3-14)

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  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102135150

感想・レビュー・書評

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  • 学生時代、ミステリー小説に興味はあったが、中々手に取る事が出来なかった。家に置いてある赤川次郎や、日本の古典、乱歩や正史には出会うが、僕の思い描く探偵小説と少し違った。(当時はジャンル分けなども分からなかった。)そんな中、海外古典ミステリーに興味をもち、しかし有名なホームズシリーズにハマれなくて残念に思っていた所でクリスティが「ミステリーの女王」と呼ばれ有名であると知り、立ち寄った古本屋で手に入れたのが「エンドハウス殺人事件」、「ブルートレイン殺人事件」だった。たまたま今作を先に読む事で衝撃をうけ、クリスティに傾倒していく(ブルートレインが先だったらばクイーンに巡り合っていたかもしれないが)
     僕にとってクリスティデビュー作品であり、ポアロと出会った思い出深い作品だ。
    今作を女史のトップ10に上げる人は少ない様だが、僕のなかでは紛れもなく傑作にあたり、必ず他人に進める作品だ。
     ポアロのキャラクター像について、この作品を読むだけで理解出来るし、フーダニットについても驚きの結末を見せる。彼女は人物描写、風景描写が本当に素晴らしく、まるでその世界で一緒にミステリーを体感している様な感覚になる。
     まだあまりクリスティやポアロシリーズを読んでいない方には是非おすすめ。傑作が多いクリスティの中でも事件に関わるきっかけがポアロらしく、真犯人は一番犯人らしくなく、しかし一番犯人らしい人物と彼女得意の解決を楽しんで欲しい。

  • おもしろかったです。
    テンポもよかったですし、ヘイスティングも出てきたし。
    最後はちょっとびっくりしつつも拍子抜けした感じです。日本ではちょっと考えられないかな

  • 「アガサ・クリスティ」の『エンド・ハウス殺人事件』を読みました。

    「名探偵ポアロ」モノは、1月に読んだ『ブルートレイン殺害事件』以来ですが、相変わらず愉しく読めましたね。

    -----story-------------
    英国南部、海を見下ろす崖の上に建つ古い邸宅≪エンド・ハウス≫。
    その家の若く魅力的な女主人「ニック」は、このところ奇妙な事故に悩まされていた。
    重い額縁の落下、ブレーキの故障、落石…。
    そして、たまたまリゾートにやってきた「ポワロ」の目の前で、「ニック」が狙撃されるという事件が起きる。
    彼女の命を守るため、「ポワロ」の灰色の脳細胞が働きはじめた―。
    -----------------------

    犯罪に関係しそうなプロットが「ポワロ」流の法則と秩序によって整理され、、、
    バラバラな点が線となって繋がり、事件の全容が明らかになる… 「クリスティ」作品は、相変わらず、読後がスッキリしていいですね。


    ≪ちょっとネタバレ≫

    しかし、本作品の「ポワロ」を利用しようとした、犯人の大胆な計画は予想外でしたねぇ。

    しかも、別々な犯人による、二つの遺産相続詐欺が同時進行していたことで、物語が複雑化していて、真犯人を絞り込むことができませんでした。

    犯人も予想外でしたが、ホントの被害者も予想外でしたね。



    「ポワロ」が解けなかった謎(事件の解明には関係しない)が、ひとつだけ残り、、、
    エンディングで、その謎が解ける… という演出も良かったなぁ。

  • ポワロものには、ホームズものでいうところのワトソンのような役割を演じる者として、恐らく当時の典型的なイギリス紳士の性質をすべて持ち合わせているのであろう、ヘイスティングズ大尉という人物がいます。しかし、クリスティはドイルほどこの「語り部」を必要としなかったらしく、ヘイスティングズが登場しない作品も多々あります。

    この作品は、このヘイスティングズがしっかり登場し、しかもポワロの推理にとって非常に重要な言葉を口にしてくれています。ポワロは、いくつかの作品の中でヘイスティングズのこの「重要なことを、本人も意図せずに表現する天才」を評価していますが、著者であるクリスティとしても、読者にさりげなく大ヒントを示してくれるヘイスティングズの力にずいぶん助けられたのでしょう。

    さてこの作品。決して有名ではないと思われますが、クリスティならではの人物描写や伏線のちりばめ方が素晴らしい。犯人が分からなかったとしても、読了後の満足感は高いと思われます。この作品でも、クリスティの他のいくつかの作品と同様、カギを握るのは登場人物の名前です。

  • 度重なる殺人未遂、その理由は…

  • ポワロシリーズ。
    被害者と思いきや、実は加害者であった。ヘイスティングズとジャップ警部(少々)が出ている。

  • 初期クリスティーを代表する長編。
    たくさんある伏線が、結末でひとつに結び付いていく過程に大満足です!

  • ポアロ

  • 「モナミ。私はあらゆることを調べてみたいのです。エルキュール・ポワロは優秀な犬です。優秀な犬は、執拗に臭跡を追います。あいにくと臭跡がないときでも、まわりを嗅ぎまわって――たいていはあまりぞっとしない代物を探し出すものです。エルキュール・ポワロもそうします。そしてしばしば――そう、しばしば目ざすものを発見するのです!」

    今回のポワロは、混乱し、また犯人からいいように使われてしまいます。
    エンドハウスという古びた別荘に住む女主人が狙われ、その彼女を守るために立ち上がるポワロ。
    周りはうじゃうじゃと怪しい人たちでいっぱい。誰が嘘をついているのか?そして真犯人は!?

    という、今回は最後まで全然犯人がわからず、やきもきし、そしてあっと驚く結末に納得。
    良く見つけたなーポワロ!と、熱心なポワロ読者にまた一歩近付きました。

    【9/2読了・初読・市立図書館】

  • 狙われたニックを守るため、(年甲斐も無く)ナイトの役を買って出たポアロ。しかし、結局殺人は起こってしまう――
    エンド・ハウスをどうしてもシックハウスだと思ってしまいます。
    犯人は分かりませんでしたが、本来なら分かってしかるべきなんだろうなって感じです。完全に踊らされました。
    ヘイスティングスの間抜けっぷりはじゅうぶんに楽しめます。

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