813: ルパン傑作集(Ⅰ) (新潮文庫)

制作 : 堀口 大学 
  • 新潮社
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本棚登録 : 394
レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102140017

感想・レビュー・書評

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  • ルパンの人間性が、怪盗であっても、その所作に喝采を送りたくなる気持ちを目覚めさせます。
    縦横無尽に活躍する姿は、万能のように思えます。
    ルパンにも予定外のことは起こり得て、自分の思うままにはならないことも分かります。

    なぜ怪盗になったのか、なぜ幸せをつかめないのか、なぜ平穏に生きないのか、謎が分かるかもしれません。

  • カリスマティックなルパン像に別れを告げる日が来た


     美術品や宝物を好み、暴力ではなく知力で犯行に及ぶ。お宝とともに人の心まで奪っていく、スマートでチャーミングな怪盗紳士。アルセーヌ・ルパンのイメージってこんな感じですよね。

    『813』に描かれるのは、仮にも泥棒でありながらパリっ子の熱烈歓迎にあってしまうアルセーヌ・ルパンの復帰です。
     ところが戻ってきたルパンは、存外、人間くさくて泥くさく、事件の性質もまったくスマートではありません。なのにシリーズ最長小説! 日本版は分冊で、後半を『続813』とタイトルし続編扱いとするという、変則的な趣向をとっています。これほど長い物語でルパンが苦しむさまを読むのは、根気がいりました。

     ダイヤモンド王からお目当てのブツをまんまと盗み出したルパン。ところが、そのホテルから死体が出てきてしまいます。血なまぐさいやりかたを好まなかったはずのルパンが、必要もない殺人を犯したのか……?
     放置するとパリの人々が「ルパンはただの野蛮な泥棒に成り下がった」という考えにかたむきかねない! 事件捜査の行方に、怪盗の信頼回復がかかってきたのです。

     その汚名は、警視庁のルノルマン氏の活躍によって雪がれることに。怪盗ルパン、謎の殺人鬼に加え、ルノルマン氏なる人物も出馬。三人の候補者の中で誰か一人が勝ち残る、選挙戦みたいな展開でした……。

     三つ巴の争いは緊迫感に満ちていました。ある理由から、ルノルマン氏は前半で退場を余儀なくされますが、ルパンだけが圧倒的な力を発揮してその場を支配するという図式が崩れ去ったことは確かです。
     名誉回復と引き換えに、ルパンのカリスマティックなイメージは終焉を迎えた。『813』以降、ルパンと同格の敵が存在し、ルパンですら相手に翻弄されるようになっていくのです。

  • 一度は読んでみたい名作ということで、読んでみたものの、難解、というかとっつき難いというか、入り込めないというか。。フランス語の登場人物の名前が覚えにくいからなのか、最近の小説に比べると背景や登場人物の思いなど、書き込み方が足りないからなのか、その辺は不明。ちなみに、「続813」に話は続くらしい。もう一回読んでみたら、味わいが出るのかも。

  • この一冊で話が完結するものだと思っていただけに、この結末は肩透かしを食らった感がある。
    結局、最初に提示された謎は何一つ解明される事なく、欲求不満が残ってしまった。
    しかし、ルノルマン=ルパンの設定は食傷気味。読者の興味を繋ぎ留めておく為か、はたまた下世話なサービス精神の産物か。
    ともかく『続813』に期待しよう。

  • 案外登場人物が多くて複雑だった。とはいえ…いろいろな伏線がまだ未回収なんですけど?続編があるのか…。
    アニメのルパン三世とは違って、紳士強盗ということだったが、どうにもアニメの軽いノリのルパンと性格は似ている気がした。

  • 実は人生初ルパン。探偵・冒険小説のエッセンスがぎゅっと詰まってる感じ。というか、ルパンがこういうエンターテインメント小説の先駆けだから、後続の小説にそのエッセンスが読み取れるのかな。
    堀口大学の翻訳と聞いて手に取ってみたんだけど、やっぱり文体がかっこいいなぁ。ワクワクする。
    813に続編があるのに気づかず買ってしまったので、(続)も買わなくては。

  • 久々に読んだ。
    相変わらずルパンは好きだ。
    この話の内容も覚えてはいたけどやっぱり楽しい。

    だけど訳者さんがなぁ…原作に忠実なんだろうけど、日本語としては不自然な箇所が多々見受けられるし、「……」を多用しすぎていて苦手な人は読みづらいかも。
    あと、ルパンの台詞がイメージと違って残念。一人称が「わし」なので脳内補完しながら読みました。

  • 子供の頃に読んだはずだが、短縮版だったのか、内容が記憶に無い。「続813」と合わせて完結のようだ。2015.4.15

  • この1冊で完結していないのね。『続813』は続編ではなく『813 -下巻-』なのですね。話の続きには興味ないので、ちょっとルパンはもういいかな。アニメの「ルパン三世」の方がはるかに面白いよ。

  • Maurice Leblancの代表格、怪盗紳士Arsène Lupinシリーズのひとつ、それが1910年発表の本書、「813」である。

    まだ、続の方を読んでいないので、作品全体への評価は出来ないが、本書単独にたいしては、なかなかに面白いと感じた。

    最後の意外な結末は、読んでいた当初はあまり意味が理解できなかったが、その事実を踏まえてもう一度、初めからストーリーを眺めて見たら、よくできた構成で話が進んでいたことが理解できた。

    ただ、訳が直訳風なので、読みづらいのが残念だった。私の中のルパン像と訳者のルパン像が違うのか、ルパンの台詞の訳に違和感があった。このような言葉づかいを、あまりにも有名なあの怪盗紳士がするだろうか。本書の訳では、かなりのお年寄りなのかと感じてしまった。

    ルパン作品の雰囲気は、イアンフレミングの007とどこか似ていて、両者は奇抜で大胆だけどなぜかリアリティのある、冒険活劇だと私は思う。

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著者プロフィール

1864-1941。作家。怪盗紳士アルセーヌ・ルパンを生み出し、一世を風靡、冒険推理小説に金字塔をうち立てた。レジオンドヌール勲章受勲。

「2019年 『怪盗ルパン 二つえくぼの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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