日々の泡 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1998年3月1日発売)
3.67
  • (137)
  • (130)
  • (267)
  • (19)
  • (5)
本棚登録 : 1753
感想 : 162
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784102148112

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ゴルチエのミュージカルみたいな世界観。
    ファンタジーで脳内だいぶカラフルな感覚に。初めての感覚というか、とにかく新鮮でした。
    言葉選びもきっとフランス語ならではの響きや韻を意識したものなんだと思う。
    1964年にこの世界観で小説を書く才能や、日本語に訳す翻訳者がいらした事も感心しきりで読み進めました。
    この表紙のセンスもだし、どんな時代だったんだろう。今よりも飛んでいる気がしてならない。

  • 安部公房、川上弘美と並んで
    わたしの中の奇々怪々小説家TOP3。

    あまりにも美しい「うそばなし」 に
    おもわず溜息 エンダ 嫉妬。
    最後の最後まで美しい嘘が無数に咲いて来るので
    とてもしおりじゃ追いつかなくて
    メモ紙を千切ってお気に入りのページに挟み込みながら
    ゆっくり ゆっくり 読みました。

    岡崎京子さんもすきなのですが
    意地でもこちらを先に読んで正解でした。
    視覚で色や輪郭を狭めてしまう前に
    「文字」を食べて 濾過して 味わうこと
    文字で読むことの美しさを体感出来る本だと思います。

  • こういうの好き。駆け足で読んでしまったから、もう一度、ゆっくり再読したい。

    翻訳がちょっと、ずれているというか・・・。「ナイロン靴下」ってストッキング??他にも随所に、ええっ?と思うような表現で、夢の世界から現実に一挙に戻ってしまうことがあったのがとても残念

  • 大学生の時に初めて手に取ってから、何度も読んでいる。美しい幻想、まやかしの世界、どこまでが現実かわからないけど、恋する気持ちだけは本物なんだよね。初めはほの明るくパステル調で色彩豊かなのに、どんどん光が失われて最後は白黒の線描画という感じ。

  • 純粋な愛に生きる登場人物たちの有り様が、幻想文学としての舞台装置と相まって不思議な読書体験を与えてくれる。市井の嫉妬や撓んだ幸せみたいな凡庸さから逃れたく手に取るなら、在り来たりな現実を遠ざけてくれる優れた非日常の媒介。

  • 僕にとって現代フランス×幻想×恋愛小説というのは最悪の食い合わせだったようで、酔ったような甘い雰囲気と、鼻につくしつこいナンセンスにひどく胸焼けを起こしてしまった。幻想描写は南米の作家のようにドライな方向とか、ラブレーのように徹底的にお下品とか、澁澤龍彦のように偽学術的とか…そういうののほうが好みだな。

  • 読みながら、自分の加齢をひしひしと感じた。昔読んだ時は描写の美しさと、コランとクロエ可哀想!みたいなピュアな感想しかなかったのに、今読むと「お金が無いって本当にツラいよな〜」みたいな感想になってしまう(恋愛部分はさして……。アリーズの肩を持ちたい)。

    果たして労働は尊いのか卑しいのか。金が無いと人間的文化的な生活は出来ないという絶望感。俺をすりこぎにしちまった奴!そいつはだれだ!だれなんだ!hey you !(from ヘイ・ユー・ブルース)

    昔も今も、イケメン料理人のニコラが好き。

  • ◆ほんとうに大切なものは、かわいい少女そのものと、彼女との恋愛だけなのに…。生まれたままが一番素敵なのに…。この「なのに…」がとてもつらい。美しく儚く苦しい物語。シャンパンの泡のようなJazzと諧謔に酔いしれながら静かに世界に失望していく。
    ◆曾根元吉訳(1970)。ハヤカワepi文庫・伊東守男訳(1979)と読み比べ。◆最初はハヤカワ伊東訳より硬く古めかしい訳に思えたが、読んでいくうちに気にならなくなる。ハヤカワ版に比べて言葉遊びを拾っている率も少ないが、その分、見え隠れする時代の思潮・空気感がより鮮明に訳出されているように思われた。
    ◆ハヤカワ版小川洋子の解説よりも正統派の解説で、読解の役に立ち、ありがたかった。

  • この小説が原作の映画「ムード・インディゴ」を見に行く前に読み返した。
    読むのは、もう何度目かわからない。
    好きな小説は何かと聞かれると、一番に浮かぶ小説。
    「20世紀で最も悲痛な恋愛小説」と言われているそうだけれど、空気はとても軽やかだ。
    ただ、読者を選ぶのは間違いない。
    現実と虚実が編み込まれた、ひどく悪趣味で美しい世界。
    その文章=小説の額縁は、中に描かれている愚かで、けれど(というべきか、だからこそというべきか)胸を打つ恋人達の姿にぴったりである。
    容赦ない、しかし不思議な明るさを持ったラストが見事。

    ちなみに映画の「ムード・インディゴ」は星をつけるなら三つ。
    悪くはなかったけど…うーん。

  • 13.06.30 朝日新聞朝刊 16面 鹿島茂

  • 幻想と皮肉と遊びと悲壮の入り交じった、美しいメルヘンです。根底に暗澹とした「不条理」が見え隠れしているところなんかは、いかにも当時のフランスらしい感じもしますが、簡単にフランス文学と一括りにはできないほど力強い作品だと思います。耽美で独特な描写は、このボリス・ヴィアンでしか見たことがありません。

    ストーリーだけ追ってしまうとなんだかいただけないのだけど、その見せ方は本当に秀逸です。ストーリーのトーンと同調して、描写の色合いも変化していくところはとても見事でした。おおまかに言うと、前半はライトでファンタジック、透き通った色水のようなのですが、物語が進むにつれてそこに濃紺のインクがぽたりぽたりと滴り、暗く滲んでいくような感じです。

    普通の青春群像劇として読むと、現実と空想の境目にあるこの世界観を味わえないどころか、嫌気が差してしまうんじゃないでしょうか。通勤途中に途切れ途切れ、ではなく、休日の晴れた昼下がりに紅茶でも淹れて読み始めるのがいいと思います。
    他の作品も読んでみたいなあ。

  • 舞い上がりすぎて、なぜか安島さんにオススメの本とか訊いてしまった。
    わたしは大概音楽とかライブとあまり関係ないことを喋りすぎな気がする(;´д⊂)
    でも勧めてくれたので、読みました。
    とてもおもしろかった。
    初めは綺羅綺羅しい恋愛小説かと思ってたんだけど、一筋縄じゃいかなかったw
    こういうシュールさは好きです。
    綺麗なだけじゃなかった。描写とか美しいんだけど。
    けっこうめちゃくちゃ。おいおいってつっこみたくなるけど、その投げ捨てるみたいな奔放さとか好き。
    斜陽の様子はかなり切ないし、最後もほんと哀しい。
    むしろ無茶苦茶なところが、悲哀さを増すんだろうね。
    ひどい!って言いたくなっちゃう。
    作者はかなり若くして亡くなってる。最近ほんとに、良い作家さんの夭折って多いんだなぁと思う。
    残念だなぁ。
    この人の本をもっと読んでみようと思います!

    美男でお金持ちのコリン、友人で収集癖のシック、料理人のニコラと、クロエ、アリーズ、イジスの美女3人。華やかで純粋な恋愛模様の前半と、斜陽の切ない後半。軽快だけどシュール。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「軽快だけどシュール。」
      華やかで物悲しいですよね、、、
      この作品は「うたかたの日々」と言うタイトルで、伊東守男訳(ハヤカワepi文庫)と野...
      「軽快だけどシュール。」
      華やかで物悲しいですよね、、、
      この作品は「うたかたの日々」と言うタイトルで、伊東守男訳(ハヤカワepi文庫)と野崎歓訳(光文社古典新訳文庫)が出ているので、私は訳文に定評がある野崎訳で再読したいと思ってます。
      2012/12/06
  • 夢のような儚いお話。

  • 久々に文学作品を読んだ気になりました。
    もはやファンタジー。
    状況があまり理解出来ない、不思議なことが次々と。
    そして栄華からの転落振りがすごい。
    お金に何も心配なかった人達が老けてやつれて労働することになり。。。
    というか「彼は何のために労働しているのだろう」というセリフがすごい笑
    金持ちは労働はするものではない、みたいなね。

    著者がジャズトランペッターであることから、デュークエリントンなどが度々登場します。
    サルトルとかも。パロってパルトルって表記されてますが。
    訳なので何とも言えないんですが、文章での表現がお洒落。
    あとは演出。すごい粋な演出などを仕掛けてくる。
    (上で書いたように、演出がすごすぎてわけ分からなくなる。)
    戯曲のような感じ。(戯曲は劇でしか見たことなくて、読んだことはないんだけど)
    感情表現や行動も。

    ちなみにこの本、「うたかたの日々」という別の邦題もあるようです。
    翻訳モノって、訳者の訳風というんだろうか、クセが出ますね。
    訳者のフィルターを通して読むことになるので、いつか自分で読んでみたいと思うのです。
    (英語ならまだしもフランス語はムリだろうなぁ。。。)
    その訳者が自分と合っていればいいんだろうけど。

  • 恋愛小説。か。
    大半の恋愛小説で、恋愛こそ至上という小説は、その恋愛を素晴らしいものに描いている。
    しかし落ち着いて考えたら、それを至上と描くためには、他を落とすという書き方もある。
    他を落とすとなると、他の恋愛を落とすことに躍起になりそうなんだけど、コレは違う。

    恋愛以外のすべて。地面も、家も、他人の死も、すべて適当。

    だからこそ、恋愛のみが真実。

  • ひびのあわ。響きがいいよねぇ。 あわ。
    原文で読んでみたくなった。フランス語かぁ。
    うぅ、良さを直接に感じてみたい。
    でもこの曽根さんの訳、私は好きだな。簡潔な文体で、情景が浮かびやすくて。

    ほしみっつなのは、読後、やりきれない気分になってしまったから。
    人物を自分に置き換えてみたりもしたけれど、やはり現実ばなれしすぎてて、この想像もフワフワのままに終わってしまった。
    う〜ん。
    クロエって名前はどうしても、高校のときの友人を思い出させる。ふふ。
    デュークエリントン、聞いてみよう。

  • 所々残酷なところがあり、作中で笑えるところはほぼ無し。退屈ではないが薄気味悪さが漂う。二組のカップルの最後は悲惨すぎた。

  • 日々の泡は、コリンっていう主人公とクロエっていう肺に睡蓮が咲く病気にかかった奥さんと、そのほか二組のカップルの話で滅茶苦茶悲痛だった…………

  • 不快感もなくサラサラと読めるけど、ファンタジーな表現が私には響かない。音楽のところ等サッパリ。
    エキセントリックな表現を用いる不幸な恋愛小説って印象。
    初ボリス・ヴィアン。そして最後?

  • 表現も世界観も美しく儚い。裕福か貧乏かで人生がこんなに変わるのかと辛く感じた。アリーズの情熱に惹かれた。#7月

全133件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

(Boris Vian) 1920年、パリ郊外に生まれる。エンジニア、小説家、詩人、劇作家、翻訳家、作詞・作曲家、ジャズ・トランペッター、歌手、俳優、ジャズ評論家など、さまざまな分野で特異な才能を発揮した稀代のマルチ・アーチスト。第二次大戦直後、「実存主義的穴倉酒場」の流行とともに一躍パリの知的・文化的中心地となったサン=ジェルマン=デ=プレにおいて、「戦後」を体現する「華やかな同時代人」として人々の注目を集め、「サン=ジェルマン=デ=プレのプリンス」 とも称される。1946年に翻訳作品を装って発表した小説『墓に唾をかけろ』が「良俗を害する」として告発され、それ以後、正当な作家としての評価を得られぬまま、1959年6月23日、心臓発作により39歳でこの世を去る。生前に親交のあったサルトルやボーヴォワール、コクトー、クノーといった作家たちの支持もあり、死後数年してようやくその著作が再評価されはじめ、1960年代後半には若者たちの間で爆発的なヴィアン・ブームが起こる。

「2005年 『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ボリス・ヴィアンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×