贖罪〈上〉 (新潮文庫)

制作 : Ian McEwan  小山 太一 
  • 新潮社
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本棚登録 : 575
レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102157237

感想・レビュー・書評

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  • 映画を観てから読んだ本。映画の衝撃が今度はゆっくりきた感じ。

  • 重厚なようで軽やかというこの何ともいいがたい表現力。上巻の中後半で一気にストーリーの展望が見えてくる。悲しみが美しい表現によって際立っておる、のかもしれぬ。

  • 子供が純粋な存在でないことは自分を省みればよくわかる。
    小さいころの潔癖な正義感に基づいた小さな行為が、取り返しのつかない大きな過ちとなって自分を苦しめる。
    ビターなだけに深い余韻が残る。
    映画「つぐない」もおすすめ。

  • 上下巻。マキューアンはあまり相性がよくないかも… 描写がやや詳しすぎなのはいいとしても、ラストがあっけなさすぎて消化不良になるんです…。解説を読む限り初期の作品のほうが面白そう。

  •  「アムステルダム (新潮文庫)」や「愛の続き (新潮文庫)」のイアン・マキューアンが、描く<世界文学の新たな古典>

     13歳の少女は歳の離れた兄の帰還を待ち、彼を迎えるために劇の用意をする。小説家になることを夢見る彼女には、歳の離れた姉もいる。

     キーラ・ナイトレイ主演の「つぐない」原作です。
     「贖罪」で「つぐない」なので、まぁ、なんとなく筋はわかろうってもんで…。
     が、イアン・マキューアンなので、一筋縄ではいかないのです。
     上巻の一向に話が進まないジレンマも、ふっとびました。

     にしても、イアン・マキューアンってどういう小説家なんだろう。
     安楽死を扱った「アムステルダム」にしろ、ストーカーの話である「愛の続き」にしろ、人のはかなさを描いているように思う。が、ただ儚いだけではない。その儚さによりそうようになる邪悪さや、歪みまで、無垢に描いている。
     そう、ポイントは無垢なのだ。
     「贖罪」の主人公は、13歳の少女ブライオニーだ。彼女の感受性や無垢に裏打ちされた奔放さは、水面に反射する光のように眩しく一時もじっとしてはいない。
     が、その水面の下には、暗い水がある。
     ふいに、それを気付かされ、たじろいでしまうのだ。
     
     うん、マキューアンを読んでいてこの「たじろぐ」感じって共通しているなと思う。
     上手く説明できないけど、多分、マキューアンのいいのは、この説明できないもどかしい感じなんだと思う。

     おすすめです。

  •  胃袋の中に重い石を飲み込んだような気持ちになった。ずっしりとして私の現実さえ飲み込んでしまった。それでも、次、次、次、と止まらなくて、下巻が始まると終わってしまうのが惜しくてちょびちょびと読んだ。読みたい気持ちを抑えて。
     ざっくりとどんな話なのか言うと、時は1935年、場所はイギリス、13歳の少女が偽りの証言をしたことで彼女の姉が愛する人を破滅と導いてしまうという話(+下巻はほぼ戦争の描写)。しかし、その虚偽証言という出来事がもちろん贖罪なんだけれども、それはあらゆる人間の贖罪のメタファーとして在り、物語を通して感じ得るものは計り知れず深く重い。『アムステルダム』同様、非常に内面的な作品である。
     上巻においてはしばしば自己庇護な登場人物にイラッとするが、素晴しい作品だと思う。

  • 「つぐない」という映画の原作。
    13歳の少女の誤解から姉と幼馴染みの恋が無惨に壊されてしまう。
    空想的で感性はあるが思いこみの激しい少女と、周りの人間の抱えている性格的な弱さや置かれた立場による苦しみがどう作用したか。
    真実に迫ろうとする筆致は迫力に満ちています。
    大戦によってまた人は翻弄され…一生をかけた償いという意味は次第にわかってきます。

  • 途中で読了放棄。

  • 作家を志す想像力旺盛な少女が見てしまった姉と使用人との情事。やがてそれは少女に罪のない大きな嘘をつかせ、恋人たちを引き裂く。あまりに残酷で哀しい恋愛小説。

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