暗号解読(上) (新潮文庫)

制作 : Simon Singh  青木 薫 
  • 新潮社
4.10
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  • (215)
  • (14)
  • (4)
本棚登録 : 3023
レビュー : 244
  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102159729

作品紹介・あらすじ

文字を入れ換える。表を使う。古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。密書を解読され処刑された女王。莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話…。カエサル暗号から未来の量子暗号に到る暗号の進化史を、『フェルマーの最終定理』の著者が豊富なエピソードとともに描き出す。知的興奮に満ちた、天才たちのドラマ。

感想・レビュー・書評

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  • 文書の内容を他者に盗まれずに届ける、そのために開発された暗号。用途は軍事目的が大半を占める訳ですけど、この本では古代から現代に至る暗号の歴史を、開発者と解読者の人間ドラマを絡めて描いています。
    特にドイツの開発したエニグマに対するポーランドの解読者の物語は、探偵小説の暗号解読とは違い、ドイツ軍の動向を知ることが自分達の死活に関わるだけに緊迫度が半端ではないです。
    ほんとに面白い本ですよ。これほどの内容なのに分かりやすく一気に読めるのですから、著者の力量に脱帽です。

  • 情報化社会が進み現代ではなくてはならない「暗号」。本書では暗号がどのように歴史に携わってきたか、また暗号ひとつで歴史が変わった瞬間などがドラマティックに描かれております。一見誰にも打ち破られなさそうな暗号の驚くべき解き方も載っているので、謎解きに挑んでも楽しい一冊。解読者に打ち破られては生き物のように進化し続ける暗号の歴史をお楽しみください。
    (理学系物理学コース M1)

  • 『フェルマーの最終定理』を読んでから、ずっと読みたいと思っていた本。
    換字式暗号は最も単純な暗号とはいえ、古代ギリシャの頃にこれが考え出されていたというのは凄いなと。また、スコットランド女王メアリーのエピソードも知らなかったので、面白かった♪ルネサンスの頃に既に暗号が解読されるか否かで歴史が動いていたんですね!
    こんな感じで1章目から感心しっぱなしという感じでした。
    特に上巻の後半、第二次世界対戦でドイツ軍が使った暗号機エニグマについての話になってからは面白さも倍増で夢中になって読みました^^
    下巻も楽しみ♪

  • 歴史は戦争の記録だという有名な言葉がある。その中で華々しくクローズアップされる「民族の英雄」もいれば、表に出てこない功労者たちもいる。
    この『暗号解読』という本は普段日が当てられることがない情報戦を明るみに出してくる。
    こちらの情報を知られないよう複雑な暗号を生み出し、敵の情報を握るべく日夜研究する人々を取り上げている。

    情報が筒抜けになる恐ろしさは、ミッドウエイ海戦がよく知られている。日本軍はここで敗北し、それ以後どんどん追い詰められていったのは有名な話だ。
    「第2次大戦中にほとんど海外に知られていないナバホ族の言語が暗号として使えることに注目し、実際に利用していた」という解説があり、ああそういやそんなことがこの本に書いてあったなあと思い出した。
    ほかにも、とっくに解読した暗号機「エニグマ」を植民地に解読したそぶりも見せず下げ渡して、植民地の情況をしっかり探っていたというのは戦略としては正しいのだろうけど、えげつないね……。

    暗号の解読は第二次世界大戦で使われたエニグマまでしかついていけなかったが、読んでいてわくわくしていた。
    暗号を解く知的興奮だけでなく、暗号を解いた人々やその置かれた社会情勢を含めて面白い。

    もちろん情報戦ばかりではなく、古代文字も一種の暗号と取らえてシャンポリオンがどうやって解読したのか、プライバシーを守る暗号や、未来の暗号はどのようなものかも書いている。
    そして公開鍵番号は以前解説されたときもわかったようなわからないような微妙な気分になり、それを上回る量子論はさっぱりわからなかった。もっとものを知れば理解できるようになるんだろうか。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「読んでいてわくわくしていた。」
      難しいけど楽しませて呉れるライターですよね、サイモン・シンは。。。
      その中でも「代替医療のトリック」が一番...
      「読んでいてわくわくしていた。」
      難しいけど楽しませて呉れるライターですよね、サイモン・シンは。。。
      その中でも「代替医療のトリック」が一番お気に入りです。
      2013/03/28
  • やはりサイモン・シン、面白い。

    ただ、最後は量子コンピュータについての話が出てくるんだけど、何のこっちゃ分からん\(^o^)/
    「エニグマ」あたりがギリギリ肌感を持ってついていけるので楽しめた。

  • 子どものころ暗号作り、やったなあって懐かしい。秘密を守りたい、秘密を暴きたい、人間の根本的な欲求に沿った「暗号化・複合化」と「暗号解読」の世界は、現在も続いている歴史を紐解くとそれだけ真剣で深い戦いの歴史があった。壮大。久々に一気に読んだ本。
    メモ:単純な置き換え暗号からヴィジュネル暗号に、エニグマ機、アリスとボブとイブの鍵配送、そして量子コンピュータ。

  •  暗号解読はなぜかくも面白いのだろうか。暗号の魅力にとりつかれるのは、最先端の数学者やコンピュータ技術者だけではない。文字を理解し始めた子どもですら、メッセージを絵や形から読み解く「パズル」や「宝探しゲーム」に夢中になる。人間の営みの中でもこれほどまでに人を虜にするものが他にあるだろうか。
    本書はどうしようもなく暗号に魅かれてしまうその「暗号欲」とも言うべき人間の欲求に、たっぷりと答えてくれる。読み終わった後は、何だか世界の大いなる秘密を知ってしまったかのような満足感が残る。
    人間は本来、隠すこと、隠れること、そして隠されたものを見つけることを「楽しい」と思う動物なのかもしれない。そういえば、子どもは「かくれんぼ」が大好きだし、赤ん坊ですら「いないいないばあ」には強い興味を示す。
    そんな人間の、隠すことと見つけることへの欲望によって紡がれるドラマには、人間の知と力と金が存分に注ぎこまれてきた。そして今や暗号は我々の日常に寸分のすきも無く入り込んでいる。もう我々は暗号の無い生活には後戻りできないだろう。
    とにかく人間について、人間の欲望について考えさせられる一冊である。

  • 「フェルマーの最終定理」コンビの、作者・サイモン・シン氏&翻訳・青木薫さん。同じような難解なテーマを取り上げたが、「フェルマー」ほどは人間くささが感じられず、量子コンピュータなどは???という感じだけが残り、ちょっと残念。でも面白かったよ。

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  • [評価]
    ★★★★★ 星45つ

    [感想]
    以前に結城浩著「暗号技術入門」を読んだことがあるが、それと比べるとこの本は暗号に関するエピソードが多めに書かれている。
    暗号作成者と暗号解読者の戦いは歴史上において、多くの場面で発生し、歴史に大きな影響を与えていたことが知れて面白かった。特にスコットランド女王メアリーのエピソードは全く知らなかったので新鮮だった。
    また、エニグマ暗号に関するエピソードは特に興味深いものが有り、現代のコンピュータの基礎を作ったアラン・チューリングのエピソードは大変に悲しい物語だった。
    また、第二次大戦後もイギリスがエニグマ暗号を秘匿していたということには大変に驚いたが、植民地にエニグマ暗号を使用させ、通信を傍受していた辺りがイギリスだなと強く感じたね。

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