宇宙創成(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102159743

感想・レビュー・書評

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  • 神話の時代からビッグバンモデル確立までの科学の発展をたどるノンフィクション。

    コペルニクス、ガリレオ、ケプラー、ハッブル、アインシュタイン・・・
    たくさんの科学者が宇宙の秘密を解き明かそうとした歴史。

    化学の探求も人間が行うものなのだからやはり人間ドラマなんだ。

  • ・あらすじ
    宇宙すげー
    ・かんそう
    知的好奇心MAXになる。時間は一定じゃないんだぜって物知り顔で言いたい。

  • 読む前まではむしろビッグバンとか、相対論とかの方に興味あったけど、コペルニクス→ケプラー→ガリレオあたりの人間ドラマめっちゃ面白い

    そしてハッブルのキャラの濃さよ。

  • アレクサンドリア図書館館長のエラトステネスは、数百キロ南にあるシエネの近くにある興味深い井戸のことを知った。毎年夏至の日の正午になると太陽が真上から差し込み、井戸の底を明るく照らすと。このことから地球の周囲の長さ(4万100km)を導き出した。これにより地球という惑星を測定するのに必要なのは、優れた頭脳と一本の棒を持つ一人の人間だけだということが明らかになった。

    科学者と科学技術者
    科学技術は生(と死)をより快適にするために役立つのに対し、科学はひたすら世界を理解しようとする努力。エジプト人は科学技術者であって科学者ではなかった。

    アインシュタイン
    常識とは「18歳までに身につけた偏見の寄せ集め」

    大集成 へー・メガレー・シュンタクシス

    ガリレオの望遠鏡
    ヴェネチア総督に披露した望遠鏡は当時、競合する望遠鏡の倍率は10倍だったが、望遠鏡をつくるための光学をよりよく理解してたガリレオは60倍という高倍率を達成した。そのおかげでヴェネチアは戦略上有利に立てただけでなく、商人たちは香辛料や布地を積み込んだ船がまだ遠くにいるうちから知ることができたので市場価格が落ちる前に売りさばくことができた。

    理論は使うもの。理論の寿命は歴史が証明する。すなはち科学技術の発展、例えば高性能な望遠鏡の発明など、や異なる理論との融合、学会などの既存権威の受容など。より正確で幅広い状況に適応でき、それまで説明のつかなかった現象を説明できるもの。が、理論。

    エレガントで、シンプルで調和してるものであるべきというコンセンサスがある。以上のような要素を含む物理法則や理論によって提示されうる、宇宙は複雑だか美しい。これはデザインにも言えうる。シンプルでエレガントな小さな手続きによって生まれる成果全体は美しい。裏を言えば細部はシンプルでエレガント、調和のとれた法則によって成り立つべきである。

    恒星や惑星に含まれる物質を宇宙全体に均一に広げたとすると、宇宙の平均密度はどれくらいか。=地球千個分の体積にわずか1グラム
    「惑星も恒星も銀河も典型的な存在ではありえない。なぜなら宇宙はほとんど何もない空間だからだ。典型的だと言える場所があるとすれば、それは果てしなく広がる冷たい真空の中の、永遠に終わらない夜の闇に沈む星間空間だけである。かいそれはとりつく島のない荒涼たる世界だ。それにくらべれば、惑星や恒星や銀河は、胸が締めつけられるほど稀有で愛すべき存在に思えるのである。」

    波長=光は波である。光波。波の頭から頭までの距離が波長。通常、可視光線の波長は0.0004mm紫から0.0007mm赤。原子はそれぞれの内部構造に応じて、特定の光を放射する能力を持っている。花火職人もさまざまな物質が出す光の波長に関心を持っている。したがって熱せられた物質の放射する光の波長を調べれば、その物質に含まれる原子がわかることになる。個々の原子にはそれぞれ独自の指紋がある。スペクトル図によって明らかになる。放射と吸収。吸収は物質によって遮られ波長の抜け落ちが生じることを言う。つまりここから吸収した原子=物質を特定できる。

    ドップラー効果による波長のずれで星の速度を求めることができる。青方偏移 近づく、赤方偏移 遠のく。

  • S・シン & 青木薫 訳 の最強タッグ再び。別の本でホリエモンが、青木さんの訳もすばらしいのだけれど、原著者のS・シンは「数式の概念を、数式を使わないで表現できる稀有の才能の持ち主」と評していました。私も同感です。中学の数学で思考停止している私にも面白く読めました。宇宙創成と聞くと、なんだか仰々しいですが、本書の内容を一言でいうと、「宇宙の起源追求に端を発した、物理学の成立と発展における科学者たちのドラマ」というところでしょうか。

  • 久々の宇宙モノ。
    読み易く分かり易く、宇宙に対する各時代の考え方がするりと理解出来る。
    こういうのを読んでいると、自分やこの世界の不安定さに怖くなる。でも、これは好きな怖さなんだよなぁ。定期的に欲しくなる。
    著者には、出来るなら、素粒子についての科学史を書いてもらいたい。

  • 正直、難しくて難しくて。これまで電車の中でしか本を読まないけど1週間ちょっとで1冊を読み終わるペースでいたのに3週間かかってやっと1冊読み終わりました。
    でも、その分読みごたえがある。紀元前までさかのぼり、人類が宇宙の歴史をどのように考えてきたのかが分かる。地球の直径からビックバン理論が認められるまで、丁寧に歴史をたどっている。「ビックバン」何となくは知っているけれど、なぜビックバンが存在したと
    言えるのか、そこにたどり着くまでのドラマが非常に面白い。

  • さすがサイモン・シンの文章はわかりやすい。

  • ビッグバンモデルはどのような経緯で論じられるようになったのか。まず紀元前3世紀にエラトステネスが地球の大きさを測りました、というところから始まって、偉大な科学者たちの功績を、人物像と概論とを交えながら教えてくれる本。

    近年まで、星空はただ「見る」ことでしか情報を得られなかったというのに、光の速度や太陽の温度、宇宙の元素構成まで見出し、膨張宇宙モデル、そしてビッグバンモデルまで到達する。偉人達の知性と探究心に畏敬の念を覚える。

    個人的に面白かったのは、研究が立ち往生すると皆「数学的に美しくない」とか「哲学的に気持ち良くない」といった理由で論説を取捨選択する、という局面が多くみられる点だった。一番大切なのは感性なのかもしれない。

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著者プロフィール

イラストレーター

「2021年 『世界じゅうの女の子のための日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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