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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784102161487
作品紹介・あらすじ
1968年、ソ連。前途有望な青年アレクサンドルは同級生ウラジーミルの讒言によって父親を当局に惨殺され、母エレーナと共に国を捨てる決意をした。表が出たらアメリカ、裏ならイギリスへ。二人は運命を 1 枚のコインに委ねた――アレクサンドルの明晰な頭脳とエレーナの卓抜した料理の腕前で、新天地でも確固たる基盤を築いていく母子。だが、冷酷なソ連の影は常に周囲にまとわりついていた。
感想・レビュー・書評
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圧政下のソ連を捨て海外に渡るアレクサンドルと母エレーナ。その行き先はアメリカか、イギリスか。人生が二度あったら、というパラレルワールド的な展開が斬新だ。
いかにもジェフリーアーチャーらしい、貧しい移民の子が成功の階段を駆け上がっていく様が読んでいてワクワクさせられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ソ連を脱した青年と母が移民先の国で、聡明さと高潔さと料理の腕前で居場所を築き駆け上がっていくストーリー
安定の、まさしく安定のジェフリー・アーチャー節
良い意味での「いつものヤツ」
相変わらずページを繰る手が止まらないリーダビリティ
下巻も楽しみ -
『クリフトン年代記』の主人公ハリー・クリフトンの著書は、ウィリアム・ウォーウィックシリーズである。
しかし、他の著作もあるのだ。
家族の前で、作家はその構想を述べている。
『「舞台はソヴィエト連邦の衛星国の一つ、恐らく、ウクライナになると思う。第一章はキエフの郊外で始まる。そこである家族――父親と母親と子供一人だ――が一緒に夕食をとっている」』(『永遠に残るは』下38頁)
1962年、ソヴィエト連邦の都市、レニングラードに物語ははじまる。
ハリー・クリフトン先生は、推敲の末、舞台をウクライナからソヴィエトに移したとみえる。
他の構想はあまり変わっていない。
アレクサンドル・カルペンコは、今、進路について思案している。
モスクワ外国語大学で学ぶか、国立大学で数学を専攻するか、決定するのは自身でも家族でもなく、教師なのだが――
その先の将来については、友人に話していた。
『「ロシア初の民主的に選ばれた大統領になる」』 (上 10頁)
彼の父コンスタンチン・カルペンコは、港湾労働者の監督官である。
仕事熱心で、人望があり、地位にふさわしい人物ではあるが、共産党に入党することを拒否している。
『「相応の代価を支払うことになるからな。それが嫌なんだ」』(上 18頁)
どれほど慕われている人物であっても、裏切者はどこにでもいる。
共産党に加入していない人物など、彼らの格好の狙い目だ。
よって、コンスタンチンの身に不幸がおきる。
彼の家族――妻のエレーナ、息子アレクサンドルの未来には、とたんに暗雲が立ちこめた。
このままソヴィエトにいたのでは、まともに生きていけない!
母と息子は、ソヴィエトから逃れる決意を固めた。
かくして、母と息子は、西側世界にやってくる。
通りの店には服が、菓子が、装飾品が、たくさん並べられ、家には、個人宅なのに、なんと冷蔵庫がある!
我々にはなじみの社会が、彼らには驚きと戸惑いの連続だ。
母子は、不慣れな社会の中、懸命に生きていく。
さて、ハリー・クリフトン先生は、自身の母親をよほど尊敬していたらしい。
『瞠目すべき女性』(下 105頁)
自身の母メイジーを表すものと同じ言葉をエレーナにも与えて、その立場を疎かにしない。
母親だけではない。
『クリフトン年代記』を読んだ読者には、幾度もの既視感をおぼえる。
主人公は、才覚を生かして地位を高めていくのだが、これは『クリフトン年代記』のあの人? あの場面? あの流れ?
「を、思わせる」ものがたくさん見つかるのだ。
どんなに『クリフトン年代記』を薦められても、いや全14巻はちょっと長いしおっくうだしという方には、いっそ、ダイジェスト版のようなこの上下巻がお薦めかなあと、読みながら、私は思っていた。
中盤までは。
終盤、おもむきが変わる。
おや? と思ったら、
あれ? ときて、
うわああ! なのだ。
これは『クリフトン年代記』とは、違う。
『運命のコイン』において、さて、なにが起こるのか。
『クリフトン年代記』を読んだ方も、未読の方も、その目でたしかめていただきたい。 -
ジェフリーアーチャー初めての●F? 相変わらずのページターナーぶりだけど、この趣向がどう決着するかが楽しみ(心配)。話としてはケインとアベルみたいな感じ。読み始めて、最初の方が前作の終わりで紹介されていたことを思い出した。下巻も楽しみ。
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頁ターナーの巧手、アーチャーぶりを発揮した快作。
題名を見て・・・なって行くかと思った展開。
最初は聡明な好青年が余りにもうまく双方を生きて行く展開に、そうはいくかよ・・と些か反感を持ったねじくれた私。
読み進むにつれ、ジョンソン大統領時代、ベトナム戦争を経て変貌を遂げて行くアメリカの光と影を背にした人生の史的展開といった感で読む進んで行った。
一方も、サッチャー政権下、鉄の女が舵を取る かつての盟主国にも光と影の史的展開、面白い。
しかし、共に優秀さは群を抜き、好青年でセックスも巧み、もてないわけはなく、義父にもしっかり目を付けられているのは巧く生き過ぎでしょうと思うけど。
まぁ、勧善懲悪じゃないけれど正義は正義、✨、悪は如何にもの容貌、ふるまいっていうのは単純すぎかも。
世界からすると自由民主主義は前進を目指し、経済発展と成長に明るい将来、共産圏はどす黒く国家体制すら刑務所的(ほとんどあっている感ありありだが)
読み物ですけどね、愉しんで下巻へ。 -
場面が変わったあと、最初一瞬困惑したけど、なるほど!こう言うコンセプト(どちらの選択肢についても物語が同時進行で進む)なのか!と理解してからは、一層ぐんと引き込まれた。虐げられた少年が、さまざまな人に助けられ、裏切られ、過酷な経験をしつつも前向きに生きる様が生き生きと描かれている。それぞれの物語がどう帰結するのか、下巻も楽しみ
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一度読んだ記憶がありますが、ほとんど忘れてしまいましたので、改めて読み入りました。
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人生の大きな分岐点を境にして、実際の人生と、別の選択をした場合のもう一つの人生を平行して進めていく手法は、たまに混乱するものの、かなり面白い。
ソ連を脱出して、新天地で類稀な才能で駆け上がっていく母子の、波乱に満ちたサクセスストーリーも軽快でスイスイ読み進められる。 -
面白い、並走テクニックがあっと驚かせる
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ジェフリー・アーチャー、そのおもしろさは、期待を裏切らないという意味で安定感があります。
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01月-18。3.5点。
ソ連に生まれた青年。父親は労働組合を結成しようとし、殺害される。母親とソ連脱出を企て。。。
面白い仕掛けの小説。リーダビリティはさすが。どんどん読ませられる。
下巻に期待。 -
レニングラードで生まれたアレックスは父親をkGBにさつがいされ、ロシアを脱出する。行き先はイギリスとアメリカ。最終的にどう行き着くのか、目が離せない。
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アレックスとサーシャが出てくるわけですが、パラレルワールドっておもってよいんでしょうか?
もっと素直に読める話にしてもらえた方が良かったんですが・・・。
でも、話は面白いです。流石、ジェフリー・アーチャー -
ロシアのアレックスが主人公。ただ父親がKGBに殺され、国外に叔父の助けをもらって、出国する。そこ行き先が、イギリスとアメリカどちらか? で途中から2人の主人公が登場。サーシャ(イギリスに)、アレックス(アメリカに)
母親は腕のいい料理人であったため、どちらでも成功するが、さて最後はどうなるか。 後半からは一気読み! -
読了。コインの裏表というアイデアを除くとこれまでどおりのアーチャー節というか、どこかで読んだような展開の連続で、端々に過去の作品を思い出させる仕掛を用意しているという、ファンサービス的な作品だった。内容が2倍と見るか半分と見るか…
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1968年、ソ連。前途有望な青年アレクサンドルは同級生ウラジーミルの讒言によって父親を当局に惨殺され、母エレーナと共に国を捨てる決意をした。
表が出たらアメリカ、裏ならイギリスへ。
二人は運命を 1 枚のコインに委ねた――
アレクサンドルの明晰な頭脳とエレーナの卓抜した料理の腕前で、新天地でも確固たる基盤を築いていく母子。
だが、冷酷なソ連の影は常に周囲にまとわりついていた。
<amazon商品詳細より>
アメリカに渡っていたら…
イギリスへ渡っていたら…
途中まで、「ケインとアベル」を焼き直した感がたっぷりあり、作者の意図がよく分からない。
久しぶりの新作なので楽しみにしていたが、
過去の大作にはもう届かないのではないかと思う。 -
ソ連を脱出した母子が、ロンドンとニューヨークで同時に二通りの生涯を送る話だが、作者の最終的な意図が分からない。この物語の感想は下巻を読了してからにするが、意外性の結末を求めるなら、片方が英国首相、片方が米大統領となってお互い会見するという設定ではなかろうか。これは全くの推測で、下巻を読んでネタバラシをしているわけではない。この話は、読み進めるにつれてクリフトン年代記を思い出させる。作者もそれを意識して書いているのだ。それが下巻でどう独自性を出すのか、楽しみだ。
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