雪のひとひら (新潮文庫 キ 2-3)

  • 新潮社
3.57
  • (54)
  • (56)
  • (134)
  • (10)
  • (4)
本棚登録 : 538
感想 : 92
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102168035

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • かわいい!
    なんてかわいいんだ!
    まずはそう言いたい。

    雪のひとひらが空から降りてきて、冬を越え、町へと流れていき。
    大切な人との出会い、試練、そして別れ。


    ひとりの女の一生を擬人化したもの、ではあるんだろうけれども、そうじゃなくてもっとシンプルに、もっとナチュラルに。
    絵本にして子どもちに読み聞かせられる、そんな作品であると同時に、考えさせられる深い教訓を内包した作品でもある。

    なんて綺麗なんだろう、と思った。

  • 小さな命の一生を綴った物語。
    生まれ、結婚し、子供を産み、死んでいく。
    ひとつの一生を壮大でありながら、とても簡潔に描かれているように感じました。
    最後の空に帰る場面は思わず涙がこぼれました。
    「お疲れ様」という一言がこんなにも心を打つという事を始めて知りました。

    宗教色が強く感じるかもしれませんが、それを超えて感動する本。

  • 綺麗。
    粉雪みたいなやわらかで
    読み終わったあとも柔らかい雪の頂の白いイメージ。
    命とか人生とかそういうものをけっして押し付けがましく、でも優しく語ってくれる本です。
    普通だけど、でもきらめきのある、温かみのある、そういう人生を丁寧にあったかく描いています。

  • 読んだ日に雪が降ったよ。
    宗教的だなと思ったけど、それはさておき風景描写がきれいだった。

  • ファンタジーとあったけれど、童話のような話。
    いかにもキリスト教の内容なんだけれども。
    翻訳文は好きだけれど、内容は個人的には宗教色が強くてちょっと微妙。
    雪の一片を擬人化し、女性の一生と繋げて書かれただけだったら、この噛みにくいような感じは受けなかったと思う。
    生活と宗教が切り離せないのはともかく、この話に宗教的要素を持ち出さなくてもいいんじゃないか。出すにしても、宗教と繋げる人だけがわかるようなひっそりとしたものでよかったんじゃないか――と考えるのは、私が一神教に抵抗があるからなのか。

    宗教云々を抜きにしたら、きれいな文章の上、考え深いお話しでした。

  • 大人の絵本、という感じ。

    雪の結晶と女性を重ねるところが綺麗。
    生き方はそれぞれですかね。
    共感する部分があったりなかったり・・・。

  • 一人の女性の生涯を雪のひとひらに見る、美しい物語。
    父なる神というキリスト教的考えがなければ理解し難い。
    父なる神への信頼、愛情を知っているもののある種の心の安らぎを描いた作品だと思う。

  • とても優しくとても儚いひとひらの雪になぞらえた「生きること」。とても美しく悲しいお話だった。

  • 雪のひとひら、彼女は生きた。苦もあり、恋もあり、そして生きた。最後に笑って死んだ。幸福のまま死んだ。決して悔やまず決して恨まず、死んだ。僕も天に召されるとき幸せに死ねるだろうか。それだけを思いながら僕は涙した。

全92件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1897年、ニューヨーク生まれ。コロンビア大学卒。デイリー・ニューズ社でスポーツ編集者、コラムニスト、編集長補佐として活躍。退社後、英デボンシャーのサルコムの丘で家を買い、グレートデーン犬と23匹の猫と暮らす。1941年に第二次世界大戦を題材とした『スノーグース』が世界的なベストセラーとなる。1944年にアメリカ軍の従軍記者に。その後モナコで暮らし、海釣りを愛した。生涯40冊以上の本を書いたが、そのうち4冊がミセス・ハリスの物語だった。1976年没。

「2023年 『ミセス・ハリス、ニューヨークへ行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ポール・ギャリコの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×