リルケ詩集 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102175026

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  • 長女の出産で、義理の母のところでお世話になっていたころ。繰り返し読みました。訳者の言葉遣いが美しくて好きでした。

  • 私は神を 太古の塔をめぐり
    もう千年もめぐっているが
    まだ知らない 私が鷹なのか 嵐なのか
    それとも大いなる歌なのかを


    天才かよ

  • プログレ系ミュージシャンによる優れた歌詞を読んでいるような気分。 構築美。

  • 哲学と詩は双子。

  • 他の人の訳も読まねばという感じではありますが、好きだった言葉を

    「読書する人」『形象集』
    …そして私がいま書物から眼をあげると
    訝しいものは何ひとつなく すべてが偉大であるだろう
    かしこの戸外にあるものは 私がこの内部で生きているもの
    そしてこことかしこと すべてに限界はないのだ…

    「ピエタ」『新詩集』マグダラノマリアの詩
    …いま あなたは疲れています そしてあなたの疲れた口は
    悲しい私の口を求めようとはしないのですー
    ああ イエスよ イエスよ 私たちの時はいつでした?
    なんと奇妙に 私たちふたりは亡んでゆくことでしょう

    「別離」
    どんなにか私は感じたことだろう 別離というものを
    なんとよく私がなお知っているか 暗黒で 不死身で
    残酷なものを。美しい結合を
    もう一度さし示し さしだし そして引きちぎるものを

    どんなにか私は術なく見やったことだろう
    私を呼びながら 呼びながら 立ち去らせて
    あとに残ったものを。それはみんな女たちのようで
    しかも 小さい 白い一点にすぎなかった

    それはただ一つの合図 もはや私をよぶのではなく
    もはやほとんどその意味も分からない ただかすかに
    合図しつづけるものーーたぶんそれは一羽の郭公が
    つと飛び去ったすももの木であった

    「オランジュリーの階段 ヴェルサイユ」
    …初めから既にひれ伏している
    欄干のあいだを ただ孤り
    階段はのぼってゆく ゆるやかに 神の恵みをうけて
    何処へということもなく ただ天をめざして…

    「薔薇の内部」
    何処にこの内部に対する
    外部があるのだろう? どんな痛みのうえに
    このような麻布があてられるのか?
    この憂いなく
    ひらいた薔薇の
    内湖に映っているのは
    どの空なのだろう? 見よ
    どんなに薔薇が咲きこぼれ
    ほぐれているかを ふるえる手さえ
    それを散りこぼすことができないかのよう
    薔薇にはほとんど自分が
    支えきれないのだ その多くの花は
    みちあふれ
    内部の世界から
    外部へとあふれでている
    そして外部はますますみちて 圏を閉じ
    ついに夏ぜんたいが 一つの部屋に
    夢のなかの一つの部屋になるのだ

    「読書する人」
    …そこで自分の陰影にひたっているものを読んでいる男が はたして
    彼なのかどうか? そしてわれわれ「時」を持っていたわれわれが
    いったい何を知ろう 彼にどれだけの「時」が消え去ったかを?

     最後にやっと彼は面をあげた 下の書物のなかに
    とどまっているものを 自分の高さに拾いあげながら。
    そして彼の眼は 外部のものを受け取るというよりは
    与えながら そこに出来上っていた豊かな世界に突きあたっていたのだった
    ちょうどひとりで遊んでいた物静かな子供たちが
    急に外部の世界の存在を知るように。
    けれども既にととのえられていた彼の表情は
    いつまでも彼方にとどまっていた あの第二の現実のなかに

    「春風」「1906-1909年の詩」
    この風とともに運命が吹いてくる ああ 来るにまかせるがいい
    これらすべての迫るもの 盲目なもの
    そして私たちを燃えたたすものをー
    (それがお前を見出すように お前はじっと動かずにおれ!)
    ああ 私たちの運命がこの風とともに吹いてくる

    「ヴォルフ・フォン・カルクロイト伯のための鎮魂歌」
    …あなたは恥じないでいるがいい 死者たちが 
    終わりまで堪えぬいたほかの死者たちが
    あなたに触れても(だが 終りとはなんだろう?)
    静かに 習慣のように 彼等と眼ざしを交わしているがいい
    そして私たちの悲嘆が あなたの奇体な重荷となって
    死者たちを驚かしても そんなことは気にかけないがいい
    出来事がまだ眼に見えるものだった時代の
    偉大な言葉はもはや私たちのものではない
    誰に勝利を語ることができよう? 堪え忍ぶことがすべてなのだ

    「ベンヴェヌータに」「1913ー1920年の詩」
    …ああ 星座を眺めるということにさえ
    ささやかな地上の足場が要るのではなかろうか?
    なぜなら信頼はただ相手の信頼のなかから生まれ
    あらゆる施しは返礼にほかならないからだ
    ああ 夜は私に何も望みはしなかった
    けれども 傷ついた者が傷つかない者にすがるように
    私が星たちに向って立ったとき
    いったい何処に私は立っていたのだろう? 私はこの地上にいたのだろうか?…

    「死」
    …ああ嘗て橋のうえから見た
    星の落下よ
    お前を忘れずに 立っていよう!

  • ・小川のあらゆるささやきを
     岩窟のあらゆる水滴を
     ふるえながら かよわい腕で
     私は神へ返すのだ

  • 何度も繰り返し読みたい。宝石のような感性と言葉たち。

  • 詩も有名どころから少しずつ。
    神を手で掬うようなくだりがあるが、流体のようなイメージではなく、汎神論ということらしい。

  • 原文で読みたくなる。きっともっと美しいのだろう。

  • 本当に意味不明という言葉しか出てこない詩集でした。いつかわかる日が来るのか、、、

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