マリリン・モンロー7日間の恋 (新潮文庫)

制作 : Colin Clark  務台 夏子 
  • 新潮社
3.38
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本棚登録 : 39
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102179819

作品紹介・あらすじ

世紀の女優マリリン・モンローに秘められた恋があったのか-?謎の死を遂げる6年前、当時30歳のマリリンは映画撮影のため、夫で作家のアーサー・ミラーとロンドンを訪れていた。だがミラー不在の一週間、仕事に、夫婦仲に悩む彼女を見守る23歳の青年がいた。貴族の末裔で助監督の彼が日誌に書き残した真実とは。世界のセックス・シンボルが、普通の女の子に戻った7日間の記録。

感想・レビュー・書評

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  • マリリンの死後にいろんな男性が彼女と恋愛関係にあったとの暴露本を出しまくったけれど、これもそのうちの1つと言って良いのでは?

    30歳でアーサー・ミラーと結婚直後のマリリンが、イギリスで『王子と踊り子』を撮影していたときに、ローレンス・オリヴィエと家族ぐるみの付き合いをしていた二十歳そこそこだった著者を第三助監督にしたそうで、そのときにマリリンに惚れられたってことを「マリリンの死後」に日記形式で発表した本でした。

    映画にもなったけれど、出版することを前提にずっと後に書いた「日記」なんてほとんど思い出を美化した妄想に近くなっているだろうし、他の暴露本著者とは違うと本人は思っていたとしても、こういった自分と大スターの間に何かがあったことを世間に公言する行為はとても美しいとは思えない。

    マリリン・マニアやスターとの夢をみたがるおじさんには良いのかもしれないけれど、我が家の女性陣には、こういう本を書こうとするお金と地位に恵まれた男性は信用できないと大不評でした。

    本当に優しい人なら、もし本当にこういったことがあったとしても不特定多数が読む本にはしないと思うんだよな…。
    そもそもマリリンとの話なら、出せば売れることはわかっていただろうし…。

  • 語り手が若い頃、映画の撮影でマリリン・モンローと過ごした思い出を回想する。作家アーサー・ミラーとの結婚もマリリンの心は空虚なまま。36歳で亡くなる6年前のロンドンで、青年とマリリンが過ごした時間は短いが、彼女が見せる無邪気な姿は可愛くもあり痛々しくもあり。華やかなハリウッドで活躍し、ビジネスにしたたかな顔も見せる。とらえどころのないマリリンに、スクリーン越しに今も魅了されてます。

  •  映画は観ていません(そもそも主演の方がマリリンらしくなくて観る気も起きなかった)。
     ブックオフで百五円で購入しました。
     小説というか、日記形式の淡々と進むお話で、まぁありていにいえば自分はマリリンと恋をしていたんですよマリリンにはこういう顔もあったんですよ(ドヤァ)っていうお話(超意訳)で、いやそんなん書かなくってもマリリンの素晴らしさなんて自明の理だろうがよと思いげんなりしました。
     マリリンはマリリンであるがゆえに押し潰されそうになり鬱々とした日々を過ごし、マリリンがもう少しだけよくある人間みたいな思慮深い人間でなかったならこんなにも悩み抜く必要はなかったのに、人生とは残酷なものだと言わざるを得ない。

  • 努力する女性としてのマリリン
    国立新美術館で開催されていた『アメリカン・ポップ・アート展』。
    ポップアートなるものを見る機会は多くないが、美術の資料集に載っているものくらいは見たことがある、という人もいるのではないか。
    私もその一人で、別に開催されていた点描画展は次回に持ち越し、ポップアートを見てみた。
    そこで描かれるものの中にM・Mこと、マリリン・モンローがある。

    アメリカのセックスシンボル、今でも薄れることのない存在感。
    色々な噂は全て神話のよう、「イメージ」をそのまま体現したようなマリリン。
    しかしそれらは一面的。
    マリリンの別の面を描いたものが本書である。

    どうせ、彼女と過ごしたベッドの中の話だろう、妄想もいいところだと思っていたが、そうではない。
    本書の内容を鵜呑みにはしないが、「金髪(ブロンド)=おバカ」の、奔放なセクシー女優という<u>作られた</u>イメージとは少し異なったマリリンの姿がそこにある。
    もし、本当にイメージ通りならば、数多の女優の中に埋もれ、彼女の名は消え去っていたはずなのだ。
    演技に真摯に取り組み、不安と孤独を抱えながらなんとか自分というものを取り返そうとしているマリリン。
    「恋」というには淡い。
    まるで『ローマの休日』のように、一時だけ自らのイメージから逃れた、そんな印象を受ける。

    私に取ってはマリリンは一つの「イメージ」であり、彼女を描いたものの断片しか知らない。
    その中には悪く書いたものもあるだろうし、想像で語られたものもあるかもしれない。
    本書も想像の産物かもしれない。
    だとしても、悩み、奮い立ち、進んでいこうとする彼女の姿は美しい。
    一つの物語としても、マリリンを努力する女性として描いた本書は評価できる。

  • 映画を見たから、原作も読んでみた。
    だいたい内容は一緒だけど、映画での作者コリンはちょっと頼りない感じ。
    でもマリリンをとても大事に思ってる優しい青年。
    原作の方は、結構しっかりしてる。
    マリリンよりも7歳も年下なのに、常にアドバイスが冷静で大人な感じだ。

    あとがきで映画の脚本家の話も載っていたが、
    撮影された場所は全て本当にその当時そのままの場所を使ったって。
    今度は「王子と踊り子」も見なくっちゃ。

  • 好意のフィルターを介して描かれていることを差し引いても、「マリリン・モンロー」になれるのは彼女しかいないんだなぁとつくづく感じました。どんなに似ている人がいたとしてもきっと「マリリン」にはなれない。本人も偶像に翻弄されてはいたのでしょうが、その戸惑いやコンプレックスでさえ「マリリン」の魅力になってしまう。皮肉な巡り合わせです。あとちょっとでも彼女の頭が悪かったり、自惚れが強かったり、奔放だったりすればもっと楽に生きられたでしょうに。ギリギリのバランスの上に危うく成り立っていたのが「マリリン」という存在で、彼女が耐えきれず崩れそうになっていたところにいたのがスタッフのコリン。この本の著者です。
    コリンとの関係は恋と言えるのかどうか微妙なところ。特に彼女の方は恋人よりも心許せる味方として大事な人だったのではないかと思います。順位をつけるのであれば恋人よりも上だったかもしれません。正直、本当の事かどうかはどうでもいい。ただ、彼女にもこんなことがあったのならいいなと思います。

  • 世の中にマリリンの説は沢山あるけれど、一体どの説が本当なの?この作品が彼女の本当の姿であれば世の中のマリリン説はかなり覆されるのではないかと思う。

  • 「薮の中」というけれど、本当のことは、当人たちにしかわからない。

    外から見て、それはないだろう…と思われても、当人同士が「そうだ」と思うのなら、それは「そう」なのだ。
    男女のことはほかの誰にもわからない。本当にあったのか、本当にそう思っていたのか。

    もう既にビッグスターとなり、後は、”ただのブロンドの可愛い子ちゃん”じゃないのよ、というところを示すだけとなったマリリン・モンローが、ローレンス・オリビエとの競演という大きな賭けに出て、新婚の夫アーサー・ミラーと共に撮影のため訪れていたロンドン。
    30歳のマリリン・モンローとの出来事を、そのとき23歳の青年だった著者が、長い時を経て書き起こす。

    それこそ映画のようである。
    途中まで、こりゃ「ローマの休日」だなあと思いながら読んでいた。
    著者の妄想じゃないの?と思うくらい、あまりにもよく出来た話。
    でも、それはあくまで著者側のストーリーである、ということにハタと気付く。
    事実かどうかはわからないし、ほとんど事実としても、マリリンの気持ち、心の動きなどは想像でしかない。マリリン側の視点で突き合わせることは出来ない。

    かたや数々の浮き名を流し、何人かの男性が "マリリンとのこと" を告白している、恋多きマリリン・モンロー。
    かたや23歳の無名の青年とは言いながら、いい家の出、映画界演劇界に顔のきく?両親を持ち、子どもの頃から俳優たちが家に出入りしていたような著者。
    こんなことがあってもゼンゼンおかしくはない、いや、あったのたかもしれない。

    それでも、ええー?ホントなのー?!と、どこか宙ぶらりんな感じがするのは、著者から見た都合のいいマリリン、だからなんだな。
    是非マリリンの告白も聞いてみたいところだけれど、今となっては、死人に口なし、何もかもが薮の中。

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