奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)

  • 新潮社 (2012年3月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784102180211

作品紹介・あらすじ

脳科学者である「わたし」の脳が壊れてしまった――。ハーバード大学で脳神経科学の専門家として活躍していた彼女は37歳のある日、脳卒中に襲われる。幸い一命は取りとめたが脳の機能は著しく損傷、言語中枢や運動感覚にも大きな影響が……。以後8年に及ぶリハビリを経て復活を遂げた彼女は科学者として脳に何を発見し、どんな新たな気づきに到ったのか。驚異と感動のメモワール。

みんなの感想まとめ

脳卒中を経験した脳科学者が、自らの体験を通じて脳の機能やリハビリの過程を詳細に記録した作品です。著者は37歳で脳卒中に襲われ、左脳に大きな損傷を受けたものの、8年間のリハビリを経て再び科学者として復活...

感想・レビュー・書評

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  • ハーバードで脳神経学の専門家だった作者は、37歳のある日脳卒中に倒れる
    一命は取り止めたが、左脳部分に大きな損傷を受け、言語記憶運動のあらゆる能力を失う
    8年のリハビリを経て 再びハーバードで科学者として復活するまでの記録

    専門家が当事者となって記録した脳卒中
    集中治療から手術、身体と記憶のリハビリの方法と経過を同じ病気の人に希望を与えるように書かれています
    驚いた事は、発症したその時から徐々に機能が失われていく時の記憶がある事
    言語を喪い思考できなくなる状態で助けを求める
    治療中の患者は、バカではなく傷を負っている、軽んじないでとする
    患者は治療中の感情も持っている
    作者の回復が奇跡ではない
    危険な手術に耐え 母親のサポートで繰り返しの学習を続け 諦めないでリハビリを続けた結果
    奇跡なのは 脳の回復とそのシステム
    病気だけでなく 専門家らしい特に右脳と左脳の役割と機能についての詳細な説明と考察があります
    ほぼ右脳だけの状態の時の感覚は興味深いですね
    これは、右脳に損傷を受けた場合はどうなるのかなとは思いますが

    脳卒中警報p319
    の=のろのろと身体がだるい
    う=うまく話せない
    そ=そんな身体の変化に注意する
    つ=つらい頭痛がある
    ち=ちかちか目がおかしい
    ゆ=ゆらゆらしてバランスがとれない
    う=うろんな記憶

    ネットで検索しても確認できなかったから、これ自体翻訳かもしれないけど
    ほとんど毎日こんな感じなのですけど
    加齢との比較が曖昧だから 拡散されていないのかな

    • おびのりさん
      土瓶さん、ほんとにそうなんですよ
      できれば、象みたいに誰も知らないところでって感じ
      臓器提供は保険証に明示してるんだけどね
      日本の医療って ...
      土瓶さん、ほんとにそうなんですよ
      できれば、象みたいに誰も知らないところでって感じ
      臓器提供は保険証に明示してるんだけどね
      日本の医療って 皆さん良くやってくださっているのはわかっているのだけれど
      余程高齢にならないと 治療方向なんだよね
      私、書いておこう。
      2024/06/02
    • おびのりさん
      たぶんこの本の趣旨とは逆方向にいってしまった結論(^ ^)
      たぶんこの本の趣旨とは逆方向にいってしまった結論(^ ^)
      2024/06/02
    • 土瓶さん
      思いついたので早速さっき書いて財布に入れたった!(^^)!
      思いついたので早速さっき書いて財布に入れたった!(^^)!
      2024/06/02
  • 脳科学者の著者が脳卒中で左脳を損傷してしまった時の体験、その回復までの貴重な記録。

    何年か前に著者のスピーチをYouTubeで観て衝撃を受けたことがあって、右脳の能力についてもっと知りたかったので、本も書いてると知ってすぐ購入。

    さすが脳科学者だけあって、自分の脳に起きてることを客観的に科学的に記録してくれている。
    左脳が機能しなくなって右脳だけになった彼女が体験した世界はほんと衝撃的だ。
    宇宙とひとつになって深い安らぎを経験したことには、ほんと驚いた!

    右脳と左脳の機能の違い、私たち人間の成り立ちetc 目からウロコの情報がいっぱいすぎて書ききれない。

    ぜひより多くの人に読んでみてほしい!!!

  • 脳科学者である著者が脳卒中になり、どうリカバリーしていったかの記録。
    左脳と右脳のマインドの違いが、面白かった。
    「いま、ここに」は、右脳のマインドらしい。
    安らぎを得るためには、右脳を鍛えるといいのか、と興味深く読んだ。
    後半はスピリチャルな色が強くなってしまって、読みにくさもあり。
    好みがわかれそう。

  • 脳科学者である著者が脳卒中を経験し、回復したのちに著した闘病記(&脳についての解説)。

     主軸としては脳科学や生理学ではなく、あくまでも「闘病記」ですが、巻末の付録には脳について専門的な解説が掲載されています。
     こういった闘病記にありがちな、冗長で、読んでいる方まで辛くなってくるような悲観的な気持ちなどは殆どなく、どちらかというと(読みようによっては)科学者として、「左脳が壊れたことによって何が起こるか」を観察し、実際に左脳の機能を取り戻すべく試行錯誤してみて、実際に左脳を取り戻すまでの実験記録、のようなニュアンスを感じました(前向きで意欲的な姿勢に溢れた感じ)。
     やっぱり研究者はどんなことがあっても研究者なのだなあ、と思いましたし、説明の理路整然とした感じや、「コントロール」しようとする姿勢から、一度左脳の機能を失ったとは思えないほど、ジル博士は根っからの(?)左脳型なんだなと感じました。脳卒中になる前の博士はかなーりカタブツだったんだろうなと容易に想像できます。

     左脳にゴルフボール大の血栓ができてしまったジル博士は、左脳の機能を大幅に失いながらも、手術を乗り越えて左脳を「取り戻す」ことに成功します(とはいえ、血栓のせいで死滅した左脳の細胞は取り戻すことはできず、代替する細胞が役割を担ったという形)。
     この体験を通じて博士が感じた右脳と左脳の役割について、そしてリアルな発作時の様相について、生き生きとした文体で綴られており、電話に辿り着けないくだりなんかは見ていてハラハラするというか、一種、何かの映画を見ているような気分になるほどでした。
     左脳と右脳の機能の違いについて、一般人である私などは一般書で「左脳は計算」「右脳は絵」くらいにしか考えていませんでしたし、知りませんでしたが、左脳が機能停止して、ほぼ右脳だけの世界になったジル博士の体験を読んでいると、「右脳って芸術一辺倒みたいに考えられているけど、実は違うんだな」ということが分かりました。
     左脳が機能停止すると「脳のおしゃべり」がなくなって涅槃の境地に達する、というのはジル博士の個人的な体験ですが、実際に「判断、批判、論理」をつかさどる部分が機能停止したら「この瞬間」にしかフォーカスできないのも頷けます。
     別の方(『壊れた脳 生存する知』の著者、山田規畝子さん)の本を読んだときも、「前頭葉の判断力が自分を助けてくれた」というふうな記述があったと思いますが、左脳が使えないと判断ができなくなるんですね。
     一方で右脳は様々な視覚的イメージを断片として(コラージュのように)記憶していて、左脳よりずっと記憶力が良いことも初めて知りました。感覚器と密接に結びついていて、私達が五感で世界を楽しめるのも、右脳のおかげなんですね。
     そのほかにも、本書のあらゆる箇所で左右の脳の役割について、詳しく述べられています。
     巻末には「回復のためのオススメ」として「病状評価のための一〇の質問」と、著者が医療者や周囲の人たちに実行して欲しかった事を集めたリスト、「最も必要だった四〇のこと」が収録されています。医療に携わる方や周囲に脳卒中を患った人がいる方にはお勧めできる本ですし、そうでない方にとっても、他人事ではない(日本人の三大死因である)事なので、興味がある方は一読をおすすめします。

  • 脳科学者として充実した日々を送っていた著者が、脳卒中から回復するまでの記録。とても面白い本でした。
    脳卒中に襲われた朝の記述はとてつもない臨場感があって、読んでいてドキドキしました。脳卒中になっても脳のいっさいの機能が損なわれるわけではなく、何もかも分からなくなるわけではないんだと改めて気づかされるとともに、そこから病院で治療を受け、徐々に回復へと向かう道のりをここまで克明に文章にできる著者の強さと聡明さに感動しました。
    著者は左脳に損傷を受けたため、回復するまでは圧倒的に右脳が脳の機能を支配したようですが、そのさまを表した文章が素晴らしい。
    「かみさま、どうか、わたしのいのちをおわらせないで」と祈ったかと思うと「自分が生き延びたことに激しい失望を感じていたのでした」と葛藤する様子や、「肉体の境界を感じることができず、(中略)わたしは、自分が『流れている』ように感じました」という表現はとても文学的。
    そして「あらゆるエネルギーが一緒に混ざり合っているように見えたのです。」「わたしはこの粒々になった光景が、まるで印象派の点描画のようだと感じました」というような表現は映像的で、字を追わせながら強く視覚に訴えてきます。
    とにかく引き込まれるようにして読みました。
    私たちの日常は、右脳と左脳が絶妙なバランスを保っているからこそ普通に過ぎていくんだな、それってまさに奇跡的なことなのかも、と思ったし、自分の感情の手綱は自分で握る、というのも心がけたいと感じました。
    『回復のためのオススメ』の章の『最も必要だった四十のこと』を読むと、脳梗塞で倒れた母もこんな気持ちでいたのかな、と考えさせられます。子どもにものを教える人間として教訓にしたいと思うことも。
    非常に得るものの大きかった本でした。

  • 脳卒中で左脳の機能を中心にダウンしてそこからの再起と気付きの話。
    とても励みになったし、考えてる感じは近い気がするので明るく捉える工夫は大事だなって思った。
    出来ない事より出来る事を大切にするとか、事が起こったその日の最悪の時との比較で僅かでも改善してる今に感謝し、それを積み重ねる感じとかとても励みになったかな。

  • ジル・ボルト・テイラー(1959年~)は、インディアナ州立大学で博士号を取得後、ハーバード医学校で神経解剖学者として勤務する傍ら、全米精神疾患同盟(NAMI)の理事を務めた。1996年、37歳のとき脳出血により左脳の機能をすべて失ったが、8年のリハビリにより回復、2008年にはタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。現在は、ハーバード大学脳組織リソースセンター(ハーバード・ブレインバンク)のナショナル・スポークスマンとして、重度の精神疾患の研究のために脳組織を提供することの重要性について、啓蒙活動を行っている。
    本書は、著者が脳卒中になったときの状況、脳卒中からリハビリを経て回復する過程、そして、脳卒中になる前と後で何が変わり、それによってどんなことを考えるに至ったのかを、赤裸々に綴ったものである、
    私は、文系キャリアの会社員だが、脳の不思議な働きについては従前より興味があり、これまで、エベン・アレグザンダー『プルーフ・オブ・ヘヴン』、オリバー・サックス『妻を帽子と間違えた男』、ダニエル・タメット『ぼくには数字が風景に見える』、クリスティン・バーネット『ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい』、東田直樹『自閉症の僕が飛びはねる理由』、坪倉優介『記憶喪失になったぼくが見た世界』、恩蔵絢子『脳科学者の母が、認知症になる』等々、幅広い本を読んできたが、本書もその流れで手に取った。
    前半では、著者が、ある朝突然脳卒中になり、職場の同僚が駆け付けてくれるまでに、自分の身に起こったことを、脳科学者の視点から具体的に記しており、(妙な言い方にはなるが)我々読者が脳卒中にかかったときの参考になるような内容である。
    そして、後半で書かれているのは、著者の脳卒中が起こったのがたまたま左脳で、左脳の機能をすべて失ってしまったために、その直後から、自分を取り巻く環境・世界の認知が右脳のみに依拠することとなり、それによって生じた世界観・人生観・価値観の劇的な変化についてである。具体的には、言語処理・論理的思考・分析・数学的能力・感情コントロールなどの左脳の機能が失われ、創造性・直感的思考・イメージ力・空間認識能力などの右脳の機能が前面に現れることによって、自分が宇宙と一体化する、所謂「悟り」のような境地に至るのだという。そして、著者自身、脳卒中前のように、(左脳の働きからくる)クソ真面目で、あらゆることを「正しいor間違っている」、「良いor悪い」で判断することがなくなり、(右脳の働きからくる)現在の瞬間の豊かさだけを考え、常に物事を楽天的に捉える性格に変わったのだという。究極の問いかけとして、「あなたは、正しくありたいですか、それとも、幸せになりたいですか?」とも言っている。
    後半は、宗教的というかスピリチュアルな印象が強く、基本的に合理主義者の私には少々苦手な内容になっているが、宗教体験や臨死体験を経験した(と言う)多くの人は、同じようなことを語っており、それは、おそらく右脳の働きと何らかの関係があるのだろう。
    脳の働きと、それによって人生の捉え方が変わる可能性があることを示唆してくれる一冊である。
    (2024年1月了)

  • 科学者「左脳タイプ」が脳卒中になり、左脳の機能が著しく低下した。
    8年かけて回復した話。

    左脳が低下して
    筆者は右脳の存在役割を目の当たりにする。
    右脳マインドのキーワードを挙げるのであれば「思いやり」「愛のこもった共感」【平和と愛の心】
    全体像を感じ取り、自分の周囲や内部のすべてのものは宇宙という織物に織り込まれたエネルギーの粒子でつくられている。

    右脳の人格にいい悪い正しい間違いの判断はない。いつまでも楽天的。
    慈しみ深い。感謝でいっぱい。
    新しいことへの挑戦。型にはまらない。創造的。


    ✳︎怒りは90秒で生理的に消える。消えない場合は、わたしがそれを選択している。【左脳で】
    怒りを反映して論争をするか(左脳)
    感情移入して同情的な気持ちになるか(右脳)
    えらんでいる。


    障害、これまでと違う生活を余儀なくされた人にあった場合。憐れむのではなく【優しさと好奇心】で接している。

  • すごい体験が語られている本。
    TEDというプレゼンサイトでこの著者のプレゼンの様子を見たが、この本で語られているような状態から、あそこまで回復したのかと思うと信じられない。
    脳卒中後の著者が周りの人の反応(ゆっくり話を聞かない、追い立てる、面倒そうに切り上げる)をどのように感じていたかを読んで、病気や障害で流暢に話ができない人は、本当はこんな風に感じているんじゃないかと思った。今まで、そういう人に対峙したとき、こっちが辛くなってしまって、話を切り上げたりしてしまったように思って、反省した。
    外から見える状態と中で感じている状態はまったく違うんだな、と。脳の働きの不思議さももちろん面白かったんだけど、個人的には、そこがいちばん印象に残った。

  • もしTEDでの著者のプレゼンを聞いたことがない人は、ぜひ本書を読む前にYouTubeで著者のプレゼンを聴いてほしい(「ジル•ボルト•テイラーのパワフルな洞察の発作」※この訳は意味不明…)。本書に限っては、本はあくまで補足資料であり、一番著者の想いが伝わるのはプレゼンだと思う(プレゼンは⭐︎10くらい!!)。

    大学生か高校生のとき、著者がTEDで本書の内容を話すのを聞いて、内容にも表現の上手さにも、とにかく衝撃を受けた。圧倒された。以来何度も聴いているが、聴くたびにちょっと笑い、そして泣かされる。心を揺さぶられるプレゼンという意味で、これを超えるものにはいまだ出会えたことがない(ちなみに多分半分以上はワードを聞き取れていないのに、不思議なくらい伝わる。左脳で理解するのではなく、右脳で感じているのだと思う笑)。
    そういう訳で話の流れはほぼ暗記してしまっているのだが、たまたま図書館で見つけたため改めて本を読んでみた。

    講演で感じた著者のチャーミングな雰囲気がそのまま訳書にも表れている。
    後半はちょっとスピリチュアル的で若干構えてしまうのだが(やはりここは文章よりテイラー自身の話し方、身振り含め聞いた方が想いが伝わるように思った)解説を書く3者もそう思ったのか三者三様に擁護している。
    養老孟司氏の解説では「科学的結論なら信用できる。そう思っている人が、いまではずいぶんいるらしい。しかしその科学を生み出す意識がどのくらい「信用できるか」ご再考いただけたのではないか。」とぐさり。でもそれを言ってしまうと元も子もないので、わたしは竹内薫氏の「神秘体験にも脳科学的な根拠があることを自らの体験により「証明した」という意味で、本書はこれまでタブー視されてきた領域に果敢にメスを入れた」という考え方に共感したい。
    宗教も、イメージが悪いのは主に新興宗教が政治や金と絡んでいたり、エキセントリックな規律を置いていたり、信者以外を強く排斥若しくは強引に信者を増やそうとする行為が印象を悪くしているだけであり、本来は自分の心をいい方向に保つもの、他者への思いやりを育むものとして良い作用をもたらすものであるはずである。
    テイラーが好きだという、「あなたは、正しくありたいですが、それとも、幸せになりたいですか?」という古いことわざ。1人の自分という個体を持ち忙しなく左脳を働かせてタスクをこなすのに勤しむのと、自分は宇宙の一部であるという感覚の中で、深い安らぎと幸せが感じ取れるような状態と、あなたならどちらを選ぶか。プレゼンの中でのwhich do you choose?という問いかけ。
    エネルギーの流れを感じること。「いま、ここ」に心を集中させること。これは比較的東洋的な思考であり、禅の思考にもつながる。
    生き方を考えさせられる。

  • 奇跡の脳

    脳科学者である著者が、左脳半球で起きた脳内出血から立ち直った際のドキュメンタリー的な物語に加えて、その体験から学んだ右脳のすばらしさを宣教している本です。
    前半部は非常に興味深い内容で、脳内の知識を持った当人が、朝起きた不調から起きている病気の認識を経て助けを呼ぶ方法を模索するというちょっとしたサスペンスものに仕上がっています。
    どんどん無くなっていく認知の中、特に数字の意味がわからなくなっている状況で、どうやって助けを呼ぶのか?結構はらはらする展開です。(でも、結果として助かったということが解っているのですが。。。)
    また、介護してもらう立場で、介護する人にして欲しいこと、して欲しくないことをきっぱりと語っているところは、将来、介護する側になった際に役に立つ心得かなと思いました。
    後半は、ほとんど科学的なフレーバーをふりまいたスピリチュアル本になってしまいました。
    左脳が機能しなくなった際に感じた涅槃の境地。世界全体の一つのエネルギー体と繋がっている全知全能の感覚は、いろいろなスピリチュアル本や宗教家が語っていることです。そこから始まり、左脳に支配されてしまっている現代人は、もっと右脳の言っていることに耳をすまして、左脳のコントロールとのバランスを取ることの大切さを熱く語っています。本人が熱くなってしまっているので、科学的な客観性をもった論理や言っていることの整理が欠けてしまっていて、今ひとつ説得力に欠けるように感じました。
    でも、高ぶった感情によって放出される神経伝達物質は90秒程度で無くなるので、感情に支配されそうになったら90秒程度は感情につきあった後に、自分の意志でそれを切り替える大切さに関しては、なるほどと感じました。頭に来たら、90秒くらいの一呼吸をおいてから返事をする。これ、竹蔵の基本プラクティスにしたいと思います。

    竹蔵

  • とにかく人間の脳の素晴らしさに感動した!
    私の父がくも膜下出血で倒れたことをきっかけに手に取った本だったが、とても希望を与えてくれる本だった。
    今まで、脳科学や心理療法、量子力学、心理学などいろんな本を読んできたが、その知識がつながるところが何箇所もあり、やはり全ては繋がってるんだなということにも感動した。
    ジルとジルの母親の辛抱強さにも感動した。サポートする側の人間は、自分が何をすべきかしっかりと見極め、何が欠けていて、どんなサポートをすれば本人の力が回復するのか、質問1つとっても、
    イエスノーで答えられるような簡単な質問ではなく、どうすれば本人が考えるようになるのか、自分の頭の中のファイルを探そうとしてくれるのか?そういったことを一つ一つを丁寧に、そして辛抱強くサポートしていかなければならない。
    そこで回復の仕方は大きく変わってくる。
    ジルのお母さんのような的確な判断は本当に素晴らしいの一言だった。
    右脳と左脳の違いについては、今までも少しの知識はあったが、ジルのリアルな体験によって、その知識がよりリアルに感じ取ることができた。
    右脳と左脳がいろんな刺激をそれぞれ異なる受け取り方をして、処理して、私に今見えている世界を見せてくれている。
    何気なく生きている日々でも、私たちの体は本当に一生懸命働いてくれているんだなぁと感動した。
    怒りについて、書かれていたところは、その怒りの感情を自分が選んでいるというところがアドラー心理学に通ずる部分があるなと思ったし、
    湧いてきた感情にジャッジを下さず、そのまま感じ取ってあげるというところは、心理療法ACTに通ずる部分があるなと思った。
    右脳が優位になることで、まさに「今」を生きること、マインドフルネスな状態になり、幸せを感じ取ることができる。
    ジルが完全に右脳だけに頼っていた時は、自分が流動体になった感覚で、見えているものも、自分も、何の境目もなく一つになっていて、まるで点描画の世界だったと言うところも、量子力学で学んだ知識とリンクする部分があり、読んでいてとても納得した。
    何より、脳疾患後のリハビリの期限は6ヶ月までと言われていた常識を覆してくれたことが嬉しかった!
    実際、ジルは8年もかけてリハビリをし、見事に回復をした。
    私の父にも伝えようと思う。そして、周りの人間が必ず回復できる!と信じきることが何よりの力になると言うこともとても学びになった。
    (ジルは右脳のみを使っていた時は、相手の言葉の意味は理解できていなくても、顔の表情や雰囲気で何が伝えたいのかを感じ取ることができた。なので同じ病気の方と接する場合に、自分がしている表情、醸し出している雰囲気にはとても注意して責任を持たなければいけないなと思う)
    リハビリの途中でコミュニケーションがうまくいかない時期に、一見、意思疎通ができていないように感じても、本人は頭の中ではいろんなことを感じている。それをただ「言葉」で話せないだけ。
    (実際本にも書かれていたことで、言葉で話せなくても、その話したいことをイメージして歌うことはできる、これは右脳が優位の場合)
    それを頭に置いて、丁寧に大切にコミュニケーションを取りたいなと思った。
    なくなったと思っている脳の中の記憶、それは消えてしまったのではなく、引き出しの回路がなくなってしまっただけ。記憶自体は消えたわけではない。
    記憶までのアクセスを試行錯誤しながら、その記憶につながる瞬間をサポートしていきたい。
    なくなった回路はまた作り替えれば良いだけ。自分自身も希望を持って、自分の体に感謝して生きていきたいと思った。
    本当に素晴らしい本だった。

  • 何度読んでもすごい。
    著者は脳科学者。脳梗塞で左脳が働かなくなった事で、思いかけず右脳の真の働きを感じるようになる。
    右脳の世界には過去や未来、時間の感覚がなく、今・ここに・あることだけ。世界との調和と一体感、幸福を感じている。
    仏教的な悟りや解脱とも近く、科学と宗教との統合感も面白い。

  • 過去の嫌な事、失敗を思い出して、「わー」てなることありませんか?


    私はよくあります。


    あんなこと言ってしまった。やってしまった~ぐるぐる~と回って、声をだしたくなる。出す。


    これって、左脳のマイナスなループを右脳が止めてくれてるんだと思いました。

    そんなことがわかる素晴らしい本でした。

  • 回復までの体験から著者が感じた事が描かれている。
    医学的な様々なデータを引き出して説明していくのかと思いきや、凄く感覚的な文章。
    かなり主観的な印象をうけた。(良い悪いは別として)
    医学の話ではなく、哲学的な内容
    自分の思考をコントロールし幸せに生きるための方法が描かれている。

    ただ、文章としては、リズムや表現がちょっと自分の感覚と合わず、読み辛かった…
    この翻訳者と相性が良くないのかも

  • 著者は脳科学者であり、それも学会を代表するような非常に優秀な脳科学者であった。しかし、突然、朝、左脳に異変を感じ、脳梗塞になり、言語等失ってしまった。しかし、そこは脳科学者であった。左脳が損傷を受けていることを自分の内から認識し、右脳を駆使しつつ、左脳の回復、というより、左脳と右脳を結ぶシナプスの再構築を行っていく、リハビリの中で、自分がどう考えてきたかをつづっている。
    そこでは、理性等を司る左脳が当面使えなかったので、非常に心が落ち着いていたという。怒りや妬み、自尊心などをそこまで感じず、右脳という直感を司る脳だけで、非常に幸せな時間を過ごせたともいう。回復はしたいが、できれば、そのような余分な左脳の機能は回復せずにおけないだろうか、とも考えたようだ。

    本書は、脳梗塞を起こした人を支える人に読んでもらいたい。というのも、脳梗塞をした人は、どのように感じ、生きているかをかなり具体的に記載しているからだ。大きな声でしゃべらないで、ゆっくりしゃべって、十分な睡眠をさせて、など。

    でも、作者は、非常に有能な学者であったためか、本書の端々に、自分はえらいんだ、というような書きぶりが垣間見える。もう少し、謙虚な人物であったなら、私ももう少し素直にこの本を読めただろう。ということで星2つ。中身はよい。

  • 最初に書くけれど、私の評価は装丁や訳も込みでの評価だ。
    もちろん中身が大きいけれど。

    すごく読みやすいし、
    きっと筆者のジル・ボルト・テイラーは素敵な人なんだと思う。
    けれども、
    まず脳梗塞時の気持ちの文章がひらがなだらけなのが読者に媚びてる感じがして嫌。
    最近の文庫は字が大きくて嫌いなんだけど(文庫感がないしページ数が嵩む、重くなる)、
    もちろんこれも例外じゃない(字の大きさがひらがなの媚びてる感を増幅)。
    純粋に中身のことで言えば、
    脳梗塞の下りが、
    ちょっと冗長かなー。

    端的に言うと、
    もう少し読者の知力を信じていい。
    若しくは、
    私が期待していたより設定読者を広く取っていた。
    という感じ。

    なのでこの本自体が悪いとかそういうわけではないと思う(冗長部分を除いて)。
    貴重な体験の話だし、
    興味深く、価値観も素晴らしいと思う。
    養老孟司さんが後書きで書いているように、
    人間の脳に特別な興味がない人にも楽しめると思う。

    それでも、
    中身をもうちょっと圧縮すればもっと良かったんじゃないかなー、
    と思うことを止められない。
    本との関係にも相性というものがある、
    といういい例かもしれない。

    あと本の評価とはちょっと違うが、
    瀕死の患者に同意書のサインを求めるという話は知っていたが、
    やっぱり事実なんだ…、と驚愕。
    訴訟の国アメリカ、私が住むにはタフ過ぎる国。

  • 本書に先駆けて、TEDで、ジル・ボルト・テイラーの講演を聞いた。実際の脳の標本を手に語る彼女は新進気鋭の脳科学者でありながら、若くして既に脳卒中を経験した人であったが、とてもそうは見えない。むしろ、専門家が自らの経験を、実験のよき進め手として、冷静にその経過を見守っているようだ。それは凄いことに違いない。

    本書は、ジルの言葉や内容にすっかり心を奪われるが、それは、この訳書を仕上げるために翻訳を十分に検討されたことに拠るところが大きい。巻末の解説はinformativeで参考になる。

  • 脳科学者が脳卒中になり、そこから回復していくまでの過程を書いた内容。
    自分の体験をもとにしているだけに説得力があった。
    後半のスピリチュアルな観点からの部分は、私の個人的な興味からは逸脱していたが、実際に脳卒中になってから~回復に向かうまでの脳やからだの感じ方を書いた部分がとても興味深かった。

  • 母が脳梗塞を起こした。倒れた次の日はうまく話せなかったが、リハビリ後、コミュニケーションは問題なく復活した。脳ってすごいと思った。そこから興味をもって読んでみた。

    たとえ片方の脳が損傷受けても、もう片方の脳がつながることを止めず補おうとする、すごい。

    脳卒中からの回復は、寝ること、余計な音、情報のシャットアウト、即ち、余計なことにエネルギーを使わない事、前向きに考えること、応援してくれる人を持つ事。「今、ここにいること」に精神を集中する。これって、今のマインドフルにつながっているし、マインドフルを唱える人ってここからヒント得たんじゃない?と思えるほど。

    右は感覚、左は論理。左脳機能が失われた事で平和的になり、左脳機能を取り戻す事で以前の気難しさや嫌な部分を取り戻したくないとい発想が興味深い。右脳の良さを称えまくるのに対し、左脳をそこまで言う?って位、悪者扱いすることに違和感を感じたが、まあ、左脳機能を失ったことで見えた彼女なりの視点は面白いし、この経験から、脳に障害を持った人を劣った人と見ずに接する姿勢は彼女ならではで新しいし、これこそ優しさだな、と思った。

    ちょっと残念だったのは、翻訳の間違い。
    ・脳卒中キーワード>のうそっちゅ「う」。「うろんな」そんな言葉ない。
    ・P189 嚥下のふりがな「えんか」は間違い。えんげ。これって医者がブリーフィング行ってたらこんな間違いは指摘されただろうに、と思う。あ、茂木先生や養老先生があとがき寄稿してるのに。

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著者プロフィール

神経解剖学者。1996年、37歳のとき脳出血により左脳の機能をすべて失った。8年のリハビリの末、身体、感情、思考すべての脳機能を回復させた体験を語ったTEDトーク(2008年)は、これまでに2800万回以上視聴され、伝説の講演となっている。体験記『奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき』(新潮社)はベストセラーとなった。本書は、その実践編とも言える著者の2冊目の著書である。現在は、ハーバード大学脳組織リソースセンター(ハーバード・ブレインバンク)のナショナル・スポークスマンとして、重度の精神疾患の研究のために脳組織を提供することの重要性について、啓蒙活動を行っている。

「2022年 『WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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