- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102180419
感想・レビュー・書評
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『暴行』読了。いやこれ傑作。とある暴力行為とその傍観者たちの行動をこれまた傍観者のごとき視線で描いているのだが、人の醜悪な部分をいやというほど見せつけられながら最後はひとつの光明を見いだすような思いで本を閉じることができる。
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ネットで見かけて。
話がまっすぐ進まないことにイライラして、
なかなか読み進めるのが難しかった。
多くの目撃者がいたのに警察への通報がなされなかった殺人事件、
その後の社会心理学の「傍観者効果」の研究の元となった事件を題材にした作品だと知っていたら、
こんなにイライラしなかったのだろうか。
もともと本の中と言えども、動機のない暴力を読みたくはないので、
そのせいもあったのかもしれない。
なにか革新的なものを目指している意図は感じられたが、
自分にはピンとこなかった。
その事件を取り上げるなら、他のやり方があった気がする。 -
140617
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第25回山本周五郎賞受賞作。本作の中心となりカバーにもなっている「夢」という作品は1910年、ルソー最晩年の代表作である。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file5/naiyou18901.html
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『傍観者効果』なる言葉を初めて知りました。確かに「これだけ人がいるんだから自分がしなくても誰かが通報するだろう」という気持ちは生じるだろうし、なにより「こんなことに関わりたくないし」と思う気持ちだってどこかしらあるんだと思う。まあこの小説ではそれと同時に「自分は今それどころじゃないんだから!」的なところもあるけど。それにしてもグイグイ読ませてもらったな。
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アパートの中庭で刺された女性の悲鳴を聞いて各部屋の窓から見ていた目撃者38人、でも通報者0人。傍観者効果なる言葉を拡げた実際の事件をもとに、ドラマ仕立てに仕上げた作品。煩わしくてできれば関わり合いたくない気持ちがよくわかる。
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人生色々、やるせないな。
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ほぼグランドホテル方式といってよい創り。
主体視点が次々と変わるために集中し難い面もあるが、
時間密度は濃密で、物語が進むにつれ、
人間のダークサイドのドラマを強烈に浮び上がらせる。
これが処女作なのか。すごいな。
2010 年 CWA賞最優秀新人賞受賞作品。 -
いわゆるグランドホテル形式のサスペンス。こういうのは記憶にない。突っ込みどころはあるが読んでる間は全く気にならない。佳作。